デッドマン・ウォーキング


1995年 アメリカ映画

監督 ティム・ロビンス

脚本 ティム・ロビンス

出演 スーザン・サランドン

   ショーン・ペン



⚫︎あらすじ


アメリカ南部で暮らす修道女のヘレン・プレジャン(スーザン・サランドン)は、刑務所に収監されている死刑囚マシュー・ポンスレット(ショーン・ペン)から助けを求める手紙を受け取ります


マシューは若い男女を殺害した罪で死刑判決を受けており、自分は無実だと主張しています


ヘレンは彼に面会し、精神的な支えとなりながら、事件の真相や彼の内面に向き合っていきます


最初は反省の色を見せなかったマシューですが、ヘレンとの対話を重ねるうちに、しだいに過去の自分と向き合うようになります


一方、殺された被害者の家族は深い悲しみと怒りを抱え、ヘレンが加害者に寄り添うことに強く反発します


最後の最後になって、マシューはついに自らの罪を認め、被害者とその家族に謝罪します


そして死刑執行の日、ヘレンは最後まで彼に寄り添い、彼が人間らしさを取り戻す手助けをします







⚫︎感想


題名だけ見てゾンビの映画かな?と思って見てみましたが、そしたら死刑囚の話しでした。


死刑囚に呼ばれたシスターは彼の願いを聞いて何とか無期懲役にしようとします。


死刑囚は森で愛し合う若者を、もう1人の男と2人で襲い、女性を2人で強姦してから2人を殺しました。


そんな男を助けようとするシスターは、殺されたカップルの家族からはもちろん、世の中からも嫌われてしまうんです。


まぁシスターという立場から、救いを求める者を救わないという選択は無いのかもしれませんが…


最初のうちは死刑囚を見て「何言ってんだ、強姦して殺した人間が!」と思い囚人を敵視して見ていましたが、囚人の母親の涙や、死刑執行の現場を見ているうちに、死刑制度ってどうなのかな?とも感じた映画でした。



【映画で気になったことば】


⚫︎教誨師(きょうかいし)

刑務所などの矯正施設で、受刑者に対して、宗教的な教えを通じて、過ちを悔い改め、心のよりどころとなるように導く人のこと。多くの場合、僧侶や牧師などの宗教家がボランティアとして活動します。 


⚫︎ロマ書(ローマ書)

キリスト教の使徒パウロが、当時ローマに住むクリスチャンたちに宛てて書いた手紙で、新約聖書の中でも特に神学的に重要とされている文書のひとつです。

キリストに従う者は、罪から解放されて新しい人生を歩む」とあります。つまり誰もが信仰によって救われるのです。


⚫︎尊厳(そんげん)

子どもでも大人でも、お年寄りでも、どんな立場の人も、軽んじられてはいけない。たとえ罪を犯した人であっても、「人として扱われる権利」がある。


⚫︎シスターのことば

死に値する罪は、姦通、売春、同性愛、聖地への侵入、安息日の冒とく、親への侮辱…


これは旧約聖書にあることばだそうです。古代イスラエル社会では、宗教と共同体の秩序を守るための掟(おきて)だったようです。現代の感覚では極端に感じますが、当時は宗教と法律が一体であったため、信仰の冒とく=共同体の破壊とみなされたそうです。


ですが新約聖書(イエスの教え)では、こうした律法に基づく「死刑」よりも、罪の赦しや悔い改めの重要性が強調されます


⚫︎アメリカの死刑制度

デッドマン・ウォーキングの舞台はルイジアナ州です。ルイジアナ州では一時死刑廃止でしたが2025年3月に再開したそうです。

アメリカ50州中、死刑制度があるのは27州で、南部の州に多く残っています。


犯罪者の尊厳…どうなんでしょう??


無期懲役で罪を償ってもらうという考えもあると思いますが、愛する人を殺された家族は絶対そんなんじゃ許せない気がします。


中でも特に違うなーっと思うのが、人を殺した犯人が精神錯乱状態だったからという理由で、無罪になる事件!


犯罪者の尊厳より、殺された人の尊厳は⁈と、考えさせられる映画でした。主演のスーザン・サランドンは映画「テルマ&ルイーズ」のルイーズです。スーザン・サランドンは考えさせられる映画によく出ていますね。