Fri 170519 お腹がアユアユ/志んこ団子/あぶり餅/松葉でにしんそば(京都 鮎のうた3) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 170519 お腹がアユアユ/志んこ団子/あぶり餅/松葉でにしんそば(京都 鮎のうた3)

 こういうふうで(スミマセン、昨日の続きです)、午後2時すぎに平野屋を出た時には、お腹の中は鮎だらけ。あんまり鮎でいっぱいなものだから、「お腹がアユアユしている」というマコトに不思議な感覚の中、初夏の嵯峨野を散策する次第となった。

 一般に鮎というものは清流中の清流に棲息し、岩についた苔を食べて生きている。というか、今井君はそう信じて生きてきた。ミミズもどきのおぞましい虫とは無関係なはずである。

 そう信じているからこそ、「背ごし」だか「背きり」だか、何となくアニサキスどんが胃袋に侵入しそうな調理法でも「鮎なら大丈夫だろう」と、思い切って頭からガブリ&ガブリ、豪快に平らげつづけた。

 それでもやっぱり、何となくアニサキス君がコワい。あんなにウネウネ&クニャクニャするヤツらが胃袋なんかに侵入するようじゃ、安心して日本で生活できないじゃないか。

 思えば、昨年は博多でずいぶんイカの刺身を食した。普通の人は天ぷらや塩焼きにする部位まで、「全部お刺身にして下さい」と、思い切った注文を繰り返した。

 そのおかげで博多の店のオバサマたちにもすっかり顔馴染みになったし、15年も昔の元生徒諸君にも声をかけてもらった。しかし諸君、だからと言ってウネウネ君の胃袋侵入を許すわけにはいかないのだ。

 今後は、胃袋にヨーロッパ中世のお城なみの堅固な城砦を築き、ウネウネ君の侵入をすべて水際で食い止めようと考えている。とりあえず今日は、鮎どんたちを徹底的に咀嚼したのである。

 一切れについて30回。ドイツ語やフランス語、イタリア語にスペイン語で1から30まで数えながら、万が一ウネウネ君がいても、今井君の丈夫な歯でカンペキに咀嚼されてしまうように、徹底的にわっしわしやりまくった。

 考えてみれば、それもまたおぞましい光景であるが、最近は、1から30までならロシア語でもOKだ。噛むほどに、鮎どんたちは次々と成仏していった。
八坂神社
(嵯峨野を散策した後は、タクシーで八坂神社にやってきた)

 鮎コースの最後のデザートに、名物「志んこ団子」も出た。読者諸君、もしも京都あだし野「平野屋」に立ち寄ることがあったら、鮎をスルーしてこの「志んこ団子」だけでも賞味するといい。

 暖簾には「あゆよろし」とあり、あくまで店のウリは鮎♡鮎♡ひたすら鮎なのであるが、人には好きやキライがある。「生の鮎なんて、とんでもありません」というオカタも、この絶品・志んこ団子ならナンボでも胃袋に入るだろう。

 かく言う今井君は、お酒ならいくらでも胃袋に流し込める傑物であるし、トンカツでも天ぷらでも生牡蠣でも、店の人が「まさか♨」「ウソでしょ?」と表情を歪めるほどの大食漢だ。

 オランダやアルゼンチン、プロヴァンスやメキシコシティのウェイターだって、「ホントにオカワリするんですか?」「ニワカには信じがたいです」と、後ずさりしたほどである。

 広島の生牡蠣屋では、会計係のおじさんが「こんなに生牡蠣を食べる人間が存在するはずはない」と、伝票をいったんウェイトレスに差し戻した。たった1時間で生牡蠣40個。確かに常軌を逸している。

 だからもし「平野屋」にあのまま居座って、次から次へと「志んこ団子」を飲み込み続ければ、まさに今井は団子ウワバミと化して、志んこ団子新記録を樹立していたかもしれない。そのぐらいの絶品であった。
鰊
(京都南座となり、松葉本店の鰊棒煮と鰊からし漬け)

 しかしこの日のワタクシには、もう1つ別の企てがあった。それが昨日の写真1枚目「嵯峨釈迦堂のあぶり餅」である。別名・清凉寺、その門前に「あぶり餅」の看板&看板娘を目撃して以来、頭の中を「あぶり餅」「あぶり餅」という誘惑の呼び声が、念仏のように限りなくコダマしていたのだ。

 化野から清凉寺までは、嵯峨野の坂道をどこまでも下っていけばいい。徒歩30分、胃袋の中からは成仏した若い鮎のうたが寂しく清く響いてくるが、今井君の思いはとっくに鮎を離れている。ひたすらあぶり餅を求め、坂道を転がるように嵯峨釈迦堂にたどり着いた。

 しかし、うーん、これはどうだろう。店の前で実物写真を眺めるかぎり、「どうしても食べなきゃいけない」「何が何でも咀嚼 ☞ 嚥下しなくちゃいけない」というレベルのものには見えない。

「見た目で判断しちゃいかん」と、小中学校の先生たちからたたき込まれてきたワタクシであるが、ここはスパッと&スカッと見た目で判断。追手の追跡から逃亡するかのように、通りかかったMKタクシーに乗り込み、「祇園、八坂神社のあたりまで」と告げた。

