世界のニュースを日本人は何も知らない5

谷本真由美



今回も海外の情報や、また海外から見た日本の良さを再発見することができる内容でした。気になったところを少しだけ紹介させていただきます。



⚫︎ルッキズム(外見至上主義)がひどい

“人を見た目で差別する”のは良くない!とアメリカが1番言ってます。そのせいでスーパーモデルは減り、太った人や肌がボロボロな人がモデルになったりしています。

これはルッキズムによる差別が激しいことの裏返しです。実際の上流社会は金髪で歯並びのいい白人至上主義なのです。

ですが工場、清掃業、運送業、スーパーマーケットなどはルッキズムとは無縁で多様性のあるアメリカがあります。


⚫︎ロンドンの過激な排ガス策

2015年以前のディーゼル車、2006年以前のガソリン車で排ガス規制を満たさない車は12.5ポンド、日本円で約2200円払わなければいけません。

これは低所得者、高齢者、障害者も一律で、2023年8月にはロンドン中心部からエリアが拡大しています。

日本で言うと、都内だけだったのが、習志野や厚木までの地域に拡大して2200円支払わないと走れないということです。


⚫︎落ちこぼれを救済しない学校

イギリスは幼稚園から能力別選択をしています。イギリス人の親は「国が国民の知能レベルを検証して、資源を適切に分配するのは当然だと思う」らしいです。

これはアングロサクソン系の多国籍企業が証拠を積み重ね、能力が劣る社員を退職させるやり方と同じです。

良い人間を早期選抜し、ダメ人間は組織外に出す。感情ではなくデータです。

優秀な人材を早期選抜して資源を集中させることがイギリス、そしてイギリスの遺伝子を受け継いだアメリカのやり方です。

XやMetaでの超高速リストラは選抜と集中を合理的にやっているだけなのです。


⚫︎AIで失業するケニアの宿題外注業者

欧米ではかなり前から授業にPCが導入されています。小学生でもパワーポイントでプレゼン資料を提出が当たり前です。

このようにデジタル化した教育の弊害もあります。英語圏ではケニアなどの新興国の激安宿題代行業者に外注してきました。

ケニアのナンユキさんは日本円で13〜18万円稼いでいました。小論文だけでなく、IDカードで生徒になりすまし議論までしていました。

しかしchat-gptにより外注は激減しています。


⚫︎Uberはオワコン

Uberが先行している欧米では危険性が高く既にオワコン化しています。

日本のタクシーは世界一清潔で安全です。それなのに今ごろ日本はUberを導入しようとしている意味がわからないです。


⚫︎飛行機内で性交して絶賛するイギリス

イギリスの飛行機内での話しです。トイレ内で性交しているカップルを見た乗客は大歓声で歓迎しています。イギリスではこのようなことはときどき起こります。


⚫︎ステルスウェルス(隠れた豊かさ)

ファッションショーにゴミ袋を被った男性が登場しました。一般人がゴミ袋を着けて勝手に歩いたのです。しかし観客はそういうファッションだと思い観ていました。

こういう奇抜なファッションのバカさ加減に気づきはじめた富裕層はロゴや特徴的なデザインのない良い素材、良い品質を身につけるのがトレンドです。

stealth wealth(ステルスウェルス)隠れた豊かさを意味します。日本の高級な着物と同じで「見る人が見ればわかる」のがいいのです。


⚫︎AIとは何か?

