俊也は愛那の手を握りながら祈るように目を瞑っていた。
コンコンッ。部屋をノックする音がした。俊也は目を開き、扉の方を向くとドアが、そろぞろとゆっくりと開いた。そこには直美が立っていた。
「あっ、どーも」直美は俊也に軽く会釈をすると、俊也も軽く会釈をした。
「まさかこんなことになるなんて・・」直美も意気消沈をした鎮痛な面持ちでいった。
「・・・」
「でも一命を取り留めてよかったです。もし、何かあったら、ケンカしたままなんてやだったから!」
「まだ意識が戻っていないですが」
「・・・こんなことになるなんて。ニュースでみてびっくりしました」直美は青白い顔でいった。
「・・・」
「ホントは私が愛那に別れを告げなくてはいけないと思っていたのに、何も言えないなんて、さみしすぎるよ」
「・・別れって?」
「私、淡路島を離れて、東京にいくことにしたんです。だから愛那にはちゃんとお別れを言おうと思っていたのに・・・」
「・・・そうなんだ」
「こんなことになるなんて・・・」直美もがっくりと肩を落としながらいいながら、近くの椅子をもってきて愛那の反対側に座った。
「・・気にしないで東京へいってくださいよ。意識が戻ったらあなたのこともちゃんと伝えますよ!」
「ホントは愛那にいいたいことがたくさんあるんですよ!」直美は感極まって泣きそうな表情(かお)でいった。
「僕だってありますよ。一緒に金沢にいくはずだったのに!!」
「なんか残酷ですよね。運命って!こんなことに巻き込まれてしまうなんて!」
「そんな風に言わないでくださいよ。誰よりも愛那がつらいんだから」俊也もやりきれないような顔でいった。
「あ、そうですね。そんな風にいったら可愛そうですよね!」直美の言葉に俊也は内心かちんときたけれども敢えてスルーをした。
「でも愛那は羨ましい。こんな風に心配してくれる人がいるなんて!」直美はうまい具合に話題をすり替えた。
「心配することしかできないですから!」
「・・私なんて心配してくれる人さえもいませんから!」直美は皮肉をいうようにいった。
「そんなことはないでしょう!!親がいるじゃないですか?」
「親だけなんて寂しくないですか?愛那はこんなに心配してもらえるなんて羨ましい限りです!」
「今は心配するしかないんです!これしかできないなんて・・情けないですよ。何にも出来ないんですよ。できることなら命でも変わってあげたいくらいですよ!それさえもできない。悔しいですよ!」俊也はくちびるを噛み締めながらいった。
「・・もし、もしも、愛那の意識が戻らなかったら?それでも・・一緒にいるんですか?」直美はとまどいながらも、それを口にだしていいのか迷いながらもゆっくりと言葉をだした。
p.s
あー、疲れた。もう万年の口癖。
今日もテーマがあの言葉にだすこともはばかられる「◯◯家系」の原稿を書いていたら、やっぱりゾワゾワとした。なんか来ました!!
でも今、ケーキ熱も石けん熱もキャンドル熱もだいぶ落ち着いて、かなり落ちついて原稿に迎えて、意外と快適💖破滅しそうなくらい情熱があったとき、すごい大変だったから、だいぶ落ち着いて、よかった。やはり、好きなことは穏やかにやることが大事だなぁーって思いつつも、少しづつやっていこーと思います!
名作をかきたいです!
とにかく名作を!