Thu 220922 さむさむどんどん/共通テストまで、15週間/残された時間のこと 4270回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 220922 さむさむどんどん/共通テストまで、15週間/残された時間のこと 4270回

 

 ホンの3日前の朝までクーラーを使っていたことが、今ではもう信じがたい。NHKの天気予報ではないが「ここ東京・渋谷では」、一昨日の昼ごろからいきなり気温が急速に下がり、ワタクシは思わずクローゼットから綿入れのドテラを引っ張り出して、何とか暖をとっているありさまだ。

 

 どうしてこんなに「さむさむどんどん」というか「どんどんさむさむ」になったのか。そりゃもちろん気象予報士の皆さまに尋ねなけりゃ分からないことだが、まさか朝ドラ最終盤の展開があまりにもさむさむだからではないだろう。

 

 あえて小学生の今井君が小学館の図鑑シリース「気象と天文の図鑑」から学んだ知識を援用すれば、「台風の通過に伴って気圧配置が一時的に西高東低の冬型になった」「台風周辺では反時計回りの風になるから、台風通過後の東京では強い北東風が吹き荒れた」ということになる。

  (8月19日、京都府立植物園にアサガオを見に行く 1)

 

 しかし諸君、つい数日前まで連日の30℃超えで「まだ夏だ」とノンキにしていた受験生にとって、このさむさむどんどんはさすがにショックかもしれない。

 

 セミの声はすっかりおさまった。コオロギ君たちだって、焦ってますます激しく鳴きだした。カネタタキの一族も、チンチン&チンチン、大急ぎで鉦をたたいている。

  (8月19日、京都府立植物園にアサガオを見に行く 2)

 

 思えば7月8月の夏期講習、夢のような世界だった。超人気講師の講座なら、きっと授業の1時間も2時間も前から列を作って待ち、教壇の前の1列目2列目3列目、カッケー&イケメンのセンセの顔をうっとり見つめながら、「いつかきっとミラクルが起こるだろう」と信じることができた。

 

 アオハル系の思ひ出だって、南の海の熱帯低気圧なみにそこいら中に渦巻いたはずだ。自ら当事者にならなくても、友人とか、友人の友人のそのまた友人とか、まあその辺の親しい人間がアオハル系渦巻きの中心になれば、当事者周辺の興奮やら感激もまた十分に熱いのである。

 

 しかし諸君、一昨日や昨日や今日のさむさむどんどんで、そういう熱い渦巻きも一気に熱が冷める。上陸後の台風よろしく、勢力は急速に衰える。

 

 クーラーのスイッチを切って、「あれ、ずいぶん冷えてきたな」「どんどんさむさむになっていくな」と気づいた瞬間、入試までの時間の少なさを思って呆然&愕然とする。

  (8月19日、京都府立植物園にアサガオを見に行く 3)

 

「夏期講習って、いったい何だったんだ?」。9月下旬、血が引いていくような思いの中で、過去50年間の受験生はみんな天を仰いで思い続けた。あまりにも熱く楽しい夢の世界であったことは確かだが、じゃあその興奮の中でホントに学力やら実力やらがついたかといえば、大きなクエスチョンマークがつくばかりだ。

 

 むしろ、自分でシコシコ単語を覚えた方がよかったんじゃないか。むしろ、自分でじっくり問題集に取り組んだ方がよかったんじゃないか。カッケー&イケメンの超人気講師より、見た目は多少は地味でも今井みたいなサトイモタイプのセンセを選んで、ギュッと濃厚な授業を受けた方がよかったんじゃないか♡

 

 しかし、時すでに遅し。最後のトリデの冬期直前講習でも、カッケー&イケメン講師の激しいタイトルの講座を申し込んじゃった。シコシコ&じっくり、基礎基本から濃密にやり直すはずの1年だったのに、もう半分も残っていない。

(今年もう3回目の京都府立植物園。2月には梅、4月には桜。8月は、ハスの花も咲いていた)

 

 こういう場合、今井君としてはもっともっと諸君の気持ちを引き締める必要があると思う。

 

 受験生ばかりではない。受験生の周囲にいらっしゃるオトナや準オトナ、例えば塾の担任とか担任助手とか、もっとオシャレに「チューター」「フェロー」「アドバイザー」の諸君、残された時間の短さについての認識を、受験生とキチンと共有していただきたい。

 

 どこでも同じだと思うが、きっと塾や予備校のエントランスに「共通テストまで、あと◯◯日」の掲示があって、それで緊張感を演出するのである。

 

「共通テストまであと110日」、確かにそれで十分に効果が期待できるかもしれない。來訪した保護者の皆さまなんかも、「ほほぉ、熱気と緊張感を感じるね」とか、自らが受験生だった懐かしい時代を思ってニンマリ、それこそ自らのアオハル系エピソードを懐かしく振り返ったりする。

 

 もう少しユルい塾では、「あと4ヶ月」「あと3ヶ月」。4ヶ月もあるんだから「まだまだ最後まで諦めるな」「大逆転は可能だ」「偏差値30からのミラクル合格だってありうるんだ」「オレについてこい!!」みたいな、昭和というか20世紀というか、その種の熱血指導も続いているはずだ。

(京都府立植物園にて。可愛い松ぼっくりがズラリと並んていた)

 

 しかし大ベテラン今井の意見としては、「あと110日」「あと4ヶ月」という言い方は、受験生の心を引き締めるには甘すぎると考える。

 

