Mon090706 「秋田大黒舞」を絶対聞くべきだ、絶対見るべきだ 安全のための3ステップを提示 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon090706 「秋田大黒舞」を絶対聞くべきだ、絶対見るべきだ 安全のための3ステップを提示

 こうして(まだ昨日の続きです)、まだ渋谷セルリアンタワーのバーにいるわけである。東急プラザ9階のきわめて庶民的なウナギ屋で始まったわずか一晩の記憶、時間にすれば6時間ほどに過ぎない記憶が、ついにブログ1週間分を占領しようとしているのであるが、1個のマドレーヌを食べ終わるまでに50ページも100ページも費やしてしまったプルーストのような恐るべき作家も、かつて地球上には存在したのだ。この程度のことで怒り心頭に発しているようでは、それは短気が過ぎるというものである。ただし、スコットランドのオジサンがサヨナラを言って部屋に帰ってしまってから先の記憶は、ほとんど語るに値しない「葉巻ニーチャン」のケムリの記憶である。あまり思い出したくないから、ケムリの記憶をケムリ同様に抹殺してしまうのも悪くはない。


 だから、その分ますますスコットランドオジサンの無邪気で強烈な郷土愛が忘れられない。いつか書いたように、年齢を重ねるにしたがって、自分自身の愛校心と愛社精神と郷土愛が強烈になってくる(Mon 090413参照)ので、あのオジサンの気持ちが手に取るように理解できるのである。愛校心は早稲田大学や秋田高校に、愛社精神はこれまで在籍した全ての予備校に、郷土愛は日本と秋田に向き、かつて在籍した予備校についてブログでキツいことをいろいろ書くとしたら、それはただただ「そんなんじゃダメじゃん」という愛社精神の発露なのである。
 

 早稲田大学については明後日あたりからのブログで政経学部の教養課程・福原ゼミのことをいくらか書くことになると思うし、代ゼミについても、高宮行男・元理事長の死去について、8年間お世話になったお礼の意味もこめて、せめて1ページぐらいは書かなければならない。しかし今日、今、この場で書いておかなければならない、どうしても書いておきたいのは、秋田のことである。秋田の何を書きたいかと言えば、民謡「秋田大黒舞(あきただいこくまい)」についてである。


 1ヶ月ほど前にカラオケで偶然発見してから、もうずっと、この激しい民謡の虜になっている(と、言うほどでもない)。歌詞というのか、何と呼ぶのか、とにかくこの歌の文句をブログの読者にも知ってほしくてたまらない。音楽なしで歌詞だけ書いてもインパクトが薄いだろうから、是非、何が何でも、夕食がまだでも、ビアガーデンで最初の乾杯が済んでいなくても、焼き肉屋でアブラだらけのカルビが炎をあげて燃えはじめていても、牛丼屋で味噌汁をひっくり返してしまった直後であっても、とにかくYouTubeへ。「秋田大黒舞」と検索すれば、ほら、あなたも今日から秋田大黒舞の奴隷である(と、言うほどでもない)。

 

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(秋田大黒舞を舞うニャゴ姉さん 1)


 しかし、待て。待つのじゃ、落ち着くのじゃ。慌ててはならん。いきなりYouTubeで秋田大黒舞を見てしまうと、そのあまりのインパクトに、そなたらはひっくり返ってしまうぞよ。これは劇薬じゃ。90度のウォッカじゃ。熊の肉じゃ。いいですか、牛丼屋にいるあなたは、おそらく味噌汁をもう3杯持ってきてもらって、それをカワラケ投げのように空中に投げあげたくなることだろう。夏の社員旅行に備えてスイカ割りの練習をしていたあなたは「要するにスイカが割れれば文句はないだろう」などと言い出して、隣りのダンナがボーナスを投げ出して買ったばかりのベンツ(Cクラス)の新車に、スイカ3個を投げつけに出かけるだろう。チャゲ&飛鳥ご本人、またはそのファンなら、「これからアイツを、これからアイツを、殴りに行こうかー」とか歌いながらヤーヤーヤーヤー出かけていきかねない。焼き肉屋のキミ、キミは「カルビだけじゃ足らん、野菜も、ビビンパも、冷麺も、みんなまとめて燃やしてやる」「これからみんなでビールかけ、ビアガーデンを占領だ」などという奇声を上げながら、ダッシュで走り出しかねない(ダッシュなら走るに決まっているが)のだ。


