暗殺の森
1970年 伊・仏・西独合作映画
監督 ベルナルド・ベルトルッチ
脚本 ベルナルド・ベルトルッチ
原作 アルベルト・モラヴィア
「孤独な青年」
出演 ジャン=ルイ・トランティニャン
ステファニア・サンドレッリ
ドミニク・サンダ
ベルナルド・ベルトルッチ監督による1970年の名作『暗殺の森』は、1930年代のイタリアを舞台に、ファシズムに加担していく青年の孤独と悲劇を描いた人間ドラマです。
⚫︎あらすじ
マルチェロは、少年時代のトラウマからくる「普通でありたい」という強迫観念に囚われています。
彼は周囲に同化するため、あえてファシスト党員となり、中産階級の娘ジュリアと結婚して「平穏で人並みの生活」を手に入れようとします。
しかし党から彼に下された任務は、パリに亡命した恩師クアドリ教授の動向を探り、暗殺することでした。
マルチェロは新婚旅行を装ってパリへ向かい、恩師とその若く美しい妻アンナに接近します。
彼は自由を謳歌するアンナに惹かれ、自分の空虚な人生と対極にある彼女たちの世界に揺れ動きます。
しかし、冷酷な組織の監視下で、彼はついに任務を遂行せざるを得なくなります。
深い霧の立ち込める森の中で、教授夫妻は暗殺者に襲われます。
マルチェロは車の中から助けを求めるアンナの視線を浴びながらも、ただ沈黙して見殺しにする道を選びます。
数年後、ムッソリーニ政権が崩壊した夜、マルチェロはかつての仲間を糾弾し、自らの過去を否定しようとします。
しかし、彼が求めた「普通」の正体は、自らの意思を放棄したことによる絶望的な孤独でしかありませんでした。
映画では光と影を駆使した圧倒的な映像美の中で、一人の男の精神的な破滅が浮き彫りになります。
⚫︎感想
第二次世界大戦前のイタリア、フランスを舞台にした映画だそうですが、面白くはないです。
私の知識不足のせいかも知れませんが、以前に見たスペイン内乱を描いた映画と似ているような、つまりその時代を匂わす記録映画的なものにも感じました。
幼い頃に大人の男性から受けた性被害により、ねじ曲がった性格になった男が、世の中になじむために、当時イタリアの主流だったファシスト党員になるんです。
そんな彼がスパイとなり、フランスに亡命している、反ファシストの元恩師を暗殺しに行く話しです。
⚫︎ファシストとは
ファシズム(結束主義)を支持する人、あるいはその政治体制を推進する組織のメンバーを指します。
元々は第一次世界大戦後のイタリアで、ベニート・ムッソリーニが率いた「ファシスト党」の党員を指す言葉でした。
⚫︎プラトンの「洞窟の寓話」
縛られ壁に向き合った人々は、影だけを見てそれを実体だと思い込んでいる。
この映画は「洞窟の寓話」の内容を伝えるものなのだそうです。
あまりよくわからないですが、イタリアではファシズムが広がり、ドイツではナチズムが広がる時代、イタリアの青年マルチェロは、国に命じられたまま、反ファシストを暗殺しにパリに行きます。
するとパリで暮らす人たちは、みんな自由に過ごしていました。マルチェロのまわりを楽しそうに踊るパリの女は美しく、マルチェロを誘惑します。
それでもマルチェロは暗殺という目的を果たします。そして後になって、あれは間違っていたと思い直すんです。そんな時代だったんですねぇ…
人は歴史を知り、後の世で時代感を知ることが出来ます。ですが今生きている時代感というものは、ゆっくり変化しているために認識しずらいものなんですね。
⚫︎ ベルナルド・ベルトルッチ
1941年3月16日〜2018年11月26日
イタリアの映画監督
詩人で作家だった父の影響を受け、15歳で詩や小説の執筆を始め、いくつかの文学賞を受賞します。
「暗殺の森」はイタリアにおけるファシズムの台頭と崩壊を描き、アカデミー脚色賞にノミネートされました。ベルトルッチの映像美学が凝縮され、特に高く評価されています。
ベルトルッチ最大のヒット作
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