第10部 幻(フレア) 第20章 幻 | ブログ小説 第10部 ブルー・スウェアー
みずほは父親の死の真実を知って立ち直れないでいた。よろよろと点滴を鞭打った身体を引きずるように廊下を歩いていた。2Fのナースステーションを通り過ぎると、小さな会議室にあかりが灯っていた。

「あの子をいつまで置いておくつもり。ずっといられたって迷惑よ」真波を激しく嫌そうな声が聞こえてきていた。

「病人には罪はない!」孝介もうんざりしたような声が聞こえてきていた。みずほは自分のことで真波がいきり立っていることを否が応でもわかっていた。

「なんて浅ましい子なの?意図的にわざと近づいて、普通、図々しくも入院してさ、私に喧嘩でもうっているの?他の病院にいってほしいわ」真波の怒りごえがドア越しに聞こえてきて、みずほは金縛りにあったかのように動けずにいた。

「こんなの冗談じゃない!!」いきり立ってドアを開けたとき、真波とみずほは勢いよく鉢合わせをした。

お互いにビクッとして面と向かいあったら、真波はびっくりとした顔をしながらもムッとして通りすぎていこうとしたとき、立ちとまり振り返るとみずほを睨みながら一言だけ言い放った。

「早く出ていってよ」冷たくそう言い放つと暗い廊下をツカツカと歩いていった。みずほは早足で立ち去っていく真波の後ろ姿をみながら似たようなこの光景をみたことがあるような気がしていた。

(あっ!!) 初めて関根病院に急性胃腸炎で入院した時に通りすぎていった女性であったことに突如気がついた。

まさかこんな風になってしまうなんて思わなかったとつくづく感じていた。

みずほは院長の娘に出ていって言われて出ていかない訳にはいかないように思い、病室に戻るなり、身辺整理をしていた。カチャっとドアが開く音にも気がつかずにいた。

「どこにいくの?」悠人の声にみずほは思わず振り返った。

「どこってここを出るしかないでしょう。いられる訳がないでしょう」

「どこにいくつもりなの?」

「どこって戻るしかないでしょう」みずほは苦し紛れにいった。

「なんでこの病院に向かっていたんだ?病院なんてここじゃなくてもどこにでもあるだろう?」

「確かめたかったの」みずほはぶっきらぼうにいった。

「・・・何を・・?」悠人は腕を組みながらいった。

「・・・あなたが、誘拐事件の時のあ、あの・・・窓越しの・・少年だったのではなかったのかって思って」みずほは半分のホンネをゆっくりと吐露した。

「そうか?僕のことを気にかけてくれて嬉しいよ。僕も君に一つ尋ねたいことがあるよ」

「・・・」みずほは思わず俯いた。

「君は一体、誰に狙われているの?誰から逃げているの?」


つづく、、





p.s

あついーー!!歩いていただけで汗が吹き出して、もう、づらいーー!

昨日、すごく不思議だなぁって思ったことがふとあった。

私を深く知るなら知っていることなのですが、10代の半ばごろ、創作活動を始めた頃(自称・ポエマー!!)あるアーティストの大ファンだった。その人の掲載されている雑誌を読んでいると、何か匂うの。自分の匂いじゃなく(笑)なんか神々しい、木のような匂いがするの。その人の本も多数もっており、その人の本を開くと何ともいえない木のいい匂いがして、当時の友達に話したら、本の紙の匂いではないのでは?言われたのですが、バスの中でも、その人の曲を聞いたり、ふと考えたりするとその匂いがやってくるの!!人生の七不思議でその頃から私の創作が始まった。でもこの10年以上の歳月がすぎ、あのずっと鳴っていた音楽は別の女性アーティストの曲だったのですが、次の日メトロで小説を書こうとした時だった。あの懐かしい匂いがふわぁ〜っと木のいい匂いが突然やってきて、びっくりした‼️すごく懐かしいぃーって胸がしめつけられそう

なんか、すごく不思議な感覚がよみがえってきたのでしたー!!書こうとしたときだったからね!


8月までに書き終えられますように!