話を聞くのも、普段ゆっくり話を出来ない、娘のせめてもの親孝行と、
母の話を聞いたり、仕方なく母のシャンプーをしたり、
仕事の合間にいろんなことをしたらあっという間に日が過ぎた。

真ん中の妹ちいこが来ていて、久しぶりに母が昔のことを話す。

「そう言えば、ばあちゃん(母のじつの母)が死んだとき、
(私とちいこは当時5歳と4歳)
二人が、生まれて3ヶ月の妹、そんちゃんを面倒見ながら、
「ばあちゃんが死んだときのこと、そんちゃんが大きくなったら、教えてあげようね」
と、二人で話していたらしい。

突然55歳で無くなった、祖母の死は、私たち家族、親族にはかなりのショックで、
たまたま残っていた当時の写真は、悲しみにあふれている。
私たち二人が、生まれて初めて受けた衝撃を、妹そんちゃんに教えようと思ったらしいが、
そんなこと大きくなったら忘れていた。
それより、小さい妹をからかっていた記憶のほうが大きいとは・・・とほほ・・・


トラウマとは言わないが、母はその日から、自分が生きることに夢中であったし、
(多分、自分が長生きをすることが、どんなに家にとって大切なのかを知ったのだと思う、
それだけ苦労をしたのだと思う)

まだ小さい私たちは死の恐怖が離れず大きくなった。

私たちも家族が元気で長生きすることを、心から願った.
機会があって、女子栄養大学に入学したのも、このことがきっかけかもしれない。

すべてはつながっているのかも知れない。