Wed 151202 早春スケジュール 海浜にさすらへ もう次の旅を決意(また夏マルセイユ41) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 151202 早春スケジュール 海浜にさすらへ もう次の旅を決意(また夏マルセイユ41)

 まず、10日ほど前にこの場で発表した「2016年・早春スケジュール」であるが、若干の追加と変更があった。

 名古屋と奈良と兵庫と福岡で追加があり、2ヶ月で合計31回になる。2015年の秋冬シリーズが「3ヶ月で42回」だったから、勝るとも劣らぬというか、劣るとも勝らぬというか、またまたいくら眺めても強烈&激烈なスケジュールではある。

 この激しいスケジュールを見ながら「これじゃオマエ、『趣味は移動』じゃないか」と悪口雑言の限りを尽くしたヒトもいらっしゃった。「サンタクロースならぬサンザクロース」だというのである。「さんざ苦労す」ということらしい。

 しかし諸君、どんな厳しいスケジュールでも、このクマ助には全然コタえない。というか、はるばる遠くに旅すれば旅するほど、クマ助にはエンジンがかかる。エンジンは常にフル回転してこそ健康を保てるというものだ。
フリウル猫
(フリウル島でもネコと出会う。「おやオマエ、ついこの間マルセイユにいなかったか?」:Sat 151128 の1枚目参照)

 どんな生き物でも同じだが、思い切り走らせてくれれば健康でいられるけれども、「あなた、そんなに働いて大丈夫?」みたいな気遣いをされはじめたら、その時点から何だか調子がおかしくなりだす。

 中でもクマ助は、もしもそれが大好物なら「そんなに食べて大丈夫?」と心配されるほど貪り食うのが好き。「限度を心得よ」と神様やホトケサマにに叱られても、限度を心得た瞬間、明らかに機嫌が悪くなる。

 だってそうだろう。やりたいことはいくらでもやらせてくれなきゃツマランじゃないか。というわけで、ほぼ確定と思われる早春スケジュールは以下の通り。空いている日はまだあるから、まだまだどんどん呼んでほしいぐらいだ。

  1月27日 愛媛県 新居浜
  1月29日 大阪府 天王寺
  1月30日 町田
  1月31日 埼玉県 熊谷
  2月3日 名古屋
  2月4日 北千住
  2月5日 滋賀県 草津
  2月8日 富山
  2月9日 石川県 小松
  2月12日 西葛西
  2月14日 佐賀
  2月15日 池袋
  2月16日 おそらく西新宿
  2月17日 奈良県 大和八木
  2月19日 広島県 呉
  2月20日 岐阜県 大垣
  3月2日 愛媛県 松山 
  3月3日 兵庫県 宝塚
  3月4日 神戸市 三宮
  3月8日 滋賀県 守山
  3月10日 福岡県 行橋
  3月11日 長崎県 諫早
  3月12日 福岡
  3月13日 福岡県 久留米
  3月14日 愛知県 高横須賀
  3月15日 五反田
  3月16日 石神井
  3月17日 千葉県 柏
  3月18日 千歳烏山
  3月19日 山口県 新山口
  3月20日 池袋
  3月22日 千葉県 海浜幕張
  3月23日 茨城県 取手
お舟
(フリウル島で、小舟に魅せられる。こんな小舟の上に生涯を浮かべるのも、スリルに満ちて悪くない)

 やはり早春は旅の季節だ。2016年もまた今井君の春は「日々旅にして旅を住処とす」であり、「舟の上に生涯を浮かべ、馬の口とらえて老いを迎うる」という人生プランになりそうだ。

 しかし諸君、松尾芭蕉どんがそういう感慨を居抱いた箇所で、今井君には1カ所だけマコトに気になる一節があるのである。
「予もいづれの年よりか、片雲の風に誘はれて漂泊の思ひやまず、海浜にさすらヘ…」
というのであるが、バセオどんはどうして「海浜にさすら」ったのであろうか。

「海浜」という言葉が、余りに唐突に感じられないか。バセオは海辺を1人孤独にさすらったりしながら「そぞろ神のものにつきて心を狂わせ」「道祖神の招きにあいてとるもの手につかず」という状況に陥るのであるが、いきなり「海浜」が出てくるあたりが腑に落ちない。

