「・・・」愛那はうるうるした瞳で夕陽を見つめていた。
「俺はおまえを絶対に幸せにしてみせる!!どんなことがあってもだ!」
「・・・」
「いいか、俺について・・・きて・・くれないか?!」俊也は途中の・・きて・・・くれないか?という件のあたりから急に声に針がなくなってトーンダウンしていた。それが俊也らしいと思った。いつだって豪快に振舞っているのに、肝心な時には急に大人しくなるクセは俊也の性格だった。
「いいよ!」愛那はすぐに返事を返した。
「えっ?」俊也は思わず愛那の方を見つめた。
「・・ついてくよ!」愛那がそういうと俊也はこわばっていた表情(かお)からだんだんやわらいだ表情(かお)に変わっていった。
「ホントか?ホントか?」俊也は今さら嬉しそうに繰り返した。
「あたり前じゃない?」愛那は心の中の動揺を隠さずにいった。俊也はこわばった顔からホッとした顔でいった。
それがとても可愛らしく愛那には思えた。ホントはとてつもなく緊張していたのだ。そう思うととても可愛らしく思えてきた。
「俺は今日お前に言った事は一生破ることないよ!!絶対に!」俊也は愛那をまっすぐに見据えると真摯な顔でいった。その真剣さに愛那は改めてドキッとした。そのドキッとした気持ちを紛らわすように愛那は思わず、プッとなって笑った。あまりに真剣だったからやり場がなかった。こんなに真剣だった俊也は見たことがなかった。
(・・・何なの?)愛那はしどろもどろにたじろいだ。
「俺はここでお前にいった誓いは決して気取って、かっこつけていっている訳じゃない!!一生守るつもりで言っているんだ。真剣になるのはあたり前じゃないか!?」
「・・・」愛那も少しびっくりしたような表情でいうと、俊也も我にかえった。
「・・・ごめん。でも、今日のおまえに言った誓いはどんな事がこの先、あろうとも俺は守るから!」