博士の愛した数式
2006年 日本映画
監督 小泉堯史(こいずみたかし)
脚本 小泉堯史
原作 小川洋子(おがわようこ)
出演 寺尾聰(てらおあきら)
深津絵里(ふかつえり)
齋藤隆成(さいとうりゅうせい)
吉岡秀隆(よしおかひでたか)
記憶が80分しか持たない数学者と、博士の身の回りの世話をする家政婦、そしてルートとあだ名をつけられた少年の心のふれあいを描いています。
⚫︎あらすじ
母子家庭の杏子(深津絵里)は家政婦の仕事をしながら子供を育てていました。
ある日、杏子はケンブリッジ大学で数学を学んだ博士(寺尾聰)のもとで家政婦をすることになります。しかし博士の記憶は80分しかもちません。記憶が消えてしまう博士にとって、杏子は常に初対面の人でした。
ある日、杏子に10才の息子がいることを知った博士は、幼い子供がひとりで留守番をしていることを不安がり、自分のいる離れにに呼んで晩ご飯を一緒に食べることを提案します。
翌日、杏子の息子(齋藤隆成)と対面した博士は嬉しそうに頭をなで、彼の平らな頭から√記号のようだと言い、「君はルートだ」と名づけます。
そんな3人の様子を母屋から博士の義姉(浅丘ルリ子)は複雑な顔をして見つめていました。
博士はルートをとても可愛がり勉強を教えたり、野球を教えたりしました。
⚫︎感想
家政婦さんが心を閉ざしてしまった義理の姉の心を開く物語。
どんな状況にも、柔和に包み込むような優しさで対処のできる家政婦の対応力がすごい!
最後に「時は流れず」という言葉をルートこと吉岡秀隆は黒板に書き記します…
いま映画を観終わったこの感動をどのように伝えようか考えています…
難しい数学も博士のような人がそばにいてくれたら好きになれる気がします。
感受性の強い10歳のルートにとって博士は父親の役目をしたのだと思います。
義理の姉と、義理の弟である博士は愛し合い結ばれて子供を宿しました。しかし義理の姉が誘った車の事故で義弟は記憶を80分しか持たなくなってしまうのです。
その義姉の罪の意識をも、第三者である家政婦がやわらげて新しい関係性が作られていく。
こういう第三者の介入があってはじめて、やわらぐ関係性ってきっとありますよね…
難しい家族関係だったり、難しい友だち関係だったりも、もしかしたら第三者が解決してくれるのかもしれませんね。
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