第9部 幻(フレア) 第21章 運命 | ブログ小説 第10部 ブルー・スウェアー

壮一はとても穏やかな表情(かお)でいった。悠人はどうしていいものか、小さなビニール袋にいれられた添田の遺灰をせつなくて、やるせない面持ちでみていた。悠人は訳もなく涙ぐみそうになった。迷いながらもゆっくりと手に握りしめた。

「・・すまない!でも、海に遺灰を撒いているとき、どうしてもあなたにも一部を渡さなければいけないと強く思ったりしたんですよね。きっと息子がそうして欲しいと言っているような気がしてね、ホントにこんなお願いするなんて、そんなお願いできる身分じゃないことは重々にわかっているんですが、あんな息子ではあったけれど、どうか気持ちを汲んで貰えないだろうか?」◯◯は逆に悠人を諭すようにいった。

「僕にどうしろと?こんなものを渡されてどうしろというのでしょうか?」

「・・・あなたが海に撒いてくださったらいいなと急に思ったんですよ」

「僕の人生に散々迷惑をかけておいてですか?」悠人がそういうと、◯◯は急にかしこまったように俯いた。

「息子さんはなんであんなひどい勘違いをしたんでしょうかね?」悠人はむっとしながらいった。

「・・・そ、それは・・・全ては私に元凶があり、責任があると思う」

「でもあなたは見て見ぬふり、知っていても知らぬふりをしていたんですよね!」悠人がいうと壮一は黙りこんで、口を一文字に結んでいた。

「息子がこんな凶行に走ったのは元わといえばあなたのせいだ。どれだけの人が傷ついて犠牲になったと思ってんだ?息子は一回刑務所に入って、留置所で自殺したけれど、あんたは何も償わないの?最期に本当のことをいって、息子を死に追いやって、事件を有耶無耶にして、最後はいい人ズラするの?」悠人は思った事を強くいった。

「・・・きっと私は死んで罪を償うのだと思う。この人生で償えなかったとしても、きっと死んだあとにすべてをみていたものから裁きを受けるんだと思う!」壮一はまるで達観したような、どこか悟りを開いたような表情(かお)でいった。

「死んで償う?口ではいろんなことをいうもんだな」悠人はクスッと鼻で笑った。

「息子があんな風になったことは私の責任だということは重々承知してる!」

「でもあんたはいろんな人を欺いて、だまして、傷つけてきたんだろう?」悠人は周囲の目も憚らずに大声でいった。

「・・・・」

「そうですね。今さらどうすることもできない」壮一は諦めたようにいった。

「何も償わないのですね!」悠人はムッとしながらいった。

「この人生では。でも、息子はどんなに謝っても許されることではないことは重々承知していますが、息子の遺骨を預かってもらえませんか?それかあなたの手で海に撒いてもらえませんか?」壮一は非難されながらも、悠人にそれでも優しくめげずに語りかけた。悠人は黙っていた。

「・・・わかりました。なんで被害者が加害者の供養をしてあげなきゃいけないんだよ?詩織が亡くなった時は何もしなかったくせに!!」悠人の言葉に壮一はいたたまれなくなって思わず椅子から立ち上がった。

「ありがとう。きっと、息子もそうしてくれることを望んでいるような気がしているんですよ!」それだけいうと壮一は立ち去った。

悠人は粉末になった粉をみて、気持ち悪さがひたすら込み上げてきた。

「お、おえっ」


p.s
なんかとってもディープでした。
お昼に興奮ぎみに、かいてしまいましたが、、なんか急にすごく重大なことがわかったんですよね。ずっとわからないでいたことなのですが、、。ここ最近、微妙に物理的結果が出ているんですよ。今回もわかったことは結果を出すのでしょうか?
ちょっと実験をしてみようと思います。 アロマも資格の為に勉強して以来、すっからかんに忘れてしまっていたのですが、また勉強しようと思ったこの頃でした!今日の幻はとってもディープですよねっえーあともう少しでファイナルですっ!!