悠人はやるせない気持ちで俯きながら歩いていると、真波の父親・関根孝介が通りすぎた。
「君は蔵田君じゃないか?」関根は穏やかな笑顔で元気がない悠人に声をかけると、悠人はのろのろと顔を上げると孝介に気がつくと、取り繕うように急に作り笑顔を浮かべた。
「あっ、お父さん、どーも。お世話になっておりますっ」
「どうしたんだよ。こんなところで。今日はなんか用でもあったのかい?」
「えっ、まぁ・・・。ちょっと」悠人はおどろおどろ答えた。
「どんな用事なんだい?」関根は優しくいいながらも、突っ込んで聞いてきて少し悠人は戸惑い動揺した。
「あっ、こないだ来たとき忘れ物をしたみたいで、取りにきただけですよ」悠人は取り繕うように愛想笑いを浮かべた。
「そうか。忘れ物はあったのかい?」
「ええっ。お陰様で・・・」悠人はそういうと関根にぺこりとお辞儀をするとそそくさとその場を立ち去っていく姿を関根はなんとなしに見届け、孝介が歩いていくと、経理室のドアから眼鏡をいじりながら悠人の去っていく姿をじっーと眺めている永野に孝介は声をかけた。
「永野さん、どうかされましたか?」
「これは、これは、先生」永野は少しかしこまったような顔でいった。
「蔵田君がどうかされたのかな?忘れ物を取りにきたといっていたけれど・・」
「忘れ物?そんなもの取りにきていないですよ。別件できたのですよ」
「・・・別件って何のことかな?」関根が永野に問いかけると永野は少しバツが悪そうに顔をしかめた。
悠人はそそくさと病院から出ようとした時、一台のタクシーが目の前に止まりドアが開いた。悠人がタクシーを避けて通り過ぎようとした時だった。
「あらっ、悠人さんっ!」悠人は名前を呼ばれて思わず振り返ると真波が立っていた。
p.s
今日はずっーと、ドラマをみていて、見疲れたら昨日、作ったレアチーズで休憩❤️幸せ!!
ドラマも何度みてもよいドラマ。忘れかけていた大切なことを思い知らせてくれるドラマ。コスメ熱やお菓子熱が下がり始めたら、急に執筆熱がじわじわと上がってきていて、、熱量のバランスはうまく出来ているなぁってつくづく思いました!今回みていたドラマは何回目かわからないほどみていて、今まで最後まで見きれなかったから、今回はゆっくり見ていますが、、、忘れていた人間のあるべき姿を思い起こさせてくれます。