Mon 090303 荒川沖講演会の驚異的大成功 じゃがりこオジサン あーかいお顔の右大臣 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 090303 荒川沖講演会の驚異的大成功 じゃがりこオジサン あーかいお顔の右大臣

 3月1日は、小倉に泊まらずに帰京、というハードスケジュールを組まれてしまった、講演後のサイン会に30分もかかって、会場を出たのが16時過ぎ。小倉から新幹線で真っすぐ東京に帰るスケジュールでもいいが、下り新幹線で反対に博多に戻り、福岡空港から飛行機に乗るというルートである。福岡空港で1時間以上ゆっくりできたから、早速空港のレストランに入って、「大成功熊本」と「中成功小倉」の連続に、(寂しいけれども)一人で祝杯をあげることにする。こういう時に贅沢なレストランに固執するのは素人である。一番楽しいのは、空港の一番ありふれたファミリーレストランで、4人がけの席をゆったり一人で占領して、周囲の家族連れがみんな定食をかき込んだり、めん類をすすったりしているのを横目に見ながら、大きな声で「生ビールと、日本酒を2本」と注文して、注目を浴びる瞬間である。


 1時間で、生ビール1杯と日本酒600mlを飲み干し、串揚げセットに馬刺を平らげて、それでやっとまあ一仕事終えた実感がこみ上げる。大いにおめでたい。「まだ馬刺食べてるの?」という問いが自分の中で生まれてくるが、これはきっと、昨夜食べた馬刺が、お腹の中で仲間を呼び集めようとしたのである。熊本の馬刺クンたちが、福岡の馬刺クンと、クマさんのお腹の中で再会を祝したことは想像に難くない。


 19時のANA便で帰京。席は1Aである。日曜夜の「プレミアムシート」にはワガママな客(というより、「自分はVIPだ」と勘違いしている客)も少なくない。傍の席で客からCAに浴びせられる要求は、「たった5000円多く払っただけで、なぜそこまで勘違いできるのだろう?」と不思議になるようなものが多い。サラリーマンの2人連れは「食事が出る前にシャンペンがほしい」と言って、そのシャンペンの銘柄を聞き、「そのシャンペンは好みでないから別のものを用意してほしい」と要求。要求が応えられたかどうか、興味がなかったからその後は知らないが、わずか1時間半のフライトでシャンペンの銘柄にまでうるさいなどというのが「勘違い」の典型だ。クマさんみたいに、出された日本酒と白ワインをニコニコ嬉しそうに飲み干して、ちょっと揺れると座席のひじ掛けにしがみつくフリをして、「飛行機は楽しいな」と顔を赤くして居眠りをして、着陸の衝撃で「おお、もう着いちゃった」とガッカリすれば、国内線はそれで十分なのである。

 

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(荒川沖「驚異的大成功」の講演会風景、開始直後)


 3月3日、「首都圏にも大雪の恐れ」と、たった3cmか4cmのことで天気予報が大袈裟に騒ぐ中、16時に代々木上原を出て、荒川沖での講演会に出かける。「荒川沖」という地名自体に「雪の予報が出ているような日にノコノコ出かけていくのは危険なんじゃないか」と感じさせるようなワイルドな響きがあるが、何のことはない、常磐線・土浦の一駅手前である。それでも、ひな祭りの「今日はめでたいお祭り日」に「明かりをつけましょボンボリに」とか「お花をあげましょ桃の花」とか、そういう優雅な行動をすべて省略して、常磐線の電車ではるばる揺られて出かけるのには、躊躇を感じないこともない。私のような年寄りは「少し白酒召されたか」で「あーかいお顔の右大臣」になっていたほうが年齢に相応しいのではないか。


 しかし、よく考えてみれば、「少し白酒」なんか召してみたところで、残念なことに「赤いお顔」になれるほど酒に弱くは出来ていなくて、シコタマ焼酎を召さない限り、右大臣にもなれないしモーロー大臣にもなれそうにない。以上の思考を経て、諦めて荒川沖に出発。「あーかいお顔」になるのは、深夜23時半に荒川沖からの帰還を無事果たしたあとで、ニャゴロワとナデシコに帰還報告をしながらのことに決めた。代々木上原16時14分発の千代田線に乗り、北千住で常磐線「高萩行き」に乗り換え。ここからさらに50分以上かかるから、その50分を有意義に利用しようと、わざわざグリーン車に乗ってパソコンを取り出し、参考書の原稿をひたすらパチパチ打ち続けた。

 

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(荒川沖「驚異的大成功」の講演会風景、開始1時間。腹が出てるねえ、このオジサン)

