Fri 221230 カーテンも開けたくない/生牡蠣に救いの光/広島の大盛況その1  4306回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 221230 カーテンも開けたくない/生牡蠣に救いの光/広島の大盛況その1  4306回

 状況が加速度的に悪化する時というのは(スミマセン、前々回&前回の続きです)、その「加速度」の高まりに自分でも呆然とせずにいられない。「空も見たくない」「海も見たくない」「山も雲も見たくない」とブツブツ呟いていたワタクシ、とうとう「カーテンも開けたくない」というところまで来てしまった。

 

 11月13日の夕暮れ、博多から広島に移動して定宿のシェラトンホテルにチェックインすると、さっそく部屋のカーテンを閉めた。眼球の中の黒い毛糸やら鋭角的な亀裂の気配を出来る限り感じないで済むように、部屋を暗くしてベッドに横たわり、しばらく目を閉じてムクレていた。

 

 しかし諸君、それでも見えてしまうのである。このころから網膜剥離の手術当日まで1ヶ月以上、暗い部屋の中で目を閉じていても、左の眼球の中では黒く太い毛糸の影が悠々と泳ぎ回るのが見え、鋭い亀裂が次第に深くなるのが感じられた。

        (広島NGK、ユニット1)

 

 こうなるともう、「テレビを眺めてゴマかす」という逃げ道もなくなる。NHK「おはよう日本」をつけても、三條アナの顔に20世紀の独裁者みたいな黒いチョビヒゲが引っかかって見え、夜7時のニュースを眺めようとしても、林田アナのお顔に眼球の奥の軟体動物がまとわりつくようになってしまった。

 

 朝が来てもカーテンを開けず、テレビをつけてもすぐに消して、薄闇の中で目の奥のマダコみたいな生き物の動きを1時間も追いかけている。これはどうやら、心理カウンセラーにお願いするレベル。13日の夕暮れ、たった一度だけカーテンを開けてみたら、外は異様な豪雨の雰囲気に覆われていた。

(シェラトンホテルから広島駅前を望む。雲行きも怪しくなってきた 1)

 

 こういう状況を打開するには、ワタクシの場合「授業をさせてもらう」というクスリが一番であって、授業さえさせてもらえば90分、全てを忘れて大はしゃぎ出来るし、その90分で生徒諸君の学力もモチベーションも爆発的に向上させる自信がある。

 

 しかし授業は11月14日の夕暮れから。まだまだ当分は待たなければならない。第1志望の「授業」がダメだというなら、第2志望は「文章を書く」ということになるが、この日の視力でMac君に向かうなんて、そりゃ無理な話というものだ。

(シェラトンホテルから広島駅前を望む。雲行きも怪しくなってきた 2)

 

 もっとも、あれから1ヶ月半が経過して、ふと当時のブログを眺めてみるに、今井君はあの11月13日にもマコトに長大な文章をものしている。いやはや我が執念、自分ながら自分の執念に頭が下がる思いがする。

Sun 221113 政治は女子に任せたほうが/やんちゃ男子/火焚き祭の紅蓮の炎 4294回

 

 その執念は、考えてみれば本日もまたタップリ発揮しているわけで、本日12月30日、ワタクシの左目の視力はまだほとんどゼロに近い。手術後の経過は順調、ぐんぐん回復してきてはいるものの、 Mac君の場面はほぼ右目だけで見ている。

        (広島NGK、ユニット2)

 

 右目の裸眼視力は0.01、メガネをかければ矯正視力1.2まで何とかなるが、片目だけ1.2でパソコン画面を追うのはたいへんな気力が必要だ。剣豪♡柳生十兵衛とか、独眼竜政宗とか、彼らの凄さを思い知る。

 

 しかしそれでもやっぱり、こんなに黙々と文章を書き続ける自分に恐れ入るのである。今井のクスリは、間違いなく授業と文章。それに付き合わされる諸君もたいへんだろうが、まあ何とか付き合ってくれたまえ。

        (広島NGK、ユニット3)

 

 ついでに申し上げれば、一昨日のワタクシ、例の「都内屈指の隠れた名医」の許可が出て、10日ぶりに入浴と洗髪を満喫した。うぉー、一昨日までの今井君は臭かった。自分でもムッとするほど濃厚濃密な体臭に満たされた部屋で、1人モンモンと過ごしていた。

 

 ただし諸君、こういう体験をした者でないと分からないだろうが、濃厚濃密な自分の体臭には、傷ついた自らの気力と体力を復活させる不思議なフェロモンみたいなものが、たっぷり含まれているんじゃないだろうか。

 

「やらなきゃ」「早く復活しなきゃ」と熱い欲求がムラムラ湧き上がって充満し、何だかお風呂でキレイに洗い流すのがもったいないような気分にさえなった。いやはや、困ったもんですな。

 

 しかし諸君、安心してくれたまえ、あの1ヶ月半前の日の、視力も気力も活力も知力もみんな失いかけていた状況とは明らかに違う。嫌なことしか起こらなかった2022年はまもなくオシマイだ。これを書いている時点で、12月30日の14時前。2023年が始まるまで、残り34時間になる。

(牡蠣のクッション。広島「かなわ駅前店」で発見。ちゃんと貝柱もついている。3500円ちょいで購入も可能。買う人って、いるんだろうか? 1)

 

