Wed 090218 なぜ5日間ブログ更新を怠けたか お腹の急降下 2月18日成田駅前講演会 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 090218 なぜ5日間ブログ更新を怠けたか お腹の急降下 2月18日成田駅前講演会

 これを書いている時点で、すでに2月23日である。ブログの更新をまるまる5日間怠けていたことになる。昨年6月5日のブログ開設以来、これほど長い空白は珍しい。振り返ってみるに、7月末の東進河口湖合宿の10日間と、11月のマドリード滞在中の2週間、12月のロンドン滞在時の2週間、そのぐらいである。この3期間でさえ、河口湖合宿の時は携帯電話を使って何とかネットに接続して更新を試みたし、マドリードやロンドンの時もなかなか写真をアップできないイライラを抑えながら(写真1枚アップするのに3分必要なのだ)、1時間で7ユーロ(ロンドンは7ポンド)もかかるホテルのインターネットを使って何度か更新の努力をした。しかし今回の5日間は、そういうやむを得ない事情があって更新を怠けたわけではない。細かな事情が4つも5つも重なりあって、気がついたら5日経過していた、そういうことである。
 

 まず、2月17日の深夜から、風邪気味になった。16日、17日と、頑張っていろいろ執筆を進め、それまで滞っていた原稿やブログの進行状況を一気に改善しようとしたのだが、その頑張りすぎがいけなかったのかもしれない。17日はほぼ徹夜して、18日の朝にはブログもついに追いついた。開設以来、開設時に宣言した通りに、1日も欠かさずに書き続けていて、ただどうしても遅れ気味になるのが欠点だったのだが、昨年末には1週間もおくれてしまっていたのを、ついに「日付通り」のところまで一気に追いついたのである。ブログをアップして、ネコ&新刊書の写真も載せて、ガッツポーズをして、風呂に入って、やっとベッドに入ったのは朝9時頃。この段階で少なからず寒気がして、とりわけお腹の調子が良くなかった。


 「完成したぞ」「ゴールしたぞ」「ついに追いついた」というような達成感は、一般には素晴らしいものと考えられているようであるが、脳科学者によれば「脳にはマイナスに働く」ものらしい。おそらく「ついにやった」「ついに追いついた」という安心感が脳の緊張状態を弛緩させ、油断を生み、それがウィルスに対する防御を弱めることになるのだ。昼過ぎに目を覚ましたが、その時はもう熱があるのがハッキリわかる状況(平熱35℃ちょっとの私が、37℃あった)で、お腹の具合はさらに悪化し、クスリを飲むのにも、風邪薬か、熱冷ましのクスリか、とりあえず下痢止めのクスリか、判断がつかない有り様だった。

 

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(2月18日成田駅前講演会。花束をもらってご機嫌のクマさん)


 18日は夜7時から講演会で、しかもそれが千葉県成田市だったから、午後4時には家を出なければならない。おおいに迷った挙げ句、やっぱり寒気がして熱があって明らかに風邪の症状だから、下痢止めよりも風邪薬を優先した。成田まで約2時間、道中が心配ではあったが、こういう症状の時に下痢止めを服用してウィルスを体内に封じ込めてしまうのは、ウィルスが体内で増殖してますますいけない悪ふざけをするのを手伝うだけである。ま、道中の要所要所で丁寧に「お腹ケア」に励むことで、尾籠な悲劇の防止に努めれば、それで何とかなるだろう。


 京王新線の幡ヶ谷駅から、馬喰横山へ。馬喰横山から総武線快速に乗り換える。ホームとホームがくっついているくせに、双方で意地を張って駅名は別々。JR総武線の駅名は「馬喰町」である。都営地下鉄には、こういうケースが特に多いような気がする。身体の調子が悪いと、こういうことにもいちいちムカつくものである。気分もムカつき、お腹もムカつき、そうやってムカついていると電車もなかなかやって来ない。
 

