知財で日本を元気にしたいと願うブログ -4ページ目

特許庁図書館


特許庁に図書館があるのをご存知でしょうか。






特許庁図書館は、産業財産権に関する唯一の専門図書館として
内外国の産業財産権関係の資料を収集しています。
その他にも、科学技術関係資料、一般行政資料およびその他の図書・雑誌類を
収集しています。







所蔵資料はこちら からご覧いただけます。






和書が24,000冊
洋書が5,000冊
和雑誌が740種
洋雑誌が160種







開館時間は9:30~18:00です。
休館日は、閉庁日なので、土日と祝祭日ですね。




場所は特許庁の地下1階です。
電話番号は03-3581-1101 内線:3820





どなたでも利用できます。





なお、閲覧のみで貸出はできません。
コピーは有料です。






図書等の問い合わせは、
特許庁 総務部 普及支援課 資料班へどうぞ。
代表:03-3581-1101 内線:2350~2352



足立区・知的財産権認証取得助成金

足立区限定ですが、知財に関する助成金のお知らせです。




1 対象者  
  次のすべてに該当すること  
・中小企業基本法第2条に規定された中小企業者で、足立区内に本社もしくは主たる事業所があること。
・同一の知的財産権で、過去に知的財産権認証取得助成金を受けていないこと。
・同一内容で他の公的助成または認定を受けていないこと。




2 助成対象
・特許権
・実用新案権
・意匠権
・商標権





3 助成対象経費  
・出願料
・登録料
・審査請求料又は技術評価請求手数料
・弁理士等費用
・製品・技術の権利保護に直接関連性が認められる費用 
   




4 助成対象外経費(以下の経費は対象となりませんので、ご注意ください)  
・登録料の更新登録申請料
・弁理士等の交通費
・その他権利取得実施に直接必要がないもの






5 助成金額  
・助成対象経費の半額で上限30万円、千円未満は切り捨て






6 申請できる期間  
・登録証の登録日から1年以内






7 必要書類  
(ア)所定申請書  (ここから ダウンロードできます)
(イ)知的財産権取得の認定を証する書面
 注:実用新案については、登録証のほかに「技術評価6の技術評価書」が必要です。       
(ウ)登記事項証明書(所在地のわかるもの。個人事業主の場合は開業届け)
(エ)助成対象経費の明細のわかる領収書等
(オ)社歴書(会社概要がわかるもの)
 ※(イ)(ウ)(エ)に関しましては原本とその写しをお持ちください。 
 ※原本確認の後、写しをいただければ原本は返却します。
 ※領収書に明細がない場合は請求書等も添付して下さい。
 ※インターネットバンク等から振込みされた方は、利用金融機関が発行する証明書類(勘定照合表等)または通帳の原本をお持ちください。(Web上の承認画面を印刷したものは不可)






8 その他  
・年間助成対象数に達した時点で、助成金の交付は終了します。
・予定数は20件程度




【申請期間・方法】
  申請期間:毎年4月1日から翌年3月31日まで
  申請時間:平日午前9時から午後5時まで(土日祝日を除く)
  申請方法:窓口での提出のみ受付






9 問い合わせ・申請先  
    中小企業支援課創業支援係
    〒120-0034
    足立区千住一丁目5番7号 あだち産業センター2階
     アクセスマップ
    電話 3870-8400(直通)

二方向で考えてみる



新しいビジネスを始める時、そのビジネスに関するアイデアで特許は取れるのか?








そもそも特許は取っておいた方がいいのか、取らなくてもいいのか?








このようなご相談を受けることが多いです。










このブログでも度々書いていますが、特許として保護されない
ビジネス上のアイデアもあります。









その場合は心配しなくてもよいのですが、もし、特許が取れる可能性のある
技術的なアイデアをお持ちの場合には、一つ大事な視点が欠けていることが
多いと感じています。









それは、ご自分のアイデアについて特許が取れるかどうかについては
とても良くお考えになっているのですが、ご自分が販売しようとしている
製品、あるいは、実施しようとしているシステムが、他人の特許権の
侵害になっていないかどうか、この点についてお考えになっている方は
とても少ないと感じています。










そうなんです。特許の場合、ご自分のアイデアについて特許権を取ることで
他の人の無断の実施や真似を防ぐという方向の視点と、ご自分が実施しようと
していることが他人の権利を侵害していなかという方向の二つの視点が
大事なんです。








調査のやり方も、それぞれで違ってきます。









これから新しいビジネスを始めようとお考えの方は
特に注意してくださいね。




イーパーセル株式会社の特許


驚きました・・・。

グーグルなどの世界のトップ企業相手に、特許権侵害の訴訟を提起した
日本のベンチャー企業があるんですね!!







