米国債の最も強力な買い手たち、一斉に退却-日本の年金基金・生保も 2022/10/11、13 | imaga114のブログ

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米国債の最も強力な買い手たち、一斉に退却-日本の年金基金・生保も
 
Liz McCormick、Garfield Reynolds、Michael MacKenzie

  • FRBはランオフ本格化、外国政府や米商業銀行の大半が身を引く

  • 買い手に乏しく、債券投資家にはさらなる痛みが待ち構える可能性

 

 

23兆7000億ドル(約3450兆円)規模の米国債市場のどこを見回しても、最大規模の買い手は退却姿勢にある。

 

  日本の年金基金・生命保険会社、外国政府、米商業銀行などはかつて米国債を手に入れようと待ち構えていたが、今やその大半は身を引いている。そして忘れてならないのはパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる米金融当局だ。9月からバランスシート圧縮を本格化し、米国債のランオフ(償還に伴う保有証券の減少)額を月間最大600億ドルに引き上げたばかりだ。

 

 

  米国債購入の常連の一つか二つが退却しているのであれば、目立った動きであっても警戒の理由にはほとんどならないだろう。しかし、皆が一斉に身を引くとなれば、懸念材料であることは否定できず、特に異例の高ボラティリティーや流動性低下、過去数カ月の米国債入札の低調などを踏まえれば、特に心配の種となる。

 

  米国債相場が今年に入り、少なくとも1970年代初め以来の大幅下落に見舞われているとはいえ、途切れることのない新たな需要が登場するまで、さらなる痛みが待ち構えているというのが、複数の市場ウオッチャーが指摘する結論だ。借り入れコスト上昇を負担しなければならない米国の納税者にとっても、これは悪いニュースだ。

 

 

  ウォール街のトレーディングデスクで30年余りにわたり債券取引に携わり、現在はミシュラー・ファイナンシャルのマネジングディレクター、グレン・カペロ氏は「中央銀行や銀行全般が舞台を去る状況にあって、米国債の新たな買い手を見つける必要がある。それが誰かはまだはっきりしないが、価格にもっと敏感であろうことは分かる」と話した。

 

 
 
 
 

過去十年間、米国債相場の大幅な落ち込みを多くの人々が予想するたびに、各国・地域の中銀を含む買い手が現れて市場を支えてきたのは確かだ。一部が賭けているように、米金融当局がタカ派姿勢から転換すれば、先週見られた米国債の短期的な相場上昇は始まりに過ぎないものとなる可能性がある。

  だが、インフレ率が過去数十年ぶりの高水準にあって、金融当局が当面は緩和姿勢に転じることはできず、今回は過去の状況と大いに異なる公算が大きいというのがアナリストや投資家の見方だ。  

  米国債需要の落ち込みの最も大きな部分を占めるのは当然、連邦準備制度だ。米金融当局の債券ポートフォリオは2022年初めまでの2年間に2倍余りに膨らみ、8兆ドルを上回った。当局推計によれば、住宅ローン担保証券(MBS)を含むバランスシートは、現行のランオフ計画に変更がなければ、25年半ばまでに5兆9000億ドルに圧縮される。

  市場をゆがめるような米金融当局の影響が後退するのは長期的に健全であるというのが大勢の見方であるものの、当局の並外れた存在感に慣れた投資家にとって状況の逆転は先鋭だ。

  クレディ・スイス・グループのゾルタン・ポジャール氏はブルームバーグのポッドキャスト「オッド・ロッツ」で、「00年以降、大量の米国債を購入する一つの中銀の姿が常にあった」とした上で、今では「インフレ動向がかつてなく不確実な情勢で、公的部門の代わりに民間部門が登場するのを基本的に期待している」と指摘した。

  それでも、市場からの退却がバランスシートのランオフの方針を長期間、事前に伝えていた米金融当局だけであれば、不安はもっと限られていただろう。現実は異なる。

  ヘッジコストが急上昇したことで、日本の巨大な年金基金・生命保険会社も米国債市場から実質的に閉め出された。米10年債利回りが4%を上回ったとしても、リターンから為替ヘッジ費用を差し引かなければならない日本の買い手にとって、実質利回りはマイナスとなってしまう。

  ヘッジ費用の上昇はドル高と並行している。ドルは今年、対円で25%余り上昇し、1972年にさかのぼるブルームバーグのデータで過去最大の上昇率となっている。

  米金融当局が8%を上回るインフレ率の押し下げのため利上げを続ける現状にあって、日本政府・日本銀行は9月に98年以来となる円買い・ドル売り介入を実施。さらなる円買い支えのため、日本が実際に米国債売却に着手しなければならなくなるとの観測も浮上した。

 
 
 
 
 
 

