「ち、ちょっと大丈夫!?」
少女の声で、俺は何とか正気を取り戻した。
「もう、大丈夫です。えっと、あの…お名前は?」
「あれ?名乗ってなかったっけ?ごめんごめん、私の名前はリン。リン・ブライトって言うの。」
その時、俺は初めて少女…リンの目を見た。リンの目は、空のように綺麗な青色をしていて、俺は思わず見惚れていた。
「ぼーっとしちゃって、どうしたの?」
「い、いやべべべ別に、なな何でもないよ。」
誰が見ても分かる、見事な動揺っぷりだった。
「ふ~ん、なら良いけど…でも、あんまり無理しちゃだめだよ?」
「大丈夫だって。」
全然大丈夫じゃない。心臓が、ありえない程速く脈打っていた。どうやら、俺は完璧に惚れちまったらしい…
少女は、綺麗なブラウンの髪を肩の下辺りまで伸ばしていて、小さな顔を覆い隠していた。髪の間から覗く顔は、小さく整っていて、とても可愛い子だった。
しばらくすると、少女がゆっくりと体を起こした。慌てて少女から目を離す。少女は俺を見て、
「良かった…やっと起きたんだ…」
そう言ってきた。
「やっと…?」
何かが引っ掛かって、無意識の内にそう返す俺。すると、少女は、
「やっとだよ…だって、いきなり倒れたかと思ったら、そのまま丸2日も寝込んじゃうんだもん…」
と言ってきた。
丸2日!?信じられない現実を叩きつけられた俺は、身体中から、力が抜けていく感覚を感じた…
「ユリ……ユリ!!」
俺は、勢いよく上半身を起こし、辺りを見渡したが、どこにもユリの姿はなかった…
周りにあるのは、本棚やタンス、椅子に机…と、どこかの部屋のようだった。しばらくすると、だんだん頭が回転し始めた。
そういえば、ユリを探していて、町外れの一軒家で倒れたんだ…
だとすると、ここはあの一軒家の中か?
そこまで考えて、ようやく俺は、自分がベッドの上に寝かされていることに気が付いた。そして、そのベッドにもたれかかって寝ている少女の存在に…