椿三十郎
1962年 日本映画
監督 黒澤明
脚本 黒澤明
出演 三船敏郎
仲代達矢
加山雄三
小林桂樹
藤原釜足
田中邦衛
黒澤明監督による時代劇です。前年に公開された映画『用心棒』の続編的作品とされています。前回は桑畑を見て“桑畑三十郎”と名乗りました。
⚫︎あらすじ
江戸時代、徳川末期の城下町を舞台に、腐敗した藩政を立て直そうとする9人の若侍が集まります。
若侍たちが密談していたところへ、名無しの素浪人が現れ、彼らを助けるために加勢します。
素浪人は、御家騒動の黒幕が城代家老ではなく大目付の菊井であることを見抜き、血気盛んな若侍たちの軍師となり数々の難局を乗り越えていきます。
⚫︎感想
黒澤明監督の『椿三十郎』はじめてちゃんと観ました。
椿三十郎って言う名前じゃないんですね!
高貴な奥様から名前を聞かれた三船敏郎が、庭に咲いているツバキを見て、自分の歳が30歳ぐらいだったから、適当に『椿三十郎』って名乗るんです。名乗った後に、もうすぐ四十郎(よんじゅうろう)だな、って言うんです。
最初の場面は、寺に集まって討論する九人の若い侍たちです。その中には若い頃の加山雄三や田中邦衛がいます。彼らの話を聞いていた三船敏郎が「うるせえなぁ、寝てられねぇ!」と言いながら出て来てストーリーがはじまります。
そして訴えに行く若い侍たちの軍師になるんです。諸葛孔明のように頭がキレて、しかもめっぽう強い。そして女性には優しいんですねぇ。
椿三十郎は悪党に捕まっても、決して焦らず知略を効かせてピンチを乗り切ります。
椿屋敷から流れてくる椿の花の合図を待つ若い侍たちを見せて、俺が合図しないと襲いかかるぞと威(おどし)を掛けます。
そして見事に難局を乗り越えた椿三十郎に仲代達矢がどうしても対決を挑みます。
鮮烈なラストシーンがこちらです!
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⚫︎黒澤明
1910年3月23日〜1998年9月6日
日本の映画監督。
「世界のクロサワ」とも呼ばれ、生涯に30本の映画を制作しました。映画製作に対する厳しい姿勢から、「完全主義者」「黒澤天皇」とも呼ばれています。
1951年に『羅生門』が、ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞して日本映画が国際的に認知されました。そして映画監督として初の国民栄誉賞が贈られました。
金獅子賞は、日本では黒澤明監督の「羅生門」(1951年)、稲垣浩監督の「無法松の一生」(1958年)、北野武監督の「HANA-BI」(1997年)が受賞しています。