顔だけのパン | 今永ぴっとの詩集「俺、猿とメルヘンの旅支度」

今永ぴっとの詩集「俺、猿とメルヘンの旅支度」

詩唄いが、伝説の「猿の種」を探す,旅の途中に綴る詩
~ノーフューチャーな森へ好んで、歩み出す~

洗面台で あくびをする間


障子から テディーベアーが溢れる


ほうれん草の中の ホコリ


空に浮かぶ 綿から降る雨


継ぎ足された 悲しみに


言葉を無くしている 小猿


新しいものばかりが 欲しくなって


洞穴で震えてばかりいる 真実


行き過ぎた ブートレグが 線路から外れていく音


プラスティックのたて笛から 魚が跳ねる調べ


リンゴの果汁と共に滲み出る 鉄格子の酸味


存在の在り処 屈辱の証明


心の泉に沈む スニーカーに


汚れた女神は 息すらしていない


背骨から吐き出される 物語は


からっぽの夜を埋める 価値がある


顔だけのパンから チョコレートが


垂れている夢


忘れてはならない 記念日の時に


いつもの生き方の中で 十字路に種をまく




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