「入力されたデータをソフトウェアの判断で出力するシステム」要するに「入れたものをゴニャゴニャして出す」のがコンピュータの基本です。

その中には「計算式(アルゴリズム)」が組み込まれていて洗練された答えが出るようになっています。

ところがAIには入力が必要です。自動入力できる場合もありますが、様々な分野のことは手入力するしかありません。また様々な分野の分類や意味づけなどをAIに訓練させる必要もあります。

たとえば「納豆ご飯が好きです」という文で納豆を他の単語に入れ替えた文章を推測させます。鮭、炊き込み、ゆかり、など日本で一般的に食べられる単語を入力します。ここにチョコレートなどと入ると日本の◯◯ご飯として一般的ではないので、間違ったパターンとして修正されます。


⚫︎日本の子どもは礼儀正しい

イギリスで暮らす著者の息子が日本の小学校に体験入学して思ったそうです。先生は優しく、同級生は親切だと感じたそうです。

イギリスでは新参者は警戒され、持ち物や、髪型を揶揄されるのが当たり前で、とても意地悪な子どもがいるのです。

さらに日本ではトカゲを可愛がっていたことだそうです。イギリスでは、踏み潰して殺したり、小さなものを大事にする感性のある子は少ないのです。

だから日本の小学校がイギリスに行った場合は、行動評価で全学年トップになるでしょう。

日本の子どもは礼儀や共感性がしっかりしていて非認知能力が発達しています。

これに対し認知能力は算数や国語などの試験の成績に当たります。

近年、非認知能力は認知能力よりも大人になってからの成功、社会やコミュニティの発展に影響が大きいとされているのです。


⚫︎情報戦略に長けたイギリス

イギリスは長年サウジアラビアやイスラエル、シリアなどとやりあってきた国です。だから情報操作はおてのものです。日本などは赤子の手をひねるようなものです。

日英関係を強化する時期には、テレビでイギリスの番組を特集したり、デパートでスコーンなどを販売します。

日本の世論が好意的であれば、日本政府は日英関係強化の予算が通りやすくなります。

映画「ハリーポッター」や「ピーターラビット」などは良いイギリスを世界に宣伝しているのです。


⚫︎Twitter(X)とイーロン・マスクの野望

twitter創業者のジャックドーシーは書類配送の仕事をしていました。客はどの時間帯に受け取れるのか、荷物はどこにあるのか、現在の交通状況はどうなのか悩んでいました。

そのためインターネットを使い電子的音楽ファイルを共有するサービスを考え、発展しました。

140字の文字を多くの人に拡散するのが目的でした。画像に注力しないため軽く拡散しやすいtwitterは“核弾頭を積んだ拡散器”となりました。

そのため“政治言論の拡散”や“戦争のプロパガンダの拡散”に利用されています。

軽くて使いやすい拡声器は他のSNSをはるかにしのいでいます。

マスク氏は作家やブロガー、動画投稿者などが、すべてXで活動して収入を得ることを目指しています。


⚫︎SNSは古い、これからは自動化

SNSは時代遅れかもしれません。インフルエンサーのカリン・マジョリーさんはchat GPTでバーチャルアイドルを作成して、ユーザーと自動で交流する仕組みを創りました。会話は1分1ドルで、開始1週間で1千万円以上売り上げました。

このようにバーチャルアイドルとの会話がchat GPTにより自分がいるように会話することが可能になりました。


⚫︎ポリコレやり過ぎ

最近、先進国ではポリティカル・コレクトネスな番組を配信することが当たり前になっています。ポリコレとは、人種、性別、国籍、宗教、年齢、障がいなどを理由とした「差別的な表現を正す」という考え方です。

ディズニー「白雪姫」の実写版はコロンビア系アメリカ人で褐色の肌のレイチェル・セグラーが演じます。

このように古典などもポリコレに合うように作り替えてしまっています。


⚫︎インド映画とナショナリズム

キリスト教徒とヒンドゥー教徒がイスラム国に加入する流れを描いた「ケララ物語」は法廷闘争になりました。

「R R R」では悪徳なイギリス人にひどい目に遭わされるインド人が描かれています。



おわりに、著者は「日本のすばらしさを再認識してください」とあります。

確かに欧米に情報操作されている感はあります。映画を観ていてもハリウッド映画が多く、憧れさせられているようなところもあります。もっと、日本人の誇りを持って世界に日本文化をアピールしていきたいと感じました。



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