しかも、いずれも勝てる公算が大きいとのこと・・・。





その会社の名前は、イーパーセル株式会社。
いくつかの重要な米国特許を保有しているようです。






その中の一つを調べてみました。





米国特許第5,845,074
"Smart internet information delivery system having a server automatically detects and schedules data transmission based on status of clients CPU"







クレーム1の内容は次のようなものです。






1. A system for transmitting video, audio, hypertext and web documents over the internet from a server under the control of an information provider to an end user having a terminal coupled by an associated CPU to the internet, comprising;

means at said server for automatically communicating wit said associated CPU;

means at said server and coupled to said automatic communications means for automatically detecting when said associated CPU is not busy; and,

means at said server for transmitting said video, audio, hypertext or web document to said end user only when said amounted CPU at said terminal is detected as being not busy, whereby said transmission is non-realtime.






実にシンプルですね。
要するに、ビデオ、オーディオ、ハイパーテキスト、Webドキュメントを、
端末のCPUがビジーではない時に送信する、というものです。







確かに、このような技術は今や当然に行われているでしょうね。






しかし、この特許を出願したのが1996年11月22日。
16年前です。
素晴らしい・・・。





先見の明とはまさにこのことですね!!



外国特許出願費用助成事業


今年も東京都中小企業振興公社の知財に関する助成金の

募集が行なわれます。外国特許出願をお考えの方は、

是非、この助成金を利用してください!!









● 外国特許出願費用助成事業


対象経費 :出願手数料 、弁理士費用、翻訳料等


助 成 額 :助成対象経費の2分の1以内、限度額300万円


受付期間 :平成24年5月7日(月)~5月18日(金)


※平成24年4月1日以降に契約・支出したもので、平成26年
11月末日までに 外国への直接出願または、各指定国への
国内段階移行を行い、支払いまで完了することが条件です



申請受付場所東京都知的財産総合センター
           (台東区台東1-3-5 反町商事ビル1階)

問合せ先    : (公財)東京都中小企業振興公社
東京都知的財産総合センター
            助成金担当    直通電話 03 - 3832 - 3656



この助成金に関するセミナーもあります!!


内   容    第1部 13:30~14:50
          外国出願戦略セミナー(アメリカ・中国)


          第2部 15:00~17:00

         助成金説明会・質疑応答 

秋葉原会場   日程:平成24年4月17日(火)

場 所     東京都秋葉原庁舎3階 第1会議室 
           (千代田区神田佐久間町1-9)

多摩会場     日程:平成24年4月20日(金)
場 所     東京都中小企業振興公社多摩支社 2階大会議室
(昭島市東町3-6-1 産業サポートスクエア・TAMA)


参加申込  予約制です。下記の申込フォームからお申込み下さい。
        ※各会場で行う説明は同一です。
           どちらか一方を申し込んでください。

        ※第2部(助成金説明会)からの参加も可能です。




オフィスグリコ特許


今朝のテレビでオフィスグリコを取り上げていましたね。
置き薬のお菓子版という感じですね。









時々、グリコのマークが付いたワゴンを運んでいる女性を
オフィス街で見かけるのですが、あれがオフィスグリコだったのですね。








2011年度のオフィスグリコの売り上げは40億円を越えるんだとか。








感心して見ていたら、「2007年には特許を取得・・・」
えっ・・・。置き菓子の方法が特許になるはずがない・・・。








そう思って調べててみたら、やはり
置き菓子のやり方自体に
特許が取れた訳ではありませんでした。









置き菓子の管理方法でビジネス特許取得、なんて記事もありますが、
これも間違いですね。管理方法ではありませんでした。









この特許は、特許第3986057号で、
その名称は、
「商品ボックス管理装置、商品ボックス管理システムおよびプログラム」
というものですね。








特許の内容は、
本質的にはプログラムに関するもので、
「商品ボックス管理装置」といっても、実際には、複数の場所に
設置された複数の商品ボックスを管理するためのプログラムを
実行するコンピュータ、ということになると思います。