こうした状況は日本だけではない。世界各地の当局はこの数カ月間、自国通貨防衛のため外貨準備を取り崩している。国際通貨基金(IMF)のデータによると、新興市場国の中銀は今年に入り、外貨準備を3000億ドル相当減らした。


 

 

 

 

 

 

 

  こうした結果、従来から準備金の60%程度もしくはそれ以上をドル建て投資に回してきたような、価格動向にあまり敏感ではない投資家グループからせいぜい限られた需要が予想されるだけだ。

 

  ブリークリー・ファイナンシャル・グループの最高投資責任者(CIO)、ピーター・ブックバー氏は10日、連邦準備制度や外国勢、銀行に代わって米国債の買い手が「最終的には見つかる」と想定するのは危険だとの考えを示した。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
FOMC議事要旨、抑制的水準への利上げ支持-調整必要との声も
 
Craig Torres

更新日時 

 
 

米連邦公開市場委員会(FOMC)が9月20-21日に開いた会合では、当局者が政策金利を景気に抑制的な水準に今後短期間で引き上げ、インフレ率を目標値まで押し下げるためにその水準で維持する方針を示した。12日に公表された議事要旨で明らかになった。

  ただ、議事要旨は「特に現在のかなり不透明な世界経済と金融環境の中では、経済見通しへの著しい悪影響のリスクを和らげることを目的に、追加引き締めのペースを調整することが重要であろうと幾人かの参加者が指摘した」としている。

  FOMCは前回9月の定例会合で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.75ポイント引き上げ、3-3.25%に設定した。0.75ポイントの利上げは3会合連続だった。

 

 

パウエル議長、さらなる「痛み」への覚悟促す-積極利上げ継続へ

 
 

「インフレ抑制に向けた行動が少な過ぎた場合の代償は、やり過ぎた場合の代償よりも大きい可能性が高いと、多くの参加者が強調した」と、議事要旨は指摘。

 

  インフレ率を金融当局の目標である2%に戻すことに関しては、FOMCは意見が一致したが、幾人かの参加者は政策金利が景気抑制的な領域に達したとして注意を促したという。

 

  マクロポリシー・パースペクティブズの創業パートナー、ジュリア・コロナド氏は0.75ポイント未満に「11月の利上げ幅を引き下げることについて、非常に高いハードルを当局は設定した」と指摘。「そう判断できるようなデータは十分には出ていない」と述べた。

 

  12月以降のFOMC会合については、市場のストレスや国内経済の悪化を示す兆候にこれまでよりも政策の重点が置かれる可能性が高いと同氏は指摘した。

 

  連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード副議長は10日に「慎重にデータ次第の姿勢で前進する」ことを主張したが、今回の議事要旨はこの見方に賛同する参加者がいることを示唆している。政策が効果を表すのに時間がかかることを考慮し、リセッション(景気後退)や市場のストレス増大を引き起こすことなくインフレを低下させることが可能かどうかを見極めたい当局者だ。

 

  コロナド氏は「ブレイナード副議長だけではない」と指摘した。

 

 

ブレイナード副議長、積極利上げにおける慎重姿勢の重要性主張

 
 
 
 

  高まるインフレ圧力への対応が遅いと批判され、FOMCは1980年代以来の積極的な引き締めを実施している。ゼロに近かった政策金利を3月から引き上げ始め、これまでの利上げ幅は合計300ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)となっており、追加利上げも示唆している。

 

  アーンスト・アンド・ヤングのチーフエコノミスト、グレゴリー・ダコ氏は「経済活動の比較的緩やかな鈍化と物価動向の遅い反応を考慮し、FOMCは堅い決意を持ってさらに抑制的な領域へと金融引き締めを進めている」と述べた。しかし、「リスクバランスは急激に変化している」と指摘。「世界経済と金融市場を巡る強い不確実性は、FOMCに政策対応の調整を迫るだろう。協調なき世界同時引き締めサイクルという状況ではなおさらだ」と話した。

 

  9月の定例会合後に公表された金利予測分布図(ドット・プロット)によれば、当局者は政策金利について今年末までに4.4%、23年中に4.6%に上昇すると見込んでいる。

 

  それには経済的代償が伴うと判断しているようで、経済成長率については23年が1.2%に下方修正され、失業率は4.4%に上方修正された。

 

  議事要旨は「政策が抑制的な領域に入るに伴い、リスクが一段と二面性を持つようになると幾人かの参加者は判断した。つまり、総需要への累計的な抑制が、インフレ率を2%に戻すのに必要なものを上回るという下向きリスクの発生を反映している」と記述している。

  インフレ率は当局の2%目標を1年余りにわたって上回っており、当局が低下させられるかどうかの信認が問われている。

 

  「高インフレを根付かせず、インフレ期待を高めないようにするためには、適切に抑制的なスタンスに向けて固い決意で政策を講じることが有効だとの見方でFOMCは一致した」という。