 11月14日の今井が、ピンチの打開策として思いついたのが、「ナマガキに頼ろう」という奇策である。ナマガキ、もちろん漢字なら「生牡蠣」、晩秋の広島で頼りになるのは、何が何でも生牡蠣じゃないか。

 

 今井の生牡蠣スタンダードは、48個。本場フランスの店では、生牡蠣はダース単位で供されるから、12の倍数で計算する。もう一つの大好物ムール貝なら、今井スタンダードは60個。ベルギーで14日間連続してムール60個を平らげ、つまり「2週間で840個」の大記録を打ち立てたのは、8年前の今井君だ。

 

 ナマガキ48個だから、NGK48 。さすがにこの3年か4年は常識的な数に減らすことにして、NGK36ぐらいで自己を抑制する。あくまで12の倍数なので、「46」とか、その種の中途半端な数字は全て願い下げだ。

(牡蠣のクッション。広島「かなわ駅前店」で発見。ちゃんと貝柱もついている。3500円ちょいで購入も可能。買う人って、いるんだろうか? 2)

 

 眼球の中のブキミな軟体動物を忘れるために、訪れたのは馴染みの名店「かなわ」。ただし普段なら、平和祈念公園の近くに浮かぶ本店「かき舟 かなわ」を目指すのであるが、さすがにこの日はションボリしょげかえっていたから、ホテルから徒歩わずか30秒、「かなわ駅ビル店」でOKということにした。

 

 こじんまりした「駅ビル店」となると、我がスタンダード「NGK48」というわけにはいかない。グッとお皿は地味になって、「5個ずつ」という小分けでしか出てこない。

 

「かき小町」とか「大黒神」とか、オサイフに厳しいブランドNGKは高額になるから、今井が選択するのはあくまでオサイフに優しい「先端」というNGKである

 

 おそらくいちばん新鮮でいちばん安全なのが「先端」であって、夕暮れからの授業に差し支えの出る心配も、最も少ないNGKだ。たった5個だから、今井は1皿に3分もかけないで、5個ともするする飲み込んでしまう。

 

 遠い遠いはるかな昔、アメリカには「ジャクソン5」がいて、日本にも「フィンガー5」がいた。ビートルズ以来、グループは「4」が定番で、ダークダックスも、ボニージャックスも、デュークエイセスも、みんな「4」を基本とした。そのぶんかえって「5」には新鮮な魅力があった。

        (広島NGK、ユニット4)

 

 この日の「NGK5」もまたマコトに新鮮。ワタクシはあっという間に5皿目に突入していた。NGK5は、ユニット1、ユニット2、ユニット3、ユニット4、ユニット5、合計25個のNGKが、わずか30分ほどでサトイモの胃袋の暗い奈落に消えていった。

 

 このままユニット6・7・8・9と次々と嚥下していくのも楽々、十分に可能と思われた。もしもユニット10までたどり着けば、それは「NGK50」を意味し、みごと新記録樹立となる。これまでスタンダードだった48を、こんな左眼球の大ピンチの日に乗り越えることになる。

 

 諸君、大ピンチの時にこそ、自らの限界を乗り越えられるものである。おお自分でもノリノリすぎて、何を言っているんだか分からなくなってきたが、これこそ我がお部屋の体臭&フェロモンむんむんのなせるワザ。許してくれたまえ。

 

 これを書き終えたら、すぐに部屋の空気を全て入れ替えて、セッケンとシャンプーの美しいカホリに満たされた元の高貴な書斎に戻すつもりだ。今日までは多少バカなことを言っても、左の眼球に免じて許してくんろ。

       (牡蠣の天ぷらにもトライする)

 

 そこで諸君、あのピンチの日の今井君は「NGK50」へのチャレンジも真剣に考えた。いやむしろ「ムール60」へのチャレンジだって可能だと感じた。「Impossible is Nothing」。古いコピーだが、まだ健在のはずだ。

 

 しかしそこはそれ、すっかり大ベテランに成長して、冷静きわまりない高級オジサマ♡今井のことだ。グッと自らの暴走を抑制し、「NGKは30にとどめよう」「その代わり『牡蠣の土手鍋うどん』と『牡蠣の天ぷら』にトライしよう」と決めた。

      (11月14日、広島。250名の大盛況)

 

 さすが大ベテラン今井だ。トライとかチャレンジは、何も数や量ばかりにこだわる必要はない、クオリティにこそ、チャレンジという言葉はふさわしい。そういう名言を心の中で繰り返しつつ、午後2時半を回ってすっかり静まり返ってきた店内を見渡した。店に残っている客は、もはやワタクシ1人だけなのだった。

 

 こういうふうで、気力と活力と知力のピンチは、生牡蠣の助けでどうにか乗り越えた。視力のピンチは続いていても、そこんトコロはどうにも致し方ない。

 

 11月14日18時、スタッフとホテルのロビーで待ち合わせ。19時、公開授業開始、出席者250名。上の写真でご覧の通り、うれしい大盛況であった。

 

1E(Cd) Jandó:MOZART/COMPLETE PIANO CONCERTOS vol.2

2E(Cd) Jandó:MOZART/COMPLETE PIANO CONCERTOS vol.3

3E(Cd) Jandó:MOZART/COMPLETE PIANO CONCERTOS vol.4

4E(Cd) Jandó:MOZART/COMPLETE PIANO CONCERTOS vol.5

5E(Cd) Jandó:MOZART/COMPLETE PIANO CONCERTOS vol.6

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