第10部 ブルー・スウェアー 第13章 壊れた絆 | ブログ小説 第10部 ブルー・スウェアー
「東京からきたんですか?」
「はい、出張できました!明日には戻らなきゃいけないんで、ほんとにあなたに遭遇できてよかったです!」
「まさかこんな風にお会いするなんて・・」俊也はバイクをおしながら、鈴華はゆったりと歩きながら歩いていた。
「きっと、これも、何かのご縁ですわ!」鈴華はくぐもった声でいった。
「そうなんですかね?きっと・・」俊也は鈴華が明日東京に帰ると聞いて思わず愛那を思い出してどこか複雑な気持ちになっていた。
2人は話しながら歩いていくと店の前まできていた。俊也はシャッターに鍵を差し込むとシャッターをガラッと開けると、修理にだしていた鈴華の靴を紙袋にいれてもってきて鈴華に差し出した。
「ありがとうございます」鈴華は丁重にお礼をした。
「帰りは大丈夫!?」
「あっ、はい!歩いて帰ります」
「怖くないか?夜道を1人でまた歩くのは・・・」
「・・・ちょっと怖いです」鈴華は本音を伝えた。
「バイクって怖くないですか!?」
「・・・あっ、そうですね。あまり乗ったことはないですが・・・でも免許はあるので、そんなに怖くないですが・・」鈴華がそういうと俊也は店に再び戻ると、ヘルメットを取りに戻ると、鈴華に渡した。
「・・・?」
「送るよ、バイクで。タクシーもこの田舎じゃほとんどやってないよ。少ないから・・・」
「バイクで送ってくれるんですか?」
「東京からきた人が宿泊する場所といえば、シティーホテルですよね!?」
「あっ、はい。どうして知っているんですか?」
「どうしてって!?そこしかないから・・」
「そうなんだ・・」
「うん」
俊也と鈴華は話しながら歩いているとあっという間にホテルに辿りついた。
「今日はありがとう!これ助かりました」鈴華はそういうと紙袋をかざしながらいった。
「いいえ、そんなこと大したことじゃないし・・それより、大丈夫!?」
「えっー?」
「さっきのこと・・・」
「うん、大丈夫です。むしろ私がお礼をいわなきゃいけないわ!!助けてくださってありがとう。あなたがいなかったら大変なことになっていたわ!」
「・・・うん」
「またお礼させて下さい!今日のこと」
「別に礼をいうほどじゃないよ!」
「ううん。命を助けてくれた恩人だし・・」
「大袈裟だよ!」
「そんなことないよ!」
「そんなことあるわ。だってあなたがいなかったら、ひょっとしたら生きて帰れなかったかもしれないじゃない!?」
「・・・」俊也は優しく微笑んだ。
「必ず何かしらお礼をしたいです。連絡先教えていただけませんか?」
「店に連絡してくれたらいいよ!ホームページにも出ているし、俺しかみないからさ」
「そんなんですね!じゃあ、また連絡させていただきます」
「・・・うん」俊也は優しくうなづいた。
「わざわざ、送ってくれてありがとうございます!!」鈴華は丁寧にお辞儀をした。
「大丈夫よ!ヒマだからさ。明日戻るんだよね?」
「はい!」
「お元気で!」俊也がいうと鈴華は一瞬寂しそうな表情(かお)になった。
「はい、ありがとうございます」
「じゃあ、また」俊也は一声そういうとバイクに跨がろうとした時だった。
「あの・・・」鈴華の声に俊也は後ろを振り返った。
「・・どこかでお会いしたことなかったですか?」
「いや・・・」
「似たような人をみたことがあったような気がして・・・」
「僕はあなたを初めてみますけれど・・」
「そうですよね。前に見たことがあったような気がして・・・変なこと聞いてごめんなさいね!」
「・・・全然大丈夫です」
「じゃあ、お休みなさい。ありがとう」
「・・はい!」鈴華はうなづくと振り返ってロビーに戻ろうとして、またゆっくりと振り返ると、俊也はバイクにまたがって立ち去っていた。
「・・・」鈴華はバイクで立ち去っていく俊也の後ろ姿をみていた。

p.s
ここ最近、、よいアイデア💡がどんどん湧き上がってくる〜☆不思議なほど降ってきたり、湧き上がってきたり、ネタがないということがない。
今、迷っているのが3年後というもので愛那に子供がいるかいないかということが悩んでいます。ゆっくりとゆっくりと進めていきたいと思います。まだアップされていないですが、、この先にぷちメイゴンがあります。

「俊也君とは何年も一緒だったじゃない。あんたの青春時代は俊也君だったのよ!何年も積み重ねたものを一過性(ひととき)の気の迷いで壊す訳!?」直美は怒りながら愛那にいった。
「何年一緒にいたって、運命には勝てないよ」