ワクチンは不要ですか? | いまもとしげきのブログ

いまもとしげきのブログ

第66回 全日本社会人ボクシング選手権 ヘビー級 優勝
平成26年度 神戸市スポーツ表彰
平成26年度 兵庫県スポーツ優秀選手
獣医師・防災士・大学非常勤講師・日本サッカー協会公認D級コーチ

近年、予防接種の接種率が上がりました。

これは、事実、そう感じています。おかげで、伝染病(特にパルボやジステンパー)を診察する機会が激減です。

混合ワクチンの中に含まれる病気は本当に診察機会がないんです。

(犬の咳に関しての混合感染症ってのが、最も診察する機会がありそうな伝染する疾患ですが、、、)

 

しかし、繁殖場とおつきあいのある先生のところでは、未だに診察機会があるみたいです。

 

ん?ここで、ワクチン接種徹底したら、日本は狂犬病のように清浄国に近くなるのでは?

 

とも思うわけです。

 

寄生虫感染や伝染病は、今のところ、環境の悪い繁殖場出身の犬からしか出てこないといっても間違いじゃないんじゃないか?と言うくらいに、出所が限られているんです。最近は、環境のよいリーダーさんが増えたので、さらに伝染病の犬と接することがなくなったんです。

 

じゃぁ、どうしたらいい?

 

ね・・・。そうなんです。今、皆さんの頭の中に出てきたことが答えなんじゃないかな?と思います。

 

では、ほぼ清浄国になったらワクチンは不要?

 

そんなことはないです。

 

例えば、狂犬病は、清浄国。これを維持するために、万が一入ってきたときのために、今いる犬で免疫力を高める必要があります。

え~、毎年打つの?

 

ってなるでしょ?

 

そうなんですよ。

 

これ、変えたらいいのに、、、って思うんです。

 

まずは、犬の登録を100%やっちゃう。

繁殖犬も、、、ね。そして、入ってきた時には一斉免疫。それでもいいんですよ。

 

登録している犬って、今でもいないんだから、これは実は現実的ではないと見なされている。皆さん、登録してますか?

 

世界的に多くの死者を出している狂犬病。この監視は重要なんです。

この感染症への対策という意味で、未だに日本は狂犬病の予防接種をやっています。犬を飼う人に対しての義務です。

 

その制度を変えるには、いくつかのハードルを越えないといけません。

 

狂犬病が国内に入ってきたときの対策の具体案で、現実的なものを提示できれば議論のテーブルに乗るかもしれません。

そうなるまでの間には、法律により、犬たちへの接種は続くのでしょう。

 

それにしてもなかなか、この問題は前に進みませんね。

 

今日は、簡単に思うことを書いてみました。

本格的にこういった議論が法改正を視野に始まればいいのになぁ。。。と、思っている末端獣医師です。

 

では、混合ワクチンは?

 

抗体検査して、防御力チェックしますか?

それだけでじゅうぶんでしょうか?

 

ローレスポンダーと呼ばれる、ワクチンへの反応が弱い個体も特定の犬種では確認されています。

毎年必要?

3年に一度は猫だけ?

 

さぁ、どうしたらいい?

 

最初に書いたほとんど見なくなった感染症。

今、診察するのは、洪水、川の氾濫が起きたあとの「レプトスピラ」です。

(毎年のようにこれは、発症が確認されています)

 

こういった感染症へのきちんとした啓蒙が必要になってきます。

 

免疫学と感染症についての知識などを理解したら、だいたいの答えが出てきそうですね。

情報不足からくるワクチン批判や、都合よい情報の切り取りでの批判など、ここ10年以上もずっとそういう論争がありますね。

議論だけでは何も変わりませんので、実際に変えることのできる人たちが、話し合ってもらいたいものです。

 

私も、毎年何度か、講演をさせていただいてますけど、理解してもらうにはかなり丁寧な説明が必要です。

ワクチンを有益なもの理解して、被害の少ない使い方をすることが求められています。

丁寧に講演で話をすると、多くの方が理解していただけます。そして、その場でも私は言ってますが、

 

「年に一度の接種という方法は見直してもいいのかもしれません。」

 

あ、ちなみに、猫の場合には、3年に一度の接種ですけど、毎年の来院と健康チェックは必須になってます。

 

犬でも、環境により、接種のオプションはあってもいいと思います。

その際に、何の根拠もなくいきなりの免疫任せは、リスクです。

 

私は、そう思っています。