 前の電車がギリギリで行ってしまってから、「成田エキスプレス」などという余計なものが目の前を通過し、「あああ、いいなあ、早くまたドイツに行きたいよな」と思ってまたムカつき、やっとのことでやってきた総武線は「エアポート成田」、成田空港行き。こういう神経を逆撫でするようなネーミングで、しかもグリーン車までほぼ満員、ただし乗っている客はほとんどが船橋と津田沼と千葉で降りてしまって、千葉から先はもう私と、なぜかヤタラにおかきをボリボリ噛み砕く中年女性1人しか乗っていない。四街道、佐倉、酒々井、彼女はおかき一袋を30分弱で全て噛み砕き、噛み砕かれたおかきは彼女の胃袋の中で消化され始め、その想像と車内に漂うおかきの匂いに、こっちの危機はますます増幅されるばかり。気分とお腹のムカつきを抑えつつ、17時50分ごろ成田着。しかし何とかここまでは大惨事にならずに済んだ。

 

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(成田駅前講演会。盛り上がり始めているサトイモさん)


 「お腹の大惨事」については、代ゼミ時代に何度か大きな危機を経験している。今はほとんど全てが収録授業なので、大惨事の危機に直面すれば、恥をかいたとしても、まあディレクターとかフロアーさんとか、少数の収録関係者だけで済む。しかもその場合でも、お菓子とかジュースとかいろいろ差し入れでもしてうまく口止めすれば、完全に内輪の話で封じ込めることも出来るだろう。しかし、代ゼミ時代に大惨事でも起こせば、衛星同時生中継でお腹の恥は全国に中継されてしまう。私ではないが、実際にトイレに駆け込まざるを得なくなって、惨事全国生中継の憂き目にあった講師も存在する。


 私は代ゼミに移籍した直後から8年後に代ゼミを辞めるまで、どういうわけか焼き肉屋に頻繁に出入りして(淡島の「韓てら」や西麻布「遊玄亭」だ)、しかも何故かユッケジャンスープが大好物だったので、大きな危機が訪れるのはその翌日午前中。「ユッケジャンスープ、やめとけばよかった」の後悔は後の祭で、教室の中の300名、同時生中継を画面で見ている3000名、さらにそれをビデオに収録して受講する多くの生徒たち、そういうたくさんの目がこちらを注視している中、食べた時とは全く違う意味でユッケジャンスープが熱い汗になって全身を駆け巡り、「残り30分」「まだ残り20分」「まだまだ残り7分」という拷問を、腰を叩きながら何とか耐えぬいたものだった。だから、今は焼き肉屋に入っても大好きなユッケジャンスープもユッケジャンクッパも我慢して、穏やかに、ごく平穏に過ごしている。

 

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(成田駅前講演会。完全に盛り上がってしまったキウイ君)


 東進ハイスクール成田駅前校での講演会は、出席者80名弱、21時終了。悲劇も大惨事にもならず、大成功だった。まだ若い女性の校舎長だったが、よく努力してこれほどの受講生を集めきってくれた。狭い雑居ビルの教室、机も取り払ってぎゅうぎゅうに詰め込まれた会場で、生徒たちも2時間目一杯楽しんでいたし、それどころか、具合の良くない講師をよく盛り上げてくれた。おおいに感謝しなければならない。ただ、「風邪をひいている」という状態の講師が、この時期の塾の中に長時間存在するのは好ましくない。「明日早稲田の教育学部、国立は千葉大を受験します」という高校3年生とちょっと言葉を交わすにつけても、「ここは迷惑をかけないように、早めに帰るほうがいい」と判断、成田発21時25分の総武線に乗って、帰宅は23時30分。

1E(Cd) Wand & Berliner:BRUCKNER/SYMPHONY No.8 1/2
2E(Cd) Wand & Berliner:BRUCKNER/SYMPHONY No.8 2/2
3E(Cd) Wand & Berliner:BRUCKNER/SYMPHONY No.9
4E(Cd) Ricci:TCHAIKOVSKY/VIONLIN CONCERTO・PAGANINI/CAPRICES
5E(Cd) Maazel & Wiener
:TCHAIKOVSKY/SUITE No.3  R.STRAUSS/TOD UND VERKLÄRUNG
6E(Cd) Dorati & Washington D.C.:TCHAIKOVSKY/SYMPHONY No.4
7E(Cd) Barenboim & Chicago:TCHAIKOVSKY/SYMPHONY No.5
12A(α) 塩野七生:ローマ人の物語 危機と克服(上):新潮文庫
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