「今日から君たちは我が社の一員であると共に、社会人としてスタートしていく訳で・・・我が社の社員としてもそうですし、また社会人としての自覚をしっかりと持ってこれから暮らして欲しいと思います!社会人としての自覚をしっかりともって、我が社の一員として会社にもしっかりと貢献して欲しいと思います」山影不動産の社長の水島恵一は高らかに鼓舞するような賛辞を述べるとのべ20人くらいの新入社員と迎い入れる社員らが拍手をした。
愛那も約20人の新入社員に紛れて拍手を送った。初めて着るなれないスーツをきて、それぞれのコがいた。
愛那は淡路島にある地元の山影不動産という会社に事務職として入社した。
愛那の同期となるコは約20人がいた。
形式的な入社式が終わると愛那は簡易的なオリエンテーションを済ませると帰ろうとした時だった。
「ねぇ・・・」愛那の背中に声がしたから振り返ると愛那の隣に立っていて、同じ事務職で入社していた、松下結衣がいた。
「あなた事務職だよね?私も一緒だから同期だよね?」
「はい!」
「ちょっとお茶でもしていかない?」結衣は見たからに今ドキのコといった感じだった。
「いいですよ!」愛那も無意識に咄嗟に返事をしながら、知らないコと入社式の帰り道に一緒にお茶をすることになるなんて夢にも思わなかったとつくづく思った。
愛那と結衣はシティー淡路島の中にあるカフェ☕️で対峙した。
「なんか退屈な入社式だったよね・・」結衣は着慣れないスーツ姿のようだった。
「まぁ、そんなものよ!」
「今日の為にチャパティだった髪の毛もしっかりと染めてきたし・・。なんか務まるのかなぁって?!あんな型苦しい箱に閉じ込められるのよ!」
「・・・」愛那はどう言葉を返していいのかわからずにいた。
「なんか続かない気がする」美夏は頬杖をつきながら自分に自問自答するようにいった。
「始まったばかりじゃない?今からそんな風に言わないでくださいよ」愛那はぞんざいな態度をとっている結衣にやんわりといった。
「インスピレーションって信じる?」
「・・・?」愛那は思わず首を傾げた。
「私ね、直感型なんだ。いつも直感だけで生きてるんだよね?」
「私は別に・・・何も感じない!」
「あなたはね、直感型じゃない。優等生タイプ。白線からはみだしたりしないタイプなのよ!」結衣は初対面の愛那の目を下からジロリと見上げるようにいった。愛那は心の中を見透かすようにいった。
「・・でもまだあなたは自分でも気がつかない、隠された本性に気がついていないわ!」
「隠された本性・・・」
「あなたはまだまだいい子を演じてきたんだと思うな」
「・・演じるだなんて!いい子でもないよ!」
「私ね、こないだ前まで、占いのバイトをしていたのよ!だからなんとなくわかるのよ!」
「そんな風に見えないけれど!」
「はっちゃけてるからね。派手に見えるのよ。でもこうみえても彼氏もいなし、中身は古風なのよ。だからなんかこの会社に長くいない気がする・・」
結衣は自分自身に言い聞かせるようにいった。
「・・・そうなんだ?!」