 ところが、松戸だった柏だったか、その辺りから、上機嫌の「あーかいお顔のオジサン」がすぐ近くの席に乗り込んできて、さらに車内販売でビール(しかも2缶)を購入。車内販売のお姉さんが「おつまみは?じゃがりことサキイカがございます」とか、そういう余計なことを尋ねるから、オジサンはさんざん迷ってから「じゃがりこ」を購入。パソコンと格闘している可哀想な私の耳元でその「じゃがりこ」をボリボリやりはじめた。


 グリーン車と言っても、各駅停車である。こういう車内販売はよした方がいいんじゃないか。半月前、成田に向かう電車内では「おかきオジサン」のおかき臭さに悩まされ(Wed 090218参照)、今日はまた「じゃがりこオジサン」。せっかく頑張って「あーかいお顔」になるのを半日も先伸ばしにしてるのに、これではとてもパソコンに集中できない。「じゃがりこ臭い」というワケではないが、ついこの間の「おかきオジサン」とどうしても比較してしまう。においもそうだが、咀嚼するボリボリ音が頭蓋骨の中を反響する音の違いとか、そういうものに関心を向けないのは、感受性が弱いのである。私の見たところ、おかきオジサンに軍配が上がる。高温で焼かれた固く乾いたおかきの砕ける高い反響の方が、イモの粉を固めたもともと脆弱な菓子の崩れる音よりも、より高貴なのである。そういうバカバカしい比較に夢中になっているうちに、いつの間にか18時、荒川沖到着。気がつくと車内には私と「じゃがりこオジサン」が2人きりになってしまっていた。


 ついに激しく降り出した雪の中、19時講演会開始、21時終了。当初の予定では77名出席のはずだったが、「とびこみ」でさらに受講生が増加して、最終的には90名弱。これは、まさに特記事項に該当する大健闘である。大健闘だと思わないヒトは、是非一度、常磐線・荒川沖で下車して、この名も知れぬ小さな駅の駅前の塾の講演会に、しかも大雪の予報が出され実際に雪が本格的に降り始めた夜に、100名近い高校生が集合するものかどうか、とくと考えていただきたい。校舎長は、30歳になるかならぬかという誠実な若者である。もっと若いかもしれない。まさに「集めきってくれた」という感が強い。大いに讃えられていい大健闘であるとともに、おそらく普段から校舎内の雰囲気も整備され、今日の講演にもしっかりした運営計画が練り上げられていたものと思う。

 

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(終了後、22時頃の荒川沖駅。雪の降りしきる中、客の人影もまばらである)

 もともと50名ぐらいしか入らない教室の、机をすべて片付けて90名、通路にまで受講生がはみ出した状況である。こういう大成功に出会うと、ついつい話が長くなって、20時45分までのつもりが、終わってみれば21時15分に近い時間帯。超満員の教室が2時間にわたって、ほぼ絶えることのない大爆笑に包まれ、受講者の満足度もいつもにも増して高かったことは間違いない。


 1年ほどしなかった「サイン会」も、先月末から復活させている。サイン会終了、21時40分、すぐに駅に戻って、常磐線から千代田線に乗り継ぎ、帰り道には「じゃがりこオジサン」に該当する困ったヒトもいなくて、仕事に専念できた。代々木上原につくと、降っているのは雪ではなくミゾレ。大成功した講演の後は、酒に酔っていなくても「元気に歌いながら帰るクマさん」になる。コンビニでワインと日本酒とビールを手に入れて、ツマミ代わりの「海老天重」の入ったレジ袋を振り回しつつ、23時半、ミゾレに濡れれば濡れるほど、気持ちよく歌いながら帰宅。やっと「あーかいお顔の右大臣」になることが出来た。

1E(Cd) Queffélec:RAVEL/PIANO WORKS 1/2
2E(Cd) Queffélec:RAVEL/PIANO WORKS 2/2
3E(Cd) Martinon:IBERT/ESCALES
4E(Cd) Bruns & Ishay:FAURÉ/L’ŒUVRE POUR VIOLONCELLE
5E(Cd) Collard:FAURÉ/NOCTURNES, THEME ET VARIATIONS, etc. 1/2
6E(Cd) Collard:FAURÉ/NOCTURNES, THEME ET VARIATIONS, etc. 2/2
7E(Cd) Cluytens & パリ音楽院:BERLIOZ/SYMPHONIE FANTASTIQUE
8E(Cd) Lenius:DIE WALCKER - ORGEL IN DER WIENER VOTIVKIRCHE
9E(Cd) Bernstein & New York:BIZET/SYMPHONY No.1
OFFENBACH/GAÎTÉ PARISIENNE
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