具体的には、種々のデータに基づいて、指定された日に訪問すべき場所に
対応する商品ボックスに配置すべき商品の種類と個数とをプログラムで
決定するというものです。










詳しい内容は、特許電子図書館で
特許第3986057号を検索して
見てくださいね。










特許の内容はこのようなものですが、あのテレビの紹介の仕方では、
いかにもオフィスグリコというサービスのやり方自体に特許が取れたような
印象を与えてしまうと思います。










こういう事が積み重なって、ビジネス特許に対する誤解が生じると思います。
マスコミには正しい報道をお願いしたいところです。




ワンクリック特許


アマゾンのワンリック特許がついに日本でも特許になったようですね。







ワンクリックというのは、皆さんもよくご存知の
アマゾンで本などを購入際に、「1-Clickで今すぐ買う」の
ボタンをクリックすると、面倒なカード情報の入力などを
行わなくて決済が完了してしまう、あれですね。










元々の出願は日本では拒絶になっているのですが、
その分割出願が、出願からなんと14年という長い月日を経て特許に
なったようです。










元の出願→拒絶→最後の拒絶→分割→拒絶→最後の拒絶→審判
→審決取消→審判→特許審決
こんな感じなのかな・・・









特許電子図書館にはまだアップされてないので
詳しいことは分からないのですが・・・。









それにしても、存続期間はあと6年。
ECサイトなどを運営している方は念のため
注意した方が良さそうですね。









特許の内容など、詳しいことがわかりましたら、
改めてブログに書きますね。


















立体商標その7


「GuyLiANチョコレート事件」の続きです。








裁判所は、本件商標が、自他商品識別力を欠き、
商標としての機能を果たし得ないものなのかどうかについて判断をしています。







自他商品識別力
というのは、商標の基本的な機能の一つで、
その商標を見れば、その商標が付された商品とその他の商品との
区別ができる、という機能ですね。






裁判所は、最高裁の判例に基づいて、自他商品識別力のない商標の定義を、
「一般的に使用される標章である」ために「商標としての機能を果たし得ないもの」
であるとし、本件商標が
「一般的に使用される標章である」かどうか、また、
「商標としての機能を果たし得ないもの」かどうかについて判断しています。










裁判所は、本件商標は、その表現手法自体は一般的であるとしています。
しかしながら、本件商標が「一般的に使用される標章である」と言えるか否かは、
その表現手法自体が一般的であるか否かではなく、具体的な形体として表された
標章それ自体について見るべきである、として検討を進めています。








本件商標は、車えび、扇形の貝殻、竜の落とし子及びムラサキイガイの
4種の図柄を向って左側から順次配列し、さらにこれらの図柄を
マーブル模様をしたチョコレートで立体的に模した形状からなるものです。








裁判所は、このような4種の図柄の選択・組合せ及び配列の順序並びに
マーブル色の色彩が結合している点において、本件商標に係る標章は
新規であり、本件全証拠を検討してもこれと同一ないし類似した標章の
存在を認めることはできない、としています。








表現手法
自体は一般的だけれども、具体的にこのような図柄を
組み合わせたチョコレートは存在しない、ということですね。








そして、裁判所は、これらの結合によって形成される本件商標が
与える総合的な印象は、本件商標が付されたシーシェルバーを購入した
一般消費者が、チョコレート菓子の次回の購入を検討する際に
本件商標に係る指定商品の購入ないしは非購入を決定する上での
標識とするに足りる程度に十分特徴的であるといえる、としています。








つまり、本件商標は、「一般的に使用される標章」であるとは言えないし、
チョコレート菓子の次回の購入を検討する際に購入するかどうかを
決定する上での標識になり得るのだから、「商標としての機能を果たし得ないもの」
とは言えない、判断した訳ですね。








商品の形状というのは、第一次的には、その商品自体の持つ機能を効果的
に発揮させたり、あるいはその美感を追求する等の目的で選択されるもので
あることは裁判所も認めています。







しかし、商品の形状であっても、その商品の形状を見て商品の選択・選別を
開始することもあり、その形状を手掛かりとしてその商品の次回以降の購入等に
結び付ける自他商品識別力を有することもあるのだから、一概に商品の形体
であるがゆえに自他商品識別力がないと断ずることは相当とはいえない、
ということですね。






