FB木村氏の「医師の家族物語」続編が次々出ていました。
そして、
※以前の投稿の順番が間違ったようです。①②③と順番をつけて転載しました。
また、続編を転載する前に以下の木村氏のコメントがありました。
2022/9/11 17:03
コメディーで連載中の医師の家族物語
の創作動機、モチーフについて
述べてみたいと思います。
様々な場面で肩書がまだ分からない
段階で雑談なり話をしていて、
一向に今の時代を理解しない方が
時々いらっしゃいました。
いくら話をしても一向に理解しない。
こちらも次第に不愉快になってきて
「失礼ですが、お仕事は何をされていますか?」
と尋ねたら医師とか場合によっては院長だった
事が何回かありました。
なるほど、社会的にはエリートとされてきて
かつ高学歴の、このような方々がコロナ禍以来
炙り出されてきた様々な世の中の現実や本質を
いまだに理解できずにいる、いまだに対応でき
ない思考回路のままでいるという現実に驚き、
これをコメディーにして発信しようという創作
動機になりました。
真面目に論考、論述するのも良いですが、
時には手法を変えてコメディー作品にして発信
することも良いかと思ったからです。
弱い立場にある方々を叩くなら、イジメになり
ますから私はしません。
しかし社会的にエリートとされている立場の方々
を痛快に描くことは風刺となります。
それがコメディーです。
また社会的にエリートとされてきた方々の頑迷さ
や無知ぶりがコロナ禍以来の日本では如実に
浮き彫りになっています。
日本には真のエリートがいなかったという現実を
痛感し、そのような社会的にエリートとされた
代表的な存在の医師をコメディーにして作品にして
発信したら良いな、と思いました。
それが今、連載している医師の家族物語の
創作モチーフです。
また今の日本人の大人たちは2週間単位でしか
物事や世の中を思考、認識できなくなっています。
テレビ脳になっている典型的なピクチャー脳
だと言えます。
ですからメディアが騒ぐと同時に染まり、メディア
が話題にしなくなれば即座に頭からその中身が
消滅して忘れてしまう、そういう日本人の大人が
激増しました。
これでは永遠にやられ放題です。
またツイッターのような単発の短いつぶやきや
絵文字、顔文字だけでやり取りを済ます大人が
増えたためか活字を読めない大人が激増しました。
少しまとまった文章になると趣旨を把握できず、
1つの単語やフレーズに囚われて大意を見失い
瑣末な議論に迷い込む大人がそれなりの立場の
日本人にも多発するようになりました。
文章を通じて物事や世の中を連続認識したまま
次の場面に移る事ができない日本の大人が激増
しています。
抽象的思考力や形而上的なものに対する認識が
著しく劣化していると感じます。
木を見て森を見ず、ばかりでなく
1枚の葉に囚われて1本の木すら見失うような
日本の大人が激増しています。
ましてや森全体を見ることはできる筈もありません。
ですから随所で会話が成り立たないとか、
意思の疎通ができない、という状況が多々生じて
いますね。
色々な物事を感じる一連のコロナ禍以来の
2年半です。
既出記事
※投稿の順番が間違ったようです。①②③と順番をつけました。
①9/6 19:38
②9/7 8:58
③
9月8日 15:30
医師の家庭物語(3)。
早朝の爽やかな空気の中、資料作り
に励む医師の夫。
そろそろ朝食をと早朝から自部屋
でデスクワークをしている夫を
呼びに行く妻。
妻
「あなた、そろそろ朝食よ。何してるの?」
夫
「ああ、来週に依頼されている講演の資料作りさ。」
妻
「へ〜え、あなた、講師で呼ばれたの?」
夫
「団体の研修会で講師として依頼されたんだ。」
妻
「で、何を話すの?」
夫
「567液体の話だよ。」
妻
「あら。まさか推奨するなんてやめてよ。」
夫
「俺は陰謀論は興味ないからな。科学的見地に
基づいた話をするよ。」
妻
「どんな科学的見地なのよ。見せて。」
夫
「タイトルは打って打って打ちまくれ、だ。」
妻
「ちょっとあなた。本気なの?」
夫
「また朝からお得意の陰謀論かい?そういう話は
やめてくれ。」
妻
「打って打って打ちまくれのどこが科学的見地
なのよ。恥ずかしからやめてよ、そういうの。」
夫
「何だよ、また俺のやる事にケチをつけるのか。
俺は医者だぞ。お前の知らないところで研究も
してるんだよ。邪魔しないでくれ。」
妻
「ファイザーの副社長だった博士が打つなと
発表してたじゃないの。」
夫
「デマだよ。陰謀論だ。大臣もあれはデマだって
言っていたぞ。」
妻