 しかし諸君、別にいちいち「腑」なんてものに落ちる必要なんかないので、もしピンと来ないなら、自分でも「海浜にさすらへ」をやってみればいい。海ならば、日本人なら誰だってすぐ目の前にあるはずだ。
カランク1
(フリウル島の光景。手前がカランク)

 9月8日、マルセイユ最終日のクマ助は、マコトに都合のいいことにフリウリ島の「海浜」そのものを散策していたから、生涯を浮かべるべきたくさんの小舟を眺めながら、往復2時間ほど「海浜にさすらへ」を実践してみた。

 マルセイユからの連絡船を降りたら、すぐ左に曲がって、小さな港を左に眺めながら進む。道の右側には、小さなカフェやレストランが数軒並び、半野良のネコたちもビュンビュン飛び回って、9月上旬でもまだ賑やかである。

 フリウル港に停泊しているのは、地元の人たちの小型の釣り舟ばかり。生涯を浮かべるには小さすぎるけれども、このぐらいの舟のほうがスリルに満ちた人生を楽しめそうだ。巨大な船に乗り込んで「これで一生安泰だ」とソックリかえるより、神奈川沖浪裏タイプの人生のほうが面白い。

 港の風景が尽きたあたりで、道は険しい坂道になる。両側から白い岩が迫り、乾燥地独特の肉の厚い植物が繁茂して、「この辺で引き返そうかね」と誰でも不安に襲われる。

 そのとき突然目の前が開け、吹き荒れる初秋の風の向こうに、南欧の青い海が白波を盛んに立てて揺れている。岩場に深く切れ込んだ静かな入江の色は、群青、藍、深い緑などさまざま。いわゆる「カランク」であって、フリウル島のいたるところ、島の奥深くどこまでもカランクが連続する。
カランク2
(カランクのほうへ降りてみる)

 道の尽きるところまで、徒歩で1時間あまり。行きかうヒトビトはみんな明るく挨拶をかわす。山道からカランクまで歩いて降りることもできる。岩場の道は険しいから、あんまり気軽に「降りてみる」というわけにはいかないが、せっかくだ、島の最奥部で1つのカランクにチャレンジしてみた。

 しばらく降りていくと、美しいカランクの全貌が見える。欧米人の大家族が7~8人ほど、ヨットとボートをつかって海からカランクを訪れていた。マルセイユからヨット、近くにヨットを停泊させ、ヨットからカヤックのようなもので海岸にたどり着いたらしい。
カランク3
(もっともっと降りていく)

 そういうマコトにリッチな世界もあるのである。連絡船で港へ、あとはネコを撫でながらエッチラ&オッチラ山道を歩いてここまで来たクマ助とは、リッチ度が明らかに違うのである。

 ま、そのへんもまた上には上があって、「ヘリでコモ湖」「プライベートジェットでサルデーニャのコスタ・ズメラルダ」その他、そういうことを言い出したらキリがない。

 今井君はやっぱりエッチラ&オッチラ、ネコたちに声をかけながらがいいので、そう言えばフン族に「アッチラ」という英雄がいたけれども、リッチすぎるより、そのぐらい野蛮なほうがいいじゃないか。

 こうして諸君、マルセイユのクマ助も「海浜にさすらへ」をやってみたのである。すると不思議なもので、ますます「そぞろ神の物につきて」心は狂いだし、「道祖神のまねき」はもっと激しくなって取るものなんかもう手につかない。

 この翌日、9月9日にはこの旅が終わるのであるが、「それならまたすぐ旅に出ようじゃないか」と、この段階でもう心は決まっていた。

 翌10月、秋冬スケジュールの真っ最中ではあるが、何故かポッカリ10日間のスキマがあいている。10月上旬の「速攻サンフランシスコ」を決意したのは、実はこのフリウル島散策の最中なのであった。

1E(Cd) AFRICAN AMERICAN SPIRITUALS 2/2
2E(Cd) Maria del Mar Bonet:CAVALL DE FOC
3E(Cd) CHAD Music from Tibesti
4E(Cd) AZERBAIJAN Traditional Music
5E(Cd) Ibn Baya:MUSICA ANDALUSI
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