第10部 ブルー・スウェアー 第18章 あの夜の出来事 | ブログ小説 第10部 ブルー・スウェアー
愛那はメモをみながらあくる日、私鉄にのってあずさの部屋に訪ねていった。とにかく真相を知らなくては・・・。愛那は少し重たいお腹を恨めしく思いながらあずさの部屋を訪ねていった。あずさのマンションはオートロックマンションだった。
愛那は部屋番号を押して呼びだしのインターホンを鳴らしたけれど、応答はなかった。愛那はため息をついた。折角きてもでないし、不安だし・・・。愛那はもう一度、部屋番号を押してインターホンを鳴らした・・・けれど、何の返答もなかった。
(・・・どうしよう・・このまま引き返す訳にもいかなし・・・)愛那は立ち尽くしていた。今日はとてもよく晴れていた。ふと脳裏に直美の顔が浮かんできた。最後に連絡がきたのは1年以上前だった。自分のことを覚えているだろうか?と愛那はふと思ったけれど、忘れる訳はないよな?と思いながらも勇気を振り絞って直美に電話をかけたら思いの他すぐにつながった。
「・・・もしもし?」直美の懐かしい声が飛び込んできた。
「・・わ、わたし」
「愛那?元気!?」直美は屈託のない声でいった。
「・・・うん」
「元気ー!?」直美は久しぶりに突然かけてきた愛那に思いの他、オープンに心を開いているかのようだった。前のどこか陰気のあるような直美ではなかった。どこか別人のように明るくなったような気がしていた。
「・・・」愛那は元気だよと嘘でも言い返す元気もなく黙りこんだ。
「急に愛那から連絡を寄越すなんて珍しいねっ!なんかあったの?それともハッピーな連絡かな?」直美の明るさは今の愛那には暗と明のくっきりとしたコントラストのようなものさえあるような気がしてならなかった。
「・・・」
「今、どこにいるの!?」
「あずささんのマンションの前・・」
「あずさ先輩の家ってこと!?」直美は急に合点がいった。
「なんで!?まさか親交があったなんて驚きよっ!」直美はまさかといわんばかりに驚いた声でいった。
「私も来たくはなかったよ。運命って残酷よ!」愛那は今にも泣き出しそうにいった。
「えっ!?ホントにどーしたのよ!!今から行くよ!どこかで会いましょう」直美はぐずる愛那に驚きながら、機転をきかせてすぐにいくよといわんばかりにうなづいた。
「・・・」
「久しぶりに愛那から電話がびっくりしたけれど、毎日がつまんなかったからよかったよ!」直美はとても平和で幸せそうで愛那は内心、少しいらっときたけれど、黙っていた。
「じゃあ、今から支度をするから、あと2時間後でいいかな?」
「・・・うん!」愛那は力なくうなづいた。

p.s
今日は原稿書き!!
何気に急がないと〜。
新作「ティアレ〜秘められた心中〜」の舞台は多摩川✨✨
駅は新丸子駅🚉ということで、今度、新丸子に行き、多摩川を歩いてみることに決めた💕すごい映像が何度も浮かぶんです。。多摩川沿いの下町のような所がポイントとなる今回の作品。