私自身は、遺伝性疾患を減少させる取り組みを行っております。
研究をしているとか、専門であるとか名乗るほどではなく、一般の方にわかりやすい言葉で話しかけるようにしております。
私自身の研究成果も、いくつかはあります。日本獣医学会では、近畿地区大会で3回、遺伝性疾患の研究で賞をいただいております。
その中では、疫学調査といって、どの程度、日本にこの遺伝性疾患の遺伝子が存在しているのか?についても調査していたりします。
遺伝性疾患の研究のほとんどが治療法ではなく、その原因遺伝子についてのもので、治療法はないに等しいので、
やはり遺伝性疾患は、的確なコントロールで減少させるべきです。
遺伝子検査についても、交配時に両親の遺伝子検査をすれば、仔犬全頭に検査を実施する必要はなくなります。
遺伝子検査については、適切な交配をくり返せば、検査の頻度は下がります。海外の遺伝子検査のラボ(研究室とか)にも見学には行きましたけど、彼らが言うのは、
「遺伝子検査は、将来は廃れていくことが、疾患の減少になる。しかし、研究により新たな疾患遺伝子が発見されるのだろうね。」
とのことでした。
実は、毎月、何かの犬種で新たな疾患に関連する遺伝子がわかっています。したがって、今、検査会社でやっている検査は一部なのです。なるべく、疾患のリスクを減少させようとする試みは重要でしょう。また、疾患遺伝子を持つからといって、それが差別されるべき状況にも警鐘を鳴らしたいです。劣性遺伝の疾患では、発症もしなければ、適切な繁殖計画で、疾患を作り出さないということも可能です。
こういったきちんとした計画を立てるべきなのです。
単発単発で検査を実施して、その都度対処するのではなく、大規模な計画が必要です。
私がアドバイスをさせていただいているシェパード犬の協会では、こういった大規模な試みが始まっております。
しかし、例えば、股関節形成不全に代表される多因子遺伝性疾患は、40年以上の努力にもかかわらず0になっていません。
しかし、その数の減少は達成しております。これは、ドイツが最も先進的に取り組んでおります。
日本国内でもこのような取り組みが行われるようで、まもなく、私もそのドイツから認定医にしていただけるようです。
がんばります。
現段階では遺伝性疾患は、じょじょにでも減少をさせる必要があります。
しかし、まだまだそのレベルには達しておりません。ただし、病気の発症頻度の少ない単一遺伝子による遺伝性疾患は、なくせます。
実際は、こういった疾患の撲滅からやりたいのですが、未だに達成されてないのが現状です。
だからといってあきらめるわけではなく、みんなが協力してできるようなネットワークを作りたいという思いを持ちながら活動しています。
そして、こういった考え方が浸透するように、私も犬の遺伝病ネットワークをやらせていただいております。
活動も、一般の方への浸透の後援会も兼ねて様々な活動をさせていただいております。
もっと広がっていくことで、予防できる範囲の遺伝性疾患は減少できると考えております。
当ネットワークの活動が紹介されました。ご覧ください。