Fri 180323 オトナの読者の皆さまへ/フランス準すみずみの旅(フランスすみずみ 1) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 180323 オトナの読者の皆さまへ/フランス準すみずみの旅(フランスすみずみ 1)

 毎年4月は、ブログへのアクセス数が一番少ない時期である。ピークは毎年12月から2月にかけて。1日6000とか7000とか、「一般人の長文ブログ」というマコトに苦しい立場を自ら選択しつつも、その数の膨大さに夢みるような思いである。

 

 その数が3月に微減、4月には急減して、「1日4000に達するか達しないか」という状況に陥る。寂しいことこの上ないが、これが毎年のアクセス増減カーブなので、それを10年も続けていれば、「毎年のこと」と平気の平左でいられる。

 

 どうせまた夏を過ぎれば、6000 → 7000という世界に戻れるはず。何しろ読者の半分は受験生なのだ。2月3月には進むべき大学も決まり、4月になって新生活に入れば、予備校講師のブログどころではないだろう。新しい受験生諸君が読み始めてくれる夏の頃まで、若干の時間がかかるのは当たり前だ。

19829 アルビ1

(フランス南西部・アルビの町。雪解け水の濁流と11世紀の橋、その向こうはサントセシル大聖堂)

 

 そこで4月から5月にかけての今井君は、毎年ひたすら旅行記に専念するのである。「読者の半分は受験生」ということは、残りの半分は立派なオトナたちである。立派なオトナの皆さんを相手に、まさか受験情報ばかり並べるわけにも行かないだろう。

 

 オトナの皆さんかどうかは、アクセスデータを見ればすぐに分かる。読者がPCで読んだかスマホで読んだかのパーセンテージを見ると、絶好調期の1月には1日平均でPC2500 vs スマホ4000。それが4月に入ると、PC2500 vs スマホ1500に変わる。

 

 つまり諸君、むかしながらのPCでジックリ落ち着いて読んでくれているオトナ読者の数は、絶好調期も4月も変化なし。スマホの小窓をネロネロやりながら読んでいるヒトビトの数だけが、4月にはギュッと減ってしまうのである。

 

 ならば書くサイドとしても、この時期はあくまでジックリ派をターゲットとしたい。よほど熱烈な読者でないかぎり、デスクの上のPC画面でジックリ時間をかけて読んでくれたりはしないはずだから、書く中身だってそれに合わせてグイッと濃厚濃密にしたいじゃないか。

19830 キャピトル1

(キャピトル。フランス南西部、トゥールーズの初日は冷たい雨だった)

 

 もちろん今井君にも商売っ気はあるから、今年3月下旬から4月上旬に収録した新講座について、この1ヶ月タップリ宣伝させていただいた。

 

 その宣伝が土曜日と日曜日に集中していたことに気づいた読者も多いだろう。土日に読者数が急増することも意識した宣伝戦術であって、ワタクシはどこまでも抜け目がないのである。

 

 しかし気がつけばすでに4月も半ばに達し、東京では桜の季節もとっくに終わりを告げている。「ソメイヨシノ」なんてのは、もう半年も昔のような気がするじゃないか。ぼってり重たい八重の桜も、そろそろ色褪せ始めている。

 

 世の中はすべて、落ち着いて回り始めた。花やかな入学式もそろそろおしまい。新入生はシラバス片手に授業登録に走り、中には「自分はこんな大学に来るはずじゃなかった」とどんより、「仮面浪人すっかな」と密かに計画表を作り始めていたりする。

19831 キャピトル2

(トゥールーズ、雨に濡れるキャピトル広場)

 

 そのへんは社会人でも同じなので、花やかな入社式や新入社員歓迎の飲み会も終われば、「自分はこんな仕事をするためにここに来たんじゃない」とどんより、第2新卒への心の準備を固め始めたりしている。

 

 そういうのは昭和の終わり頃から40年近く、もう世の中では当たり前の光景なのであって、今さらどうということもない。むしろ意識の高い若者ほど、「こんなはずじゃなかった」という焦りにかられやすいのは当然なのだ。

 

 もう9年も前に書いた文章であるが、4月から5月にかけて一気にアクセス数の増える記事がある。諸君、「新人講師 待遇」でググってみたまえ。今井君のブログがトップに登場する。

 

