第14章 ブルー・スウェアー 第14章 あれから | ブログ小説 第10部 ブルー・スウェアー
ー5年後ー

スーパーのカートに子供を乗せて、鈴華は子供とに歩いていた。
「ママ!ソーセージを買って!あれが欲しいよぉ〜」鈴華の娘、神崎もえはソーセージ売り場に並べられているアニメのキャラクターのソーセージを指さした。
「もえちゃん、またあれにするの!?絶対に食べ切らないでしょ。シールが目的でしょう」鈴華はまたかぁーと言わんばかりにソーセージを手にとった。
「うん!シールが欲しいの!」ゆりは指をさしながらいった。
「ゆりちゃんはシールだけ集めて食べないからママはそういうの嫌いよ!」
「ちゃんと食べるから、ねぇ、買ってよ」ゆりは駄々をこねるようにいった。
「しょうがないわね!ちゃんと食べるのよ。無駄にしたら二度と買わないからね!」鈴華がそういうとゆりはうんとうなづくとキャラクターの絵のついたソーセージをキャリーカートの中にいれた。
ゆりは電動自転車の後ろに乗せられて自転車の前の籠には買い物をした大きな荷物をつけながら自転車を漕いでいた。向かった先は少し古びた市営団地の駐輪場に自転車をとめるとゆりを自転車からおろし、荷物を両手にかかえると、重たそうにかかながら階段を登って3階まで上ると、荷物を地べたにおいた。
「はぁー、疲れた!」
「ママー、早く鍵開けて!」ゆりは鈴華を急かすようにいうと、鈴華はポーチから鍵を取り出して、ドアを開けた。

鈴華は淡路島にある市営団地に住居につくと、2LDKの部屋は子供がいる生活感に溢れていた。
鈴華は洗濯機を回し始めた。
「はぁー、疲れた・・・」鈴華は疲れてめまいがしたけれど、気を取り直した。部屋の向こうでゆりが早速人形を取り出して遊んでいた。
鈴華はキッチンで洗い物を始めた。
鈴華が淡路島に越してきて早、4年が過ぎようとしていた。
俊也は今も靴職人として働いていたがそれだけでは家が回らずに、兼業で警備会社で夜は働いていた。
鈴華と俊也には今年3歳になる神崎ゆいという娘がいた。
けして裕福とはいえず、横浜の親は俊也との結婚にはむしろ反対だった。出来れば親元においておきたかったのに2人の結婚には正直いい顔はしなかった。それでも鈴華の熱意に押されて両親はしぶしぶ認めざる得なかった。
鈴華はそんな両親をよそに今の生活は自分が選んだ道なのだからそれはそれで納得していた。何不自由なく、暮らしていたけれど、今の暮らしはそんな日々とはかけ離れていて、生活感にあふれていた。