 そこで、今すぐYouTubeで秋田大黒舞を見ることは禁止する。「どうしても、今すぐ」と叫び、怒号をあげ、本官の制止を無視して飛び出すような危険かつ粗暴なヤカラについては、当局者とも相談の上で厳正に処分しなければならなくなる。筆者が、秋田をこよなく愛し、東進をこよなく愛し、自分のCMとポスターをこよなく(ポスターはあんまり好きではないとしても)愛し、まもなく始まる河口湖合宿をこよなく愛する筆者が、いま親愛なる読者諸君にオススメできる秋田大黒舞の安全な楽しみ方は、次の3ステップである。これから始まるアトラクションは、少なくとも「スターツアーズ」より危険、「カントリーベアジャンボリー」「魅惑のチキルーム」より危険である。皆様自身の安全のため、必ず3つのSTEPを守り、ご利用の際は必ずシートベルトをご確認ください。

 

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(秋田大黒舞を舞うニャゴ姉さん 2)


(1)まず、iTunesで、150円だか200円だかを払って曲を購入する。その際、いろいろバージョンがある中から「佐藤さわえ」を選ぶこと。これが最もスタンダードと思われるバージョンである。購入後、ジャンルが「フォーク」となっていることに驚嘆し、驚きの声を上げること。これは、意地でもフォークである。高田渉もかまやつひろしも山本コータローも、そして佐藤さわえも、みんなおんなじフォークなのだ。歌に国境はない。


(2)ブログの一番下に掲載する「秋田大黒舞」の歌詞を、文字情報として補助に使いながら、(もし受験生ならリスニング力の向上も兼ねて)何度か佐藤さわえの歌声を聞き取ること。このとき、「こら、めでたいめでたい」で始まる最後の2行の恐るべき転調と、明るすぎる明るさの中に、「全存在を天と神に預けた激しい絶望の極北」みたいな下らないことを(特に現代文の得意な人、40歳以上の場合は「現代国語」の得意だった人は要注意)読み取ったりしないように注意する。


(3)覚悟を決めて、YouTubeで秋田大黒舞を開く。グーグルで検索してトップに出てくる、英語のコメントがついたヤツを見ること。決して途中でヤメないこと。踊り手の踊り、足取り、顔の表情、そうしたものに加えて、必ず踊り手の向こうで困り果てている女性2名の行動にも注目。この曲の深い2面性を読み取ることが出来るかもしれない(いや、決して出来ない)。かつ、盛んにかかるヤジ、国会党首討論以上に激しいヤジを聞き、たとえ意味が全く分からなくても、このヤジが日本のオヤジの原点であることを認識すること。

 「秋田大黒舞」の歌詞は以下のようなものである。秋田県人でも完璧に聞き取れるわけではないので、間違いがあったらあしからず、とお断りしておく。

(参考)秋田大黒舞:聞き取れた範囲での「歌詞」です
明けの方から福大黒舞いこんだなー 
さあさ舞いこんだ、舞いこんだなー 
なにが先に立って、舞いこんだなー  
こら、ゴショーテンが先に立ち 若大黒が舞いこんだなー
四方の棚を見渡せばなー 
飾りの餅も十二重ね、神のお膳も十二膳
こら、代々と飾られたや。 さあ何よりも、めでたいとなー
春の初めの初夢はなー 
きさらぎ山のくすのきで 船を造りし今おろし
シロガネ柱、押し立ててなー 
コガネの千両も含ませて 綾や錦の帆を上げて 
宝の島へ、ハせこんでなー
積んだる宝を数々と この家のお蔵に納めおく 
さあ、何よりもめでたいとなー
こら、めでたい、めでたい 商売繁盛、ご家内繁盛 
みなさま、おマメで 金もうけ、ドッサリー

以上

1E(Cd) J.S.BACH/SILVIA(Cantata Opera in 3 Acts)1/2
2E(Cd) J.S.BACH/SILVIA(Cantata Opera in 3 Acts)2/2
3E(Cd) Schiff:BACH/GOLDBERG VARIATIONS
6D(DvMv) TROY
11A(α) 倉橋由美子全作品5:新潮社
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