今日は、来週映画館で見る予定の
AURA~魔竜院光牙最後の闘い~
の原作ラノベを読み終えたので感想など。
はい、アレです。
『中二病でも恋がしたい!』がこの作品をパクったんじゃないか!?と一時期話題になった
田中ロミオ原作ライトノベル。
発売自体は2008年ですが
今年映画化され現在絶賛公開中。
青森市でも、ようやく来週末から、この手の(失礼)マイナーアニメ・映画を率先して上映してくれるシネマディクト御大で封切りとあって
DVDを待つしかないと諦めていた中年アニメオタクタロスケは早速映画試聴に先駆けてライトノベルを購入した所存であります。
で。
肝心の感想なんだけど。
………
オイオイオイ………
何だよこれ………
めちゃくちゃ面白ろいじゃん!!!!
ぶったまけたぞオイ!
余りの面白さに夜勤明けなのに寝ないで見ちまったぞオイ!!!
ストーリーを簡単に説明すると、
過去に中二病が原因でイジメにあっていた主人公・佐藤一郎が高校入学をキッカケに普通人間として生きようと頑張るも、ふとした事から知り合いになってしまった現在進行形重病中二病患者である佐藤良子に振り回され、クラスから孤立してしまい良子と共に再びイジメの矢面に。
『普通』になろうと努力しない佐藤良子に苛立ち、一郎は良子を突き放してしまう。
そしてついに良子は『向こう側の世界』に行く為の儀式を始めてしまい…!?
といった内容。
ファンタジック要素が無い分ストーリー自体に派手さは無いんだけど、
主人公佐藤一郎視点で語られる地の文がとにかく軽快で面白い!
とくに物語序盤、主人公一郎が、入学したての高校でクラス内のスクールカースト(いわゆる上下関係)や、それに伴う周囲の生徒の心情なんかを経験則を元に冷静に分析し、皮肉や冷笑を交えつつ普通高校生を『演じて』いく描写が非常にリアルでグイグイ引き込まれる。
新しい組織・コミュニティーに属した時の、目に見えない苦労は誰にでも大なり小なり経験はあるじゃない?
他人のちょっとした発言や、一挙手一投足に凄く敏感になったり、気を使ったり、逆に他人の無神経さに腹が立ったり…
とにかく人間関係の構築って口で言うほど簡単じゃない。
勉強も仕事も自分が頑張れば何とかなるけど、人間関係だけはそうはいかない。
スタートラインが一緒な場合はまだしも、途中から組織属すると既にグループが出来てるから、溶け込むのに体力が要る。
人と接する事が苦手な人には本当に頭も胃も痛い問題なんだよね。
AURAは、この手のリアル描写がとにかく細かく、上手い。
『僕は友達が少ない』みたいな登場人物コミュ障ラノベだってここまで書かないってとこまで書く(笑)
でも、それは当たり前で。本来、人間関係をリアルに書くラノベは読者にはウケないんだよね。
少なからず『現実逃避』したいからラノベを読む訳で。
ラノベの中でまで、大変な人間関係を踏襲されたくないんだよね。
現実を突き付けられたくない。子供に勉強しろ!と諭すようなもので
『そんな事言われなくてもわかってるよ!』
って反発してしまう。
けど、そんな、耳が痛いようなリアル描写がむしろ楽しく読めてしまうのがAURAの最大のポイント。
それは一人称である一郎のバックボーンにある。
一郎は中学の時、妄想に逃げて、イジメられて、家族ともギクシャクして。
でも、そんな大変な過去を周りのせいにしない。
全て自分の妄想僻が悪いと認識し、反省してる。
そして、生まれ変わろうと努力する一郎の精神は周囲に比べて数段大人になっちゃってるんだよ。達観してるっていうか。
良い意味で周りを見下してる(笑)
クラスの奴らが『普通』『弱者』と見なしてる奴が、実は1番大人で、冷静で、優しい。
見掛けだけは大人っぽくてオシャレでイケメンで、カースト最高点に位置している高橋や大島より数段人間として上。
いわばヒエラルキーの逆転現象、これが読者にとって凄く爽快なんだよね。
半官びいきの強い日本人ならではの感情なのかもしれないけど。
物語中盤、一郎が山本とケンカをするシーンなんかがまさにそれ。
山本が実は見かけ倒しでケンカ慣れしてない事に気付くと、わざとやられて、教師に現場見せて実に呆気なく山本を停学に追い込んでしまう。
しかも自分自身の体は何ともないのにわざと一日学校休んで『最高だ』なんて言っちゃう。
この一郎のしたたかさが本当に心地好い。
このAURAという作品は、クラス内の人間関係描写に関しては御都合主義はほぼ排除している非常に珍しいラノベだ。
先に紹介した山本とも和解描写は一切ない。
通常であれば物語ラストで、なんだかんだで佐藤一郎や良子と和解させるのがラノベ的というか、よりベターだが、むしろ喋りすらしない(笑)
また、恋愛要素も佐藤一郎&良子の間に軽く描写が有るのみで、例えばクラスの癒し系である子鳩さんと佐藤一郎は若干仲良くはなるが、せいぜい会話までどまり。
昨今のラノベに有りがちな、ちょっと良いとこ見せたら脇キャラがすぐデレる、という事もない。
全編通じて、通常ラノベで展開されていく二次元的御都合主義が少ない。
序盤は一郎の隣に座っていた尾崎さん(♀)なんかはその典型で、中盤から次第に本性表し山本が良子達にカラんだ時は煽ったりする。終盤ではクラス女子ヒエラルキ最高峰に位置する大島の腰ぎんちゃくになり、良子をイジメる。
そんなとことん印象悪い尾崎さんとも和解描写はない。ちょっとした謝罪すらない。
こういう、『悪い』奴が改心するシーン、主人公と打ち解けるシーンが終始無い為、肩透かしを喰らう読者も居るかもしれない。
けれど、これこそAURAのリアル人間関係描写が
読者に最も語りかけてくる部分だと僕は思う。
世の中は、そこら辺のラノベみたいに、良い奴ばっかじゃないんだ
コスプレしてくる奴を暖かく見守ってくれるクラスなんて無いんだ
そんな都合の良い世界はそれこそラノベにしかないんだ
イジメを耐えて、自分がちょっと変わったからって、それまでイジメてた奴がいきなり優しくなる事なんてないんだ
現実は 甘くない。
こういう感想書いてると延々書いちゃうし、
何より眠いから無理矢理終わらせるけど(笑)
原作ラストの終わり方とかも語りてー!
語りてーけど眠いから
スルー!!!
AURA原作は本当に面白いです。難しい表現もHな描写も無いから子供にも読ませても全然平気。
ラノベの皮を被ってるけど、あくまでキャラと舞台がラノベ的なだけで、中身は一般向け。
スクールカースト描写なんか、現役中学・高校生とかかなり共感できるんじゃないかな~。
明日から上映開始で、でも夜仕事だし月曜日は安いしで来週行く予定だったけど
こんだけ面白い原作が
どんなアニメになったか
一刻も早く見たい!
つー訳で明日見てきます
映画館で僕とアウラ!ヾ(*ゝω・*)ノ☆