 受験生諸君、担任やチューターやフェローの諸君、心して聴きたまえ。もし「共通テストまで」というなら「あと15週間」しか残っていないのだ。私立大の本番まで、あと17週間。国公立大の本番まで、あと20週間である。

 

 つまり、土曜日も日曜日も、あと15回しか来ない。私立大本番まで、水曜も火曜もあと17回しか来ない。国公立大本番まで、木曜も金曜もあと20回しか来ない。こりゃほとんど中間テスト前日、期末テスト前日、そのぐらいの緊張感を持たなきゃいけない。

 

 若い講師諸君もそのことをハッキリ認識して、テキストのやり残しなんか許される状況ではないと、ギュッと歯を食いしばってひたすら授業と授業の準備に励むべきだ。

 

 先生ご自身の将来もかかってまっせ。どんどん教材を進めて、「教材が10月末で終わっちゃうから、11月からは独自の補助教材をやるよ」と堂々と宣言するぐらいがいいのだ。事務局サイドはプリント配布をイヤがるだろうが、きっとその熱意は経営陣のココロにも通じるはずだ。

   (トケイソウが、時間の経過を厳しく伝えてくれる)

 

 勉強に疲れたら、または生徒指導に疲れたら、ワタクシは植物を眺めることをお勧めする。ピンクのコスモスが咲きほこる時期になる。ヒガンバナ、コキア、多種多様なキク、ダリア。次から次と花開いては、あっという間にしぼんでいく。諸行無常、盛者必衰。いやはや花の命はマコトに短い。

 

 関西の人なら、「京都府立植物園」がいい。首都圏の人は、目黒というか白金というか、「自然教育園」がある。一番好きな参考書を持って、電車の中でもそれを熟読し、植物園や自然教育園に入っても、森林浴しながらまた参考書を熟読する。台風が去って秋晴れの日が来たら、15週間のうちの1日をつかって、そういうリフレッシュに努めたまえ。

(8月の植物園温室で、食虫植物を眺めつつ熱中症の危機に陥る)

 

 あと15週間とか、あと17週間とか、そんな無慈悲なことを今ここで言わなくてもよかったのかもしれないが、9月7日の記事にも書いた通り、ワタクシは9月の受験生が心配でたまらない(Wed 220907 9月の受験生も心配だ/夏祭のあと/もう授業には出ないと言ふ人々 4263回)。いまだに冬期直前講習の申し込みなんかに夢中になってるんじゃないか。

 

 そしてもちろん、「あと◯◯週間」という意識は、人生全体に対しても持っていた方がいい。90歳まで生きるとして、いま20歳の人で「残り3600週間」、日曜日はあと3600回しか経験できない。

 

 そのたった3600回の日曜日のうちの1回を、模擬試験なりTOEICなりに費やすならば、どのぐらい真剣に試験に臨まなきゃいけないか、誰だってギュッと理解できるはずだ。

   (植物園の温室で、珍しい「ハトラン」に遭遇)

 

 そりゃ今井君だってよーく分かっている。ワタクシはそんなに長生きするつもりはないから、毎日のディナーを前にして、「残るディナーは、あと7000回かねぇ」と、その残り回数を噛みしめる。つまりあと1000週間だ。

 

 すると、2週間に1回お寿司を食べるとしても、あと500回。2週間に1回ステーキを貪るとしても、あと500回。2週間に1回ラーメン屋に行くとして、あと500回しかラーメンをすすれない。

 

 もっと詳しく言えば、1回のお寿司屋で中トロ2貫食べるとして、あと1000貫の中トロだ。そりゃ1貫1貫、じっくりしっかり噛みしめなきゃいかん。「噛まないうちに口の中で溶けちゃったあ♡」みたいな、オバカなことは言っていられない。

(なぜ「ハトラン」かと言うに、花の真ん中でハトが正面向きで羽ばたいているみたいに見えるじゃないか)

 

 もう少しマジメに言えば、もう残り1000週間だとすれば、「読める本の数も限られている」と言ふことである。

 

 20歳の頃は、図書館の開架式書庫の真ん中にスックと立って、「ここの本を全部読み尽くしてやる」「一生かかれば、数万冊の本だって読めるはずだ」と考えていたが、繰り返すようだがいやはや諸行無常&盛者必衰、1週間に7冊読んだとしても、あと7000冊しか進まない。

 

 まあ諸君、「学べや学べ、やよ学べ」。某・超有名女子高の校訓であるが、受験生諸君、学べや学べ、やよ学べ。チューターもフェローもアドバイザーも、学べや学べ、やよ学べ、なのだ。

 

「オペラ座の怪人」の続編「Love Never Dies」の終盤、せっかくの怪人が怪人とも思えないセリフを叫ぶ。「残された時間は、思った以上に少ない」。おお、さすが怪人、怪人のクセに突如として正義の味方みたいな発言をする。

 

 ワタクシは怪人というよりむしろ怪サトイモないし怪イモであるが、やっぱり諸君、残された時間が思っている以上に少ないことには,

間違いはないようである。

 

1E(Cd) SCHUBERT:ERLKONIG SUNG BY 18 FAMOUS SINGERS

2E(Cd) TOSHIYUKI KAMIOKA&WUPPERTAL:SCHUMANN/SINFONIE Nr.4

3E(Cd) Walton, Marriner:RICHARD 

4E(Cd) Tomomi Nishimoto:TCHAIKOVSKY/THE NUTCRACKER(1)

5E(Cd) Tomomi Nishimoto:TCHAIKOVSKY/THE NUTCRACKER(2)

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