「お父さんがどれだけ頑張ってきたかよくわかっているわ。お母さんが私を残して亡くなったことがどれだけ辛いことかってわかっているつもり。だから俊也さんときちんとした家庭を築いてお父さんを寂しい思いをさせたりは絶対にしないわ!それが俊也さんは少し子供っぽい部分もあるけれど、とても真面目なのよ!安心してよ」
「そうだな。とてもいい人や。あんなに明るくて、根がいい人だから、いい人に嫁ぐことに年齢など関係ない。おまえの幸せを第一に考えてやらないとな!おまえが幸せならそれでいい」健三は愛那をみて満面の笑みを浮かべた。健三はそういうと明るく振る舞いながら、ごはんを食べ始めた。愛那も自分の感情を出さないように黙々と食べ始めた。
「今日からうちの仲間たちに加わった新卒達だ。そして今日から君たちの先指導してくれる先輩たちだ。さっ、自己紹介してもらおうか?じゃあ、一番左から!」10名近くの先輩社員たちは1人ずつ挨拶をしていると5番目に前に一歩たち挨拶をした女性社員に愛那は何故かじっと見入ってしまった。
「私は入社4年目の宮永奈緒と申します。よろしくお願いいたします!」型通りの挨拶をすると、新入社員たちは皆、拍手をした。愛那は特に何の理由もなかったが、宮永奈緒という先輩社員に何となくみてしまっていた。それは無意識というものなのかもしれないが、不思議なほどのシンパシーを感じていた。いつしか自己紹介を終えると先輩社員達はそれぞれ持ち場に戻っていた。愛那は可愛らしいながら、どこかすごく落ち着いていて、浮ついた所が全くない人だと愛那は何となしにみてしまっていまっていた。
「今日から、君達は研修だから別室に移動しよう」そういうと5名の新入社員は別室に移動しようとしたときに愛那はなぜか惹きつけられるように、奈緒を目で追っていたが、すぐに別室に入った。
愛那は研修室でパソコンでむかいあいながらシステムの研修を受けていた。ある程度の情報処理のシステムを習っていたせいか思ったより難しくないと思った。隣には昨日、噛み合わない会話をして、ムッとした顔で帰った結衣がいた。愛那は淡々とした顔でふと窓の外をみると、小高い丘の上から淡路島のタコぶねが海の向こうにどんどん小さくなっていくのがみえた。
(こんな所から海がみえるんだ・・)タコ船は明石海峡を超えて神戸に向かっていくのがみえた。何もなく、長閑で青い緑が果てしなく広がっていくのを当たり前の光景のようにみていた。
(本当に何もない街だわ)
コンビニさえ疎らで何もなく、青い海がどこまでも映えている光景をじっと眺めていた。
「おっ、及川くん、疲れたのかな?」教育係の前田が外をぼっーと眺めている愛那に問いかけると、愛那は我に帰ると慌てて前をむいた。
p.s
ここ12月からねずっぱりでしたが、ここ最近、やる気が戻ってきて、ようやく三ヶ日にして、外にでました疲労が想像以上に根強くありましたが(相当無理だったみたい)、、あれからもずぅーと寝っぱなしで大丈夫だろうか?と自分に言い聞かせてましたが、、、今日、初詣に行きました。3が日だというのに、すごい人でした!!