逆転が世界を面白くする、『クリード チャンプを継ぐ男』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

【タイトル】『クリード チャンプを継ぐ男

【評価】☆☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】ライアン・クーグラー

【主演】マイケル・B・ジョーダン

【製作年】2015年


【あらすじ】

 伝説的な世界チャンピオンであったアポロ・クリードの息子アドニスは、ビジネスの世界で生きていたが、ボクシングへの思いを断ち切れずプロボクシングの世界へ飛び込む決心をする。そしてアドニスは、父親のライバルで親友もあったロッキーのもとを訪れる。


【感想】

 「スター・ウォーズ」に負けず劣らず、「ロッキー」シリーズも息が長い。1作目でしっかりとした太い幹を作ると、続く作品で大きく枝を伸ばすことが出来るのかもしれない。「ロッキー」には「スター・ウォーズ」のような華やかさはないが、いつの時代にも通じるサクセスストーリーが貫かれている。さすがに今回、スタローンがリングで戦うことはなかったが、それでも「ロッキー」の世界観が真っ直ぐに受け継がれていた。


 主人公は、ロッキーの宿敵だったアポロ・クリードの息子。なかなか上手いところを突いてくる。そしてスタローンを自然な形でボクシングの世界に呼び戻していた。主演は黒人俳優のマイケル・B・ジョーダン。均整のとれた肉体は、ストーリーに説得力を与えていた。思わず見とれてしまうような筋肉。片手での腕立ても披露していた。


 無名の若者ではなく、親の七光りを背負ったボクサーも大変そう。無名であろうと、有名であろうと苦悩は付いて回る。そして1作目とは反対に、白人のチャンピオンに黒人の主人公が挑む。何のストレスもなく気持ちよく物語が展開し、見せ場のボクシングシーンも迫力十分だった。懐かしさを感じさせるカットも多く、古いファンを喜ばせてくれる。