はじめまして、今回のブログを担当することになりました「ごりら」です。
40歳という節目を迎え、この春、地元の熊本を離れ、法政大学経営大学院という新しい環境に身を置くことになりました。
私はこれまで15年以上にわたり、薬剤師として現場に立ち続けてきました。私生活では妻と3人の子供に支えられながら、一人の医療人として、また一人の親として、慌ただしくも平穏な日々を過ごしていました。そんな私がなぜ、今このタイミングで学び直しを決意したのか。その背景にある思いを少しお話しさせていただきます。
現場の実直さと、構造的な限界
薬剤師の世界では、十数年前から「対物から対人へ」※1という業務の転換が叫ばれてきました。私自身、その言葉を重く受け止め、現場の一員として、ミスが許されない緊張感の中で正確に業務を行い、目の前の患者様への責任を果たすことに邁進してきました。
しかし、現場で働き続ける中で制度上の理想と日々の運営を維持するための現実との間に、乗り越えにくい壁を感じることが増えました。
現在の薬局ビジネスは、病院に近いという不動産的な優位性と、さばいた処方箋の数が収益を決定づけるという構造に依然として依存していると感じています。この構造下では、立地が良いほど絶え間ない作業に追われ患者様と丁寧に向き合うことよりも収益維持のためのスピードと効率が最優先されます。
これではいくら対人業務の質を磨いても、それがそのまま経営上の高い評価や組織の差別化として還元されにくい。現状の最善を尽くしても実直な務めだけでは、この構造的な停滞感を拭い去ることは難しい。これが私が現場で突き当たってきた現実でした。
※1 厚生労働省. "「患者のための薬局ビジョン」~「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へ~". 2015年10月. p.8. https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/gaiyou_1.pdf, (参照 2026-05-04).
経営という「武器」を取り入れる理由
今の枠組みを維持するだけでは、このもどかしさは解消できません。自分たちの仕事に自信と納得を持ち続けるためには、現場の知だけでなく、組織をどう動かしどう差別化していくかという経営の知が必要だと考えました。
丁寧な対応を単なる現場の善意で終わらせず、それが組織としての強みとして機能しスタッフの正当な待遇や成長へと好循環をもたらす仕組みを作る。そのためには、現場の外部にある視点を取り入れビジネスモデルを客観的に再構築するスキルが欠かせません。
そう考えたことが、実践知の形成を大切にする法政大学大学院の門を叩き、中小企業診断士という道を選んだ理由の一つです。
自分の「問い」にケリをつけるために
「一人の力で仕組みは変わらない」という意見もあると思います。しかし、用意された正解を待つのではなく、これまでの経験を武器に変えて、自分たちの仕事に新しい価値を見つけ出したい。
この1年間は、その可能性を確かめてみたいと考えています。
今回の挑戦は、私の中に溜まった「問い」に自分なりの答えを出すためのプロセスです。
最後までやりきるというこだわりが、今後の納得感に繋がると信じています。
家族への感謝
この選択を理解し、送り出してくれた家族には感謝の言葉しかありません。
私が東京で過ごす間、地元で家族を支える妻には大きな負担をかけてしまいます。そんな状況を受け入れ、背中を押してくれた妻には、本当に頭が上がりません。家族に支えられて得たこの時間を、必ず今後の活動に還元していきます。
精一杯、向き合っていきます。
↑3人の息子です、GWは家族との時間を過ごしました。椅子づくり体験中
最後まで読んでいただきありがとうございます。
次回の担当は「しおしおさん」です、お楽しみに!