「あなた、液体開発の責任者がそう言ってるのよ。」あなたは液体については素人じゃない。あなたより
詳しい博士が言ってるのよ。それにあの大臣、
デマ太郎と笑われているのを知らないの?」
夫
「どうせネット情報だろ?どうしてお前は明けても
暮れても陰謀論ばかりを信じるんだよ。世界中が
コロナ禍で苦しんでいるんだ!液体が世界を救う
という事がどうしてお前には理解できないんだ!」
息子の隆が眠い目をこすりながら部屋を覗く。
息子の隆
「お父さん、やかましい。朝からうるさいよ。」
夫
「あ、隆。隆は液体は打ったか?」
息子の隆
「まだだよ。」
夫
「隆、早く打ちなさい。他人に迷惑をかけたら
いけないよ。」
息子の隆
「あんなもの打たないよ。危険だって言っている
医者もいるし。」
夫
「隆!お父さんも医者だぞ!」
息子の隆
「うるさいなあ。俺は俺なりに調べてるんだよ。
強制される筋合いはないだろ。」
夫
「隆!周囲に示しがつかないだろ!藪病院の
先生の息子がまだ打ってないと周囲に知られたら
俺が何て言われるか。もっと考えろよ隆。」
息子の隆
「うるさいなあ。俺は皆んなに打たない宣言して
いるからな。言いまくってやるよ。」
夫
「隆!」
妻
「隆、それでいいわよ。しっかり自分で調べて
るんだから。お母さんも賛成よ。」
夫
「お前ら、さては俺が仕事で出ている間に一緒に
何か企んでるのか。」
妻
「情けないわね、あなた。隆だってもう高校生
なんだから自分で色々調べるわよ。情けない被害
妄想はやめて。」
夫
「こういう時いつも息子たちはお母さん側に着く
からな。親の心、子知らずだ。」
妻
「あなたが世間知らずなだけよ。」
夫
「もういい!仕事に間に合わなくなるから朝食を
食べるよ。」
そうして台所に移動していく夫と妻、息子たち。
息子たち
「頂きま〜す。」
夫
「隆、液体はきちんと打てよ。」
息子の隆
「嫌だね。打たない。」
夫
「どうしてそうやって反発するんだ。お父さんは
情けないよ。」
息子の隆
「だって液体を打ち始めてから救急車がすごく
増えたじゃないか。あちこちで倒れてるし。
中日ドラゴンズの投手も死んだじゃないか。」
夫
「隆、何でもかんでも液体のせいにするな。
因果関係は分からないんだよ。隆もお母さんの
悪い影響を受けて陰謀論者になるなよ。」
息子の健二
「プロ野球選手が亡くなるなんて普通じゃ
ないだろ。お父さんこそ賄賂でももらってるん
じゃないの?」
夫
「健二・・・・、お前まで。」
妻
「あなた、そろそろ目を覚まして。あなた毎年毎年
インフルエンザに罹るよね。私も息子たちも今まで
1度もインフルエンザに罹ったことは無いわ。」
夫
「たまたまさ。」
妻
「何故だか分かる、あなた?」
夫
「俺は忙しいからだよ。」
妻
「関係ないわ。あなただけ毎年インフルエンザ液体
を打ってるじゃないの。そして毎年インフルエンザ
に罹ってるわ。私も息子たちも1回も液体を打って
ないのよ。だからインフルエンザには罹らないの。」
夫
「いい加減にしてくれ!陰謀論だ!俺は医者だぞ!」
お前らより遥かに膨大な資料を見て臨床をしている!
毎日毎日、陰謀論を言うのはやめてくれ!液体の
回数が足りないからインフルエンザに罹るんだよ。
お前ら、俺が仕事で出ている間に口裏合わせでも
してきたのか!」
息子の健二
「お父さん、頭悪いな。」
夫
「健二!今、何て言った?あ?今、何て?」
息子の健二
「お父さん、石頭。」
夫
「健二!」
そうして夫は2階の自部屋に駆け上がりしばらく
何かを探していたようだが、息を乱して階段を
駆け降りてきた。
夫
「おかしいな、無いぞ。無い。」
妻
「何が?」
夫
「健二が俺を侮辱したから、お父さんがいかに
優秀だったかを示す証拠を健二に見せてやろう
と思ってさ。」
妻
「例の河合塾の全国模試の全国3位のこと?」
夫
「ああ。健二も再来年には受験だからな。お父さん
の優秀だった証を見せてやりたいんだが証拠の
会報が見当たらないんだよ。」
息子の健二
「あ、あれね。古新聞の束の上に置いていたから
先週の廃品回収に一緒に出したけど。」
夫
「なっ、・・・・・・な、な、な、何!?」
息子の健二
「いいじゃん、別にあんなもの。」
夫
「健二!!お父さんの思い出を何てことを!
うおおおおお、許さん!許さんぞ!」
怒りを抑え切れず立ち上がり腰に手を当てて
ミルクを飲み干す夫。
白ける妻と息子二人。
妻
「あなた、そろそろ出勤しないと。」
妻に促されて少しよろめきながら玄関で靴を履き
藪病院に向かう夫。
・・・・・さてさて、この一家、これから
どのようになるでしょうか?
つづく。