十三人の刺客


2010年 日本映画

監督 三池崇史

脚本 天願大介

出演 役所広司



⚫︎あらすじ


明石藩主・松平斉韶(まつだいらなりつぐ)は、農民親子を弓の的にするなど、罪なき民を玩具のように殺戮する残虐な暴君として恐れられていた


彼の老中就任が決まったことで幕府崩壊を恐れた老中・土井利位は、御目付役の侍・島田新左衛門に「斉韶暗殺」の密命を下す


新左衛門は甥の新六郎や、武芸に秀でた浪人・平山九十郎らを次々と仲間に引き入れ、決死隊としての刺客団を組織していく


道中で山中に住む野生的な男・木賀小弥太とも出会い、彼を加えたことで、刺客は総勢十三人となる


一行は斉韶の参勤交代帰途を狙い、中山道の落合宿を丸ごと買い取って住民を避難させ、町全体を戦場として徹底的に改造する


しかし斉韶側近の用人・鬼頭半兵衛も暗殺計画を察知し、護衛を大幅に増員、刺客十三人は三百人もの兵を相手にせざるをえなくなる


やがて斉韶一行が宿場町に入ると、通りは爆薬、落とし戸、火を背負った牛などの罠が一斉に炸裂し、阿鼻叫喚の大乱戦が始まる


刺客たちは罠と剣技を駆使して次々と敵を斬り伏せるが、多勢に無勢の中で次々と倒れ、町は血の海と化していく


激戦の末、新左衛門は満身創痍になりながらも斉韶に斬りかかり、斉韶は死の間際まで自らの悪行を悔いず、狂気じみた笑みを浮かべる


多くの犠牲を払って暴君は討たれ、太平の世に忘れられつつあった「武士の大義」と覚悟だけが静かに残される





⚫︎感想


SMAPの稲垣吾郎が演じる明石藩主・松平斉韶(まつだいらなりつぐ)が、まぁ〜酷い人格の殿様でした。


人の心を持たず、女の両手、両足を切り、舌も抜き、身体を弄び捨てていました。


この暴君・松平斉韶が江戸で老中になるというから大変。


それを聞いて斉韶を斬ってくれと頼まれたのが、役所広司が演じる島田新左衛門でした。


新左衛門は十三人の刺客とともに、参勤交代の帰りを狙い松平斉韶を伐つために宿場を全て買い取って待ち伏せします。


あんまり言っちゃうと、つまらないから言わない方がいいんですけど、十三人目の刺客は、伊勢谷友介が演じる山で出会った男なんです。


ただ伊勢谷の首には刀が刺さったのに、生き延びたのが解せないんです。「俺はこんなことじゃ死なない!」って言ってたけど、いや死ぬでしょ。


役所広司の演技が上手いのはもちろんのことですけど、稲垣吾郎の憎らしいバカ殿役が上手かったです。



⚫︎ 松平斉韶(まつだいらなりつぐ)


播磨國明石藩7代藩主ですが、将軍の弟では無く、暴君でも無かったようです。

ただ、松平斉韶の後を継いだ松平斉宣(まつだいらなりこと)には映画のような逸話が残っているそうです。

斉宣が参勤交代で尾張藩を通過中に、3歳の幼児が行列を横切ったそうです。家臣たちはこの幼児を捕らえて斉宣の宿泊先へ連行しました。

村民たちは斉宣のもとへ押し寄せて助命をお願いしましたが許されず、幼児は処刑されてしまいました。

これに激怒した尾張藩は、御三家筆頭の面子にかけて、今後は明石藩主の尾張領内通行を認めないと通告したそうです。

これ以降明石藩は、尾張領内では行列を立てず、藩士たち農民や町人に変装して通行したそうです。



⚫︎リメイク作品


1963年に新左衛門を片岡千恵蔵が演じて「十三人の刺客」が上映されたそうです。当時13人対53人の殺陣(たて)シーンが話題になったそうです。そのシーンがスケールアップして13人対300人になったんですね。流石に死んでしまいそうですけどねぇ…。



⚫︎播磨國の二つの話


播磨国(現在の兵庫県南西部)には対照的な武士道ドラマが二つ生まれました。

一つは、先ほどの播磨国明石藩の藩主・松平斉宣(または斉韶)が残虐な治世を敷いたため、老中が密かに刺客を送り宿場町で暗殺する、忠義の逆転劇。

そしてもう一つは、播磨國赤穂藩の藩主・浅野長矩が江戸城で吉良義央を斬りつけたため切腹させられてしまいました。そのため家臣の大石内蔵助ら47士は吉良邸に討ち入り、主君の仇を討つという「忠臣蔵」の実話です。武士の忠義として、庶民から絶大な支持を集めました。

赤穂が「主君のための仇討ち」なら、明石は「民・幕府のための主君討ち」という、播磨国に残る対極的な二つの話しです。



⚫︎役者広司の泣ける作品紹介

赤穂浪士の話も主役は役所広司です!