恨みから感謝へ変わる時

こちらの記事に登場したクライアントさんのお話。

仮にAさんとしますね。

あまりにも感動したお話を伺ったのでシェアさせて下さい。

※クライアントさんが登場するお話は

毎回ご本人の許可を得て、私の文章を読んでいただいた上で掲載しております。

お姑さんの介護をされているAさん。

お姑さんがどんどん認知症が重くなる中で

だんだん追い詰められていくようになりました。

ここから先は、自分の時間は全て介護に充てていかないと

にっちもさっちもいかなくなる・・・

自分の好きな仕事、趣味、全部諦めるしかないのか？

でもそうなったら私は本当に耐えられるのか？

そう悩み始めて暗澹たる気持ちになったAさんは

セッションで相談しに来てくれました。

その中で私に

「絶対に自分のやりたいことを手放さないでください。自分がやりたいことをするためにはどうしたらいいか？を考えるんです」と言われて衝撃だったとのこと。

そうして自分の人生にとって本当に手放せないものは何か？を見直し

「良い嫁に見られたい」「周りの期待を裏切りたくない」「自分のために迷惑をかけたくない」という

前提を手放して周りを頼り

今までだったら考えられないくらいすべてがうまくいくようになったAさん。

気が付けば何一つ我慢することなく、自分のやりたいことも介護も孫の世話も

全てがAさんにとってよいバランスで流れに乗っていたとのことでした。

中でも驚いたのが、それまで険悪だった娘さんとの関係も劇的に良好になり

それどころか「絶対にやめてよね！」と言っていたAさんの「あること」に関して

今ではAさんがそれができるように協力してくれているとのことでした。

でもやっぱり一番変わったのは、自分の内面だそうです。

私がすべてを引き受けなければいけない

そう思っていた時は「なんで私ばっかり！」と

旦那様にもお姑さんにも恨みしかなかったのに

自分のやりたいことを我慢しないと決めたら

「やらせてくれてありがたい」と感謝できるようになったこと。

そんな自分でいられるのが何よりも嬉しいと話してくれました。

そして中でも私がAさんの話でグッときたのはお姑さんに対する想いの変化でした。

お姑さんにはいろいろお世話になった面もあったけれど

とても癖のある方で、いろいろ厳しい場面があり悔しかったり悲しかったりした記憶が

沢山あったとのことでした。

だから介護するようになって

「この人を看取った時、私は自分に対してよく頑張ったって言える自分になりたいし、一足先にあちらの世界に行かれた尊敬する先生に褒めてもらえるように頑張るんだ」と思って、それを支えにしてきたのだそう。

でも

我慢することを辞めてやりたいことをやれて

そしていよいよ最期の時が近づいているお姑さんを前にしている今

全く心境が変わったというのです。

「もうね、おばあちゃんには感謝しかないんです。そしたら過去の記憶も全然変わって見えるようになったんですよ。これまではあんなことあって悔しい思いをした、泣いた、怒りしかなかった、本当によくここまで我慢してきたっていう想いしかなかったのに、今はそういえばあんなことを教えてくれた、あんな所に連れて行ってくれた、おばあちゃんが家にいてくれたから私は仕事を続けられてこられたって、そんなことばかりが思い浮かぶようになったんです」

「私はおばあちゃんから沢山のものをもらっていたのに、全然受け取ってなかったんです。私ばっかり！って思って,、尊敬する先生から褒めてもらおうとしていた時よりも、感謝しかない今のほうが比べ物にならないくらい幸せで満ちているんですよ」

それを聞いた私は涙涙・・

私ね、Aさんみたいな人がもっと増えたらいいなぁと思っているんです。

我慢、見栄、自己顕示欲、恥、承認欲求・・・・

それらは私たちは生きていくプロセスにおいて貴重な経験であることには間違いないけれど

でもそれらはあくまでも美しく豊かに愛と共に生きることへの橋渡しで在り

振り回されるものじゃない。

それだけに振り回されて人生が終わるには

あまりにも悲しすぎると思うのです。