雪国
1965年 日本映画
監督 大庭秀雄
脚本 斎藤良輔
原作 川端康成
出演 岩下志麻
木村功
加賀まりこ
小説「雪国」の主役・駒子を岩下志麻が演じた映画です。原作者の川端康成は日本初ノーベル文学賞を受賞した作家です。
⚫︎あらすじ
東京で妻子と暮らす文筆家の島村(木村功)は、ふらりと訪れた雪国の温泉町で、清純な娘・駒子(岩下志麻)と出会い、互いに惹かれ合う
半年後、島村が再び町を訪れると、駒子は病に倒れた許嫁(いいなずけ)・行男の医療費を稼ぐために芸者になっていた
さらに島村は、行男に付き添う謎めいた美少女・葉子(加賀まりこ)の澄んだ瞳にも強く魅了される
やがて行男が亡くなり、年期奉公の身となった駒子は、孤独に耐えながら島村への一途で情熱的な愛をぶつける
しかし島村は、彼女の純粋でまっすぐな生き方に圧倒されると同時に、自分の冷めた心や虚無感に羞恥心を覚え、東京へ帰る決意をする
その矢先、町で激しい火災が発生し、炎の中から葉子を救おうと狂おしく叫ぶ駒子の姿を見つめる
島村は雪国に生きる女たちの美しさと哀しみを心に刻み、翌日、一人静かに雪国を去っていくのだった
⚫︎感想
雪国、読んだことありません…
日本初のノーベル文学賞を取った川端康成の「雪国」の映画化です。
登場人物
島村…ただ雪国に来た金持ち作家
駒子…行男の入院費を稼ぐ為に芸者に
行男…駒子が稼ぎ、葉子が看病
葉子…看病するうち行男を好きに
島村はきっと川端康成で、俯瞰で女たちを見つめています。作品の題材にしようと思いながら見つめているのでしょう。
駒子は島村が雪国(越後湯沢)の温泉宿に呼んで抱いた娘です。最初に抱いたときはまだ、芸者じゃありませんでした。
島村は温泉宿に滞在しながら、駒子の噂を耳にします。
駒子は踊りの師匠の幼女になり、師匠の息子が行男は許嫁。
行男が病気のため、駒子は芸者になって稼いだ金を、東京の病院代として送っています。
その行男の面倒を東京で葉子が見ているうちに、行男と葉子の心は通じ合ってしまう。
つまり駒子は身を売って行雄の入院費を稼いでいるのに、行雄と葉子が好きあってしまい、行男も葉子も駒子に後ろめたい気持ちでいるんです。
それを小説の題材になりそうだなぁ…と思いながら俯瞰で見ている島村。
実は以前、高橋一生、奈緒主演のNHKドラマ版「雪国」を見たことがあります。何となく映画とは違うなぁ…と感じました。
より原作に近いのはドラマのほうで、「徒労(とろう)」と言うセリフが良く出るのに、映画では「無駄」と言うセリフになっていました。
映画とドラマの違いは、監督や脚本の違いだし、「雪国」を読んだ人の解釈や表現法の違いなのでしょう。
もしかしたら雪国は「遠く離れていても深く相手を想う愛」のようなものが、日本的だと評価されたのかもしれません。
雪国は西洋には無い虚無感と哀愁が評価されたそうです。その虚無感と哀愁を言葉の芸術により絵画のように表現した川端康成にノーベル文学賞が贈られました。
駒子は身を売って稼いだ金を行男に送り続け、ふらりと東京からやって来た妻子ある島村と逢瀬を交わします。
行男にも島村にも徒労(むだ骨)と感じます。でも、だからこそ美しいのかもしれません。
徒労の愛こそが真実の愛だとすれば、報われない気もします。そこまで愛さずに生きるほうが幸せなような気もします。
でもそれは「徒労してもいい」くらいの相手にまだ出会ってないだけなのかもしれません。
川端康成原作映画↓


