ペリカン文書
1993年 アメリカ映画
監督 アラン・J・パクラ
脚本 アラン・J・パクラ
原作 ジョン・グリシャム
出演 ジュリア・ロバーツ
デンゼル・ワシントン
女子大生が書いた一本のレポートが、巨大な陰謀を暴く鍵となるサスペンス
⚫︎あらすじ
ワシントンD.C.で、アメリカ連邦最高裁判所の判事が同じ夜に2人続けて暗殺され、国中が騒然となる
ニューオーリンズのロースクールに通う法学部の学生ダービー・ショウは、この不可解な連続暗殺事件について独自に調べ、ある企業と政府高官が関わっているのではないかという大胆な仮説を一本のレポートにまとめる
そのレポートは、判事の元弟子で恋人でもある教授キャラハンに渡され、やがて司法省やFBI、大統領側近の手にまで届き、「ペリカン文書」と名付けられて極秘扱いとなる
ところがその直後から、ダービーの周囲で不審な死亡事故や爆破事件が続き、彼女自身も命を狙われるようになってしまう
キャラハンが爆発で死亡したことで、自分のレポートが本当に「痛いところ」を突いてしまったと悟ったダービーは、逃亡生活を始め、真相を世に出すためにワシントンの有名新聞社の記者グレイ・グランサムに接触する
2人は恐るべき陰謀を裏付ける証拠を求め、殺された証人の残した資料や銀行の貸金庫、政府関係者の証言などを追いながら、暗殺を指示した黒幕とそれを隠そうとする政権中枢の圧力に直面する
命を狙われながらも調査を進めた結果、「ペリカン文書」の内容は事実に近く、環境保護を無視して莫大な利益を得ようとする石油関連企業と、そこからの献金に依存する大統領側近の存在が浮かび上がる
ダービーとグランサムは、決定的な文書や証言を手に入れて新聞社に持ち込み、巨大スキャンダルとして公表する
この記事が世に出たことで企業のトップや政府高官は追及・起訴され、大統領も再選が絶望的になる一方、ダービーは身を隠して新しい生活へと向かい、グランサムは事件を暴いた記者として名を上げる
⚫︎感想
有名な映画ですが初めて見ました。
石油開発のためのパイプラインを通すと、沼地に生息するペリカンに悪影響が起きてしまいます。
そこで自然保護団体が、石油開発企業を相手に裁判を起こすんです。
その裁判で自然保護団体側に有利な判決をしそうな判事が次々と暗殺されるんです。
ロースクールに通う女生徒は「大統領とも繋がる石油開発企業側が暗殺したのでは?」という仮説を立てたんです。
この文書こそが「通称ペリカン文書」。しかしその内容があまりに合っている内容だったため、暗殺されそうになるって言う話です。
それを正義感あふれる黒人記者が、彼女を助けながら、暗殺事件の真相を明かします。
物事の予想を立てることの重要さ、新聞記者の公正性の大切さ、そしてアメリカ社会の怖さを知りました。
FBIやCIAのあり方についても考えさせられました。日本にも“ベッパン”って本当にあるんだろうと思いますね。
世論が核心に触れそうになると、別の事件を多数のメディアに流すようにと上から圧力があるのかもしれません。
世界中で、そのような秘密裏の暗殺や情報操作が行われているかもしれません…
⚫︎気になるセリフ「ニクソンの二の舞だ、イランゲートやイラクゲートもある」
1972年、共和党ニクソン政権下で起きたウォーターゲート事件のことを言っています。CIA(中央情報局)が大統領の対抗馬となる民主党の本部に潜入し盗聴器を仕掛けた事件です。この民主党本部があったのがウォーターゲートビルです。ニクソン大統領や側近は否定しましたが、不正の証拠が発覚して大統領は任期中に辞任しました。アメリカの政治スキャンダルに「ゲート」がつくのは、このウォーターゲート事件が元で、事件名がスキャンダルの代名詞となりました。
イランゲートとは1980年代のアメリカ・レーガン政権で起きた「イラン・コントラ事件」の通称です。イランは当時「テロ支援国家」とされ、そこへアメリカは秘密裏に武器輸出していました。
イラクゲートは、1990年代にアメリカのジョージ・H・W・ブッシュ政権が、湾岸危機の直前までにイラク向けの農産物援助資金を不正に操作し、サダム・フセイン政権を取り込もうとした疑惑やスキャンダルを指します。この事件は、アメリカが公式にはイラクと敵対関係にあったにもかかわらず、裏で援助資金を使ってイラクと密接な関係を築こうとしたのではないかという問題で、政治的には大きな波紋を呼びました。 しかしその後方向転換してサダム・フセインを処刑しました。
アメリカの利益にかなう、シリア・イラク・イランを合わせた地域を指すワシントンの業界用語シリアナ↓
⚫︎ペリカン
ペリカンはルイジアナ州の州鳥で、絶滅危惧種の褐色ペリカンの生息地を石油開発で破壊する利権争いが陰謀の核心です。
主人公ダービーのレポートがこの環境訴訟をめぐる仮説をまとめ、「ペリカン文書」と名付けられました。
⚫︎デンゼル・ワシントン
黒人俳優は、型にはまった知能の低い悪党という役柄か、エンタテイナー、あるいは家族で観られるコメディしか出演の機会を与えられなかったハリウッドにおいて、デンゼルは極めて独特な地位を築いた事で知られている俳優です。
新人俳優だったころ、先輩のシドニー・ポワチエに、「君のキャリアは最初の3〜4本の出演作で決まる。自分がいいと信じる役が来るまで待つべきだ」とアドバイスされ「黒人らしい」役を断りました。
その後、社会派の黒人俳優だと世間に認識され、名優としての地位を完璧なまでに築き、アフリカ系アメリカ人でシドニー・ポワチエに次ぐアカデミー主演男優賞を受賞しました。
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