第8部 悲しみの雨 第11章 家族の証 | ブログ小説 第10部 ブルー・スウェアー

愛歩は次の日、朝一で千葉にある病院に駆けつけた。そこには美佐江と弟の真斗がきていた。

「お姉ちゃん・・・」翔平は久しぶりにみる愛歩をみるなり、思わず立ち上がった。美佐江も無表情でありながらも愛歩をみるなり、心なしか少し微笑んでいたような気がした。

「おじいちゃんは?」

「今はまだ集中治療室にいるわ。あんたは今日、来ないと思っていたわ」美佐江は相変わらず愛歩には冷たい。


飯田愛歩の家は見た目はごく普通のサラリーマンの一家で下に弟がいる4人家族だった。父親は食品の営業マンで飲食店に調味料や材料をウチの会社で発注しませんか?と店舗で掛け合うごく普通のサラリーマンで、貧乏でも裕福でもなかった。そして母親は時々パートで近くの工場で働いていた。そんな家に弟と2人で暮らしていた。弟の飯田翔平とは小学生まで仲がよく遊んでいたりしたが、愛歩が中学に上がる頃から軋轢が生じ、ひずみが生まれ始めた。愛歩は公立の中学に通っていた。そこには何の疑いもなかった。「飯田家」はそこまで裕福な家でもなければ生活するだけで精一杯なはずの家で愛歩はわがままを言ってはいけないと思っていた。だから愛歩は別に家族と仲が悪いわけでも弟と仲が悪いわけでもない、ごくごく普通の暮らしを送っていたのに、弟が私立の中学を受験し合格して、高校も大学も私立にすすんだことから愛歩と翔平の間にきょうだいの歪みが生まれた。弟が私立の中学を受験して、進学した頃からあんなに無邪気に遊んで仲がよかった弟との間にギクシャクしはじめた。うちが裕福ではないと、言われて育てられてきたのに、わがままを言ってはいけないと自分に言い聞かせてきたのに、弟が中学受験を控えてから塾に通わせたり、体調を気遣って夜食を差し入れたり、夜遅くに塾に迎えにでかけたり、あんなにも平等に育てられてきたはずなのに、どうしていざとなればこんなにも弟と差をつけられなければならなかったのかと思うと愛歩の中で解消することができないわだかまりが生まれ、そのわだかまりは月日を追うごとにどんどん大きく広がり、いつしか翔平と口をきくことがなくなっていた。翔平は両親の一心の期待を背負い、その後は何の苦労もなく大学にいき、公務員になり、その後も平穏無事に暮らしていた。それに比べ、自分は弟と平等だと信じていたのに、自分は公立の中学に行き、高校も公立に行き、地元の短大で、今はその日暮らしの上にその上に何の援助もしてくれなかった。この差は一体何なのだろう?弟は今も実家に暮らし、綺麗な彼女とも順風満帆に進んでいるようで、愛歩は翔平にこれといって恨みがある訳ではないけれど、両親がわざと兄妹の仲を引き裂いたように、弟に何の罪もないとわかっていても、今でもそのわだかまりは歳月を過ぎても消えずにいた。

久しぶりに弟をみて、愛歩は少し複雑な気持ちになった。

「お父さんは?」愛歩は翔平に目をやらず美佐江に問いただした。

「お父さんは今日は仕事よ。何かあったらすぐにかけつけてくれるようになっているから安心して!」美佐江は淡々とした口調でいった。

「姉さんが昨日、おじいちゃんが部屋で倒れているのを発見したのよ」

「・・・そう・・」愛歩は心もとなしか曖昧に頷いた。

「姉貴、ちょっといい?」翔平はいきなり約10年ぶりくらいに話かけてきた。

「えっ?」愛歩はいきなり翔平に話かけられて、少しびっくりしながらかろうじて、軽く頷いた。

「ちょっと、いいかな?」翔平は立ち上がり、愛歩の肩に話かけた。

「翔平・・・どうしたの?」美佐江も少し驚いたように翔平の背中に声をかけた。

「ちょっと、姉貴に話したいことがあるんだよ!」

「へっ・・?話?」愛歩は思わず素っ頓狂な声をあげた。


つづく、、


p.s   こないだ何でもない普通の日に主婦の