 いやはや、想像以上に鮎をたくさん詰め込んだのである。「ゲップまで鮎くさい」という状況。もちろん今井君はマコトに高級な人間なので、「ゲップ」などという下品なことをした経験は皆無♡ 今の発言はあくまで「あの時もしもゲップをしていたら」という仮定法過去完了の話である。
ロシア料理店
(祇園・松葉本店2階から、ロシア料理「キエフ」を望む。祇園でロシア料理、そのアンバランスな感じがいい。近いうちに必ずチャレンジしようと決意する)

 珍しく、ちょっと役に立つ情報を書いておくと、「月曜日の京都は休業のお店が多い」。おお、役に立つじゃないか。読む価値がタップリあるじゃないか。もしも京都に日帰りの旅を企てるなら、月曜日は避けた方がいい。

 化野から嵯峨野にかけての道が、特にその傾向が高い。まあそのぶん観光客の数もグッと少なくて、静かで穏やかな本来の嵯峨野を満喫できるようにも感じるのであるが、とにかくメシ屋もカフェもお土産屋さんも、軒並み「お休み」の札を出している。

 それは祇園の周辺も同じことで、「帰りにちょっとお蕎麦でも」と立ち寄ったお馴染みの「松葉・北店」もお休み。この4〜5年で10回は訪問しているが、「お休み」の札がかかっているのは初めて目撃した。

 ワタクシの執着心の強烈さはタダゴトではないから、松葉北店の「月曜休業」で、正直なところ心底から打ちのめされてしまった。だって、あんなに好きな鰊そばも鰊の棒煮も辛子漬けも、「月曜休業」のヒトコトで夢と消えてしまうのだ。

 松葉・北店を愛することにおいて、おそらく日本中で今井君ほどのサトイモは存在しないのである。お店の人たちだって、たった1日の休業でまさかこんなに落胆しているヤツがいるとは、きっと想像していないはずだ。
蕎麦
(松葉本店2階にて、「冷やしおろしにしんそば」をいただく。おいしゅーございました)

 唯一の救いは、「京都南座となり『松葉本店』は2階のみにて営業しております」という貼紙。いつもいつも北店ばかりで、本店のほうには1度もお邪魔したことがないが、それでは1度だけ、本店2階に闖入してみますかね。

「本店」のほうの混雑ぶりは、普段なら今井クマ蔵を寄せつけないのである。クマというものはマコトに臆病な性質の生き物であって、人間たちがワイワイ門前列をなしているような店には、滅多に近づくことがない。

 しかしやっぱり今日は月曜だ。2階に上がってみると、驚くべきことにガラガラのガーラガラ。一番奥の4人掛けのテーブルを、デカい顔で占領できたのである。

 北店とは勝手が違うが、まあさすがに姉妹店である。鰊の棒煮も辛子漬けも、雰囲気が若干ちがうことをガマンすれば、いつも通りの「松葉」を味わえた。

 ワタクシの後から、外国人集団が押し寄せた。2階はたちまち外国語の洪水。店のオバサマ3人が雄々しく対応に努めるのを眺めつつ、今井君もおずおず「冷やしおろしにしんそば」というマコトに複雑でメンドーなものを注文してみた。
青鷺
(祇園北側のせせらぎで、大きな青鷺どんと遭遇する)

 蕎麦をすすり終えて店を出ると、時計はすでに午後5時に近い。帰りのヒコーキは7時に離陸するから、そろそろ阪急電車に乗って伊丹空港を目指さなければならない。

 いくら貯まったマイルで0円飛行を楽しむと言ったって、やっぱり日帰りの旅は寂しすぎる。1泊ぐらいしていきたい。贅沢は言わない。ゆっくり夜の京都を満喫して、翌朝は冷たいゴハンに焙じ茶をかけてサラサラ。そんなんでいいのだ。

 あんまり寂しいから、旅のおしまいに大好きな青鷺どんの写真を掲載しておく。京都祇園北、料亭の裏のキレイな流れの中で食べ物を物色していた。白鷺でも青鷺でも、ワタクシは彼らの真剣な眼差しと足さばきが好きなのだ。

 青鷺とは、アムステルダムの公園の片隅でも至近距離で遭遇した。あまりに至近距離だったので、ワタクシも青鷺どんも面食らってしまい、しばらく無言で対峙するしかなかったのであるが、その時の写真を見ると、京都とアムステルダムでは青鷺の姿も大きく違うようである。

 興味のある方は「Wed 140806 自己宣言を守れない グロ人間 グロニンゲン到着(おらんだサトン事件帖18)」を参照。日本の青鷺とオランダの青鷺、どちらが好きかをじっくり考えていただきたい。

1E(Cd) Rattle & Bournmouth:MAHLER/SYMPHONY No.10
2E(Cd) Goldberg & Lupu:SCHUBERT/MUSIC FOR VIOLIN & PIANO 1/2
3E(Cd) Goldberg & Lupu:SCHUBERT/MUSIC FOR VIOLIN & PIANO 2/2
4E(Cd) Wand & Berliner:SCHUBERT/SYMPHONY No.8 & No.9 1/2
5E(Cd) Wand & Berliner:SCHUBERT/SYMPHONY No.8 & No.9 2/2
total m98 y958 d20916