第10部 ブルー・スウェアー 第4章 余生 | ブログ小説 第10部 ブルー・スウェアー

「こちらは事故現場です。生々しい血痕が残されています!目撃者の証言です!」ニュースの時間でインタビュアーが目にモザイクをかけられた年配のおばさんにマイクを向けた。

「なんか、カーチェイスのように凄いスピードでなんかみてるこちらまでま何が起きているのかわからないくらい凄いスピードだったんです!」

「どちらの車がですか?トラックですか?それともワンボックスカーですか?」

「ワンボックスカー。なんかオープンカーのふたり組の男たちもまるで追従するようにおっかけていって<ふっざけんなー!!>って言ったりしていて、でも何振り構わずって感じで、もう怖かったですよね!」マイクを向けられた女性が怯えるような口調でいった。

「でもどうしてそんな猛スピードを出していたんでしょうか?」

「さぁ、わからないけれど、普通じゃないって感じでした。異常だった」急にインタビューを受けた女性は最後は涙声で訴えた。そして番組は再び、事件現場に映像が戻った。

「この3名の死者と3名の意識不明の重傷者をだしたこの忌まわしい事故が何故起きてしまったのか?トラックの運転手と、またその事故を引き起こすきっかけを作ったもう一台にのった2人にも容態が回復次第、事情を聞く方針です!以上、現場からお伝えしました!」レポーターは淡々とした口調で事故のあらましを伝えた。俊也は愛那の自宅で健三と呆然となりながらニュースのあらましをみていると、次のニュースに映った。俊也と健三は終始言葉を失っていた。

「嘘だろっ!!」俊也はニュースをみながら呟いた。

「・・・」健三は下をむいて言葉を返せなかった。

「愛那はまだ意識不明なんですよね?」

「・・あぁ・・」

「3人亡くなって、3人意識不明って。運転してた人は?」

「・・・亡くなった」