俺はゲームの中に居るんだ!!その証拠に、街を歩いている人たちの上には、HPとSPと書かれた2本のバーがあり、さらにその上に名前と思われる字が浮かんでいる。そういえば、さっきのアリにも似たような物があったような…
俺はかなり興奮していた。だって、ゲームの中だぜ?誰でも一度は入ってみたいと思ったことがあるだろ?ゲーマーなら尚更思うはずだ。そんな場所に俺たちは来ているんだ。興奮しない訳がない!!
あれ?俺…たち?
そういえば…ユリの姿がない!!
街の中に入って、ようやく後ろを振り返ってみると、アリは居なくなっていた。そこで、俺たちは改めて街を見回した。
地面には、アスファルトではなくタイルが敷き詰められていて、家はレンガ造り、中央の開けた場所には、噴水があり、子供達が走り回っている。
そこは、とても日本の風景には見えなかった。例えるなら…まるでゲームの世界のようだ……って、ゲームの世界!?そうだ、ここはゲームの世界なんだ!!そう思うと、何だかワクワクしてきた…
はい、回想終了。
気が付くと、目の前に巨大なアリが居たわけだ。俺の隣にはユリが立っている。頭が回転し始めると、次第に恐怖が込み上げて来た。
俺は、ユリの手を取って一目散に街に向かって逃げ出した。後ろからアリが追いかけて来る気配がするが、そんな事に構っている暇はない!!とにかく逃げる、逃げる、逃げる!!こんなところでやられてたまるか!!俺たちは、走った。走って走って走り続けた。そして、ようやく街の前までたどり着いた…