Mon 090608 予備校の新人講師をどんな「優遇」が待っているか 新館・東 ...」であるが、人生のベテラン今井君なんかは、「おお、毎年のことだが、もう職場にウンザリしちゃった新入社員がニョキニョキ出て来たな」と、若者たちの気持ちが手に取るように分かるのだ。

19832 トゥールーズ

(トゥールーズ市街。雨もまた素晴らしい) 

 

 そういう季節である。ワタクシはこれからしばらく受験情報や自分の講座の広報宣伝活動を控え、例年通り「4月5月は旅行記に集中」ということにしたいと考える。

 

 特に今年は、6月26日の「10年達成」「ビバ♡3652回」が待っている。書き残した旅行記を、これからの75日あまりのうちにキチンと書き上げてしまいたいじゃないか。

 

 そこで本日から旅行記「フランスすみずみ」を始めることにした。15年前には、パリとモン・サンミシェルとニース、その種のフランスの定番を回ることに懸命だったが、この10年、このブログの執筆とともに、フランスをずいぶんすみずみまで旅してきた。

19833 ラウンジ飯

(出発はいつもここ、ANAのスイートラウンジで腹ごしらえをする)

 

 これまでに旅したフランスの町をすべて列挙すれば、以下のようになる。

ルーアン ランス アミアン ニース カンヌ マントン エズ グラース レラン諸島 エクス・アン・プロヴァンス レ・ボー エグ・モルト ニーム アルル アヴィニョン カシス ラ・シオタ リヨン オルレアン ルアーブル オンフルール ストラスブール コルマール ブロワ オランジュ レスタック フリウル島 イフ島 ボルドー サルラ アルカション カルカソンヌ バイヨンヌ ナルボンヌ ビアリッツ モンサンミシェル マルセイユ パリ

 

 それを全て記録に残して来たこと自体、自らの丹念さにびっくりするが、パリ滞在のべ70日、マルセイユ滞在のべ40日、そのへんの充実ぶりも、なかなか素晴らしいフランスファンじゃないか。

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(キャピトルの裏、トゥールーズのシンボル「ドンジョン」の塔)

 

 しかし少なくとも「フランスすみずみ」を名乗るなら、特に南西部、スペイン国境付近をピレネー山脈沿いに、それこそ「すみずみまでピッカピカに磨き上げたい」と思うのが人情というものだ。

 

 残してしまったのは、トゥールーズとアルビ、ルルドとポー。いや、もちろん他にもフィジャックとかカオールとか、ペリグーとかオロロン・サント・マリーとか、「ホントにスミズミ」と言うなら、残してはならないはずの町もある。

 

 しかし諸君、今井君はあくまでイチ予備校講師であって、「地球の歩き方」のライバルをやろうとしているわけじゃない。誰かからタンマリ予算をもらって、タクシーやレンタカーを駆使して旅をしているのでもない。

 

 あくまで、鉄道とバス。あとはせいぜいで路面電車とロープウェイとケーブルカー。そういう公共交通機関にこだわり、授業収録や公開授業の合間を縫って旅した場合、可能な「すみずみ」として、フランス南西部はこれが限界なんじゃあるまいか。

19835 トゥールーズ 3

(ドンジョンの塔。数十年立ち尽くすオジサマも雨に濡れていた)

 

 トゥールーズを起点にして「準すみずみ」を達成した後は、パリに移動してパリからも「準すみずみ」を進めていく。南と北からの2方向で準すみずみを進めれば、織田信長並みの準天下統一は目の前にあるはずだ。

 

 ただしフランスは、今やストライキのメッカである。鉄道もストライキ、ヒコーキもストライキ、みんなみんなストライキで、5日に3日は公共交通機関がストップする。鉄道駅には固く鍵がかけられ、ドアはビクとも動かない。

 

 冷たい雨模様の空の下、年老いた労働者たちがコブシを振り上げてシュプレヒコールを続ける様は、1970年代の日本の国鉄を彷彿とさせる。そういう騒然としたフランスの準すみずみの風景を、これからしばらくオトナの読者の皆さまにお届けしようと考える。

 

1E(Cd) Ashkenazy & Philharmonia:SIBERIUS/SYMPHONIES 2/4

2E(Cd) Ashkenazy & Philharmonia:SIBERIUS/SYMPHONIES 3/4

3E(Cd) Ashkenazy & Philharmonia:SIBERIUS/SYMPHONIES 4/4

4E(Cd) Krivine & Lyon:DEBUSSY/IMAGES

5E(Cd) Rogé:DEBUSSY/PIANO WORKS 1/2

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