これまでの特許庁の審査基準では、商品等の機能又は美感と関係のない
特異な形状に限って自他商品識別力を有するものとして立体商標の登録を
認めてきました。








しかし、裁判所は、このような特許庁の考え方は、商品の本来的価値が
機能や美感にあることに照らすと、このような基準を満たし得る商品形状を
想定することは殆ど困難で、このような考え方は立体商標制度の存在意義を
余りにも限定するものであって妥当とは言い難い、と痛烈に批判しています。



今日は


久しぶりに巨人戦をドームで観戦して、
モルツの女の子に惚れたり(^^;;







その後は、さくら水産
バンザイだったりw






まあ、こんな日もあるので







お許しいただけたらと(^^;;







思ったり、思わなかったりw









iPhoneからの投稿

立体商標その6


「GuyLiANチョコレート事件」の続きです。








昨日ご紹介した審決の判断は、
平成19年(行ケ)第10293号 審決取消請求事件
において、誤りがあるとして取り消されました。









裁判所は、審決において、本件商標が商標法3条1項3号に
該当するとした判断が誤りであると認定しました。








まず、裁判所は、商標法3条1項3号の
「その商品の・・・形状・・・を普通に用いられる方法で表示する標章のみ
からなる商標」の意義について、次のように述べています。








商品の形状等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標は
何故登録されないのか。





その理由は、


1. このような商標は、取引に際し、必要適切な表示として、
なんぴともその使用を欲するものであるから、
特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものである。





2. このような商標は、一般的に使用されるから、多くの場合、
自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものである。






この2点であるとしています。
この考え方は、これまでの特許庁の考え方と全く変わらないものです。
簡単に言うと、
商品の形状等を普通に用いられる方法で表示する標章
のみからなる商標は、
特定の人に独占させるべきではなく、自分の商品と
他人の商品とを見分けるための機能を発揮しない、ということです。






では、これらの2つのポイントについて、裁判所はどのような判断を
したでしょうか。






まず、
特定の人に独占させるべき商標ではないのか、という点から。
つまり、誰でも使用する可能性のある商品の形状なのか、という点ですね。





この点について、裁判所は、


1. 本願商標は、4種類の魚介類の図柄の選択及び配列の順序、並びに
立体的に構成されたこれらの図柄のマーブル模様の色彩等において、
少なくとも本件全証拠からは

同様の標章の存在を認めることができない

という意味で個性的である



2. 原告は、製造・販売に係るチョコレート菓子(シーシェルバー)に付する
立体商標として採択する意図の下に、原告が1958年の創業当時から
使用していた貝殻等の図柄等を採用して構成し、創作したものと認められる。







つまり、裁判所は、原告が、貝殻等の図柄をチョコレートに表すことにより、
需要者は、GuyLiANのチョコレートとして認識してくれるだろう、
という意図の下に本願の立体商標を創作した、と判断した訳ですね。







裁判所は、以上の二つの点に基づいて、本願商標がチョコレート菓子の
取引において、



「必要適切な表示としてなんぴともその使用を欲する」ものである、
とも言えないし、


「特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないもの」に
該当するものとも認められない、
と判断しました。





逆から考えると、もし、本件商標が、例えば、普通の板チョコのような形状ならば、
チョコレートを製造する者として誰でも必要と考えるでしょうし、独占させるのは
不適切ですよね。






しかし、
本件商標と同じような標章は存在していなかった。
だから、
チョコレートを製造する者として誰でも必要と考える形状ではない、
と判断した訳ですね。






また、本件の商標の形状は、誰でも使用していた板チョコのような形状ではなく、
原告が1958年
創業当初か使用していた形状に係るものであった。
原告は、この形状をチョコレートに施せば、自分のところのチョコレートだと
需要者が認識してくれる、そう考えて作った、と判断した訳ですね。





原告は、何故そのように考えたのか。
それは、裏を返せば、本件の商標の形状が、誰でもが採用していた形状では
なかったからですよね。








裁判所は、以上のような理由から、本件の商標は、
特定人によって独占使用を認めるのが公益上適当ではない
とは言えないので、審決の判断は誤りである、としました。






次に、本件商標は、需要者が、ある会社の商品と他の会社の商品とを
見分けるという商標としての機能を発揮しないものなのか、
という点についても裁判所は判断しています。
これについては、明日、ご説明しますね。