植村直己物語


1986年 日本映画

監督 佐藤純彌

脚本 岩間芳樹

出演 西田敏行

   倍賞千恵子



⚫︎あらすじ


植村直己は3000キロものグリーンランド犬ぞり単独行に挑み、久々に日本へ帰国する


東京で偶然出会った女性・野崎公子に自著を贈ることで、公子は植村のこれまでの人生を回想する


農家の次男として育った植村は、明治大学山岳部に入りながらも、小心者で落ちこぼれだったが、努力を重ね登山家として頭角を表す


卒業後はアメリカやフランスに渡り、働きながらヒマラヤやヨーロッパ、アフリカや南米の高峰を次々と単独登頂


日本山岳会によるエベレスト遠征では、命の危険や仲間の死を経験しながらも、日本人初の快挙となるエベレスト登頂を実現する


そして五大陸最高峰登頂も成し遂げ、冒険家としての名声を高めていく


だが私生活は、公子と結婚するが、次々と新たな冒険の夢に駆り立てられ、家族と過ごす時間は短かった


1974年には北極圏1万2千キロの犬ぞり単独行を成功させ、資金集めの苦労や家族の悲しみを乗り越えて、さらに北極点到達やグリーンランド横断にも挑戦する


植村の冒険は多くの人々の共感と支援を集めたが、その一方で妻の公子は孤独や苦難にも耐え続けていた


植村は南極横断や野外学校設立の夢も持つが、最終的には冬季マッキンリー単独登頂に挑み、その直後に消息を絶ってしまう





⚫︎感想


いやぁ、山男というか冒険家というか、ああいう男の人っているんですね…


最初のころ植村直己はどちらかというと言うと登山家としてはダメな人でした。それがひょんなことから、自分がエベレストに登頂してしまい、新聞の一面を飾り一躍脚光を浴びました。


結婚しても、冒険家の野心は止められず、次から次へと挑戦を続けていきます。


そして「これが最後だ」と妻に言って登った山で行方不明になってしまったんですねぇ…


映画の最後に植村直己の記録の数々がエンドロールで流れます。


1965年  24才

 ゴジュンバカン初登頂

1966年  25才

 ヨーロッパ最高峰モンブラン単独登頂

 アフリカ最高峰キリマンジャロ単独登頂

1968年   27才

 南米最高峰アコンカグア単独登頂

 アマゾン川6000キロ単独川下り

1970年   29才

 日本人としてエベレスト初登頂

 北米最高峰マッキンリー単独登頂

 〈五大陸最高峰 世界初制覇〉

1971年   30才

 エベレスト国際登山隊に参加

1974年   33才

 野崎公子と結婚

 北極圏12000キロ犬橇(いぬぞり)単独行

1978年 37才

 北極点犬橇単独到達

 グリンランド犬橇単独縦断

1982年   41才

 南極大陸横断 断念

1984年   43才

 マッキンリー冬季 単独初登頂


実績を見てもわかるように、植村直己は単独で挑戦するほうが好きだったようです。どうも危険な登山には付き物のようですが、仲間が亡くなるのが嫌だったようです。


そして最高峰への登山は登山隊を編成してチームで登って行くんですが、最後は体力と技術のある者が頂上を目指します。その人の名前と写真だけが載ることも嫌だったようです。チーム全体を愛した人だったんですね。


何か特別なことを成し遂げる人は、特別な感情があるような気がします。植村直己さんは犬橇で北極点に向かうため、念入りにプランを立て、エスキモーと一緒に暮らして、現地の食事や習慣なども学んだそうです。


登山隊の野口健さんは植村直己さんの本を読んで登山家になったそうです。最後のマッキンリー冬季単独登頂の際にはマスコミが植村直己さんに張り付くことで、十分な準備ができなかったんじゃないか?と言っているそうです。



⚫︎植村直己

1941年2月12日〜1984年2月13日失踪


なんと43才の誕生日にマッキンリーで何かがあったんですね…

兵庫県で生まれ、明治大学山岳部に入り、1番体力が無かった植村は自身でトレーニングを続け、日本人初のエベレスト登頂に成功します。そしてその後も登山を続け世界初の五大陸最高峰登頂者となります。



⚫︎植村直己の五大陸最高峰


1.モンブラン

ヨーロッパ最高峰、標高4,807m(イタリア・フランスの国境)


2.キリマンジャロ


アフリカ最高峰、標高5,895m(タンザニア)


3.アコンカグア


南アメリカ最高峰、標高6,960m(アルゼンチン)


4.エベレスト

世界最高峰、標高8,848m(中国・ネパール国境)


5.デナリ(旧マッキンリー山)

北アメリカ最高峰、標高6,194m(アメリカ・アラスカ州)


一般的に「五大陸」と言う場合は、南極大陸を含めず、人が居住可能なユーラシア大陸・アフリカ大陸・北アメリカ大陸・南アメリカ大陸・オーストラリア大陸の5つを指すことが多いです。

ですが植村の時代(1970年代)における「五大陸最高峰」というカテゴライズは、ユーラシア(アジア)、ヨーロッパ、アフリカ、南アメリカ、北アメリカの五大陸を指していました。

ちなみにオーストラリア大陸の最高峰は「コジオスコ山」で、標高は2,228メートルです。標高が低めで登山難易度も比較的易しいため、初心者も登ることが可能な山です。