整理


学校で忘れてはいけない、よく覚えろと教えられた。


人間の頭脳を倉庫と考え、知識の多さ、記憶力の優秀さが求められた。


しかしコンピュータの出現で、頭脳を倉庫と考えるのに疑問がわいた。


コンピュータには出来ない創造的人間が求められるようになったのだ。


頭脳は倉庫だけではなく、新しいことを考え出す工場でなくてはならない。


倉庫に整理は欠かせないが、工場としての能率をよくするには、どんどん忘れなければいけない。


忘れることに対する偏見を改めなくてはならない。


新陳代謝が良くなるということだ。


忙しいとは心を亡くすと書く、忙しいと頭が働かなくなり、ガラクタでいっぱいの倉庫になる。


頭を整理するのは、忘却作業である睡眠だけである。


食べ物を食べ、消化吸収したら、残りは排泄する。


忘却はこの不可欠な排泄に当たる。


勉強して知識を習得する一方で、不要になったものを処分し、整理する必要がある。


頭をよく働かせるには、忘れることがきわめて大切である。



⚫︎感想


もしかしたら、歳をとってアイドルの顔や歌が覚えられないのは、脳が勝手に判断して捨てているのかも知れません。


だって若いころに覚えていたことよりも、はるかに多くの知識が増えているような気がします。


それに高齢者は、転ばないように杖を使い、見えづらい文字を老眼鏡で読み、年金の日を忘れずに郵便局に並びます。


覚えなければいけないものが増えて、あまり意味のないものは、自然に忘却しているのではないでしょうか。


知識は栄養、忘却は排泄


これが自然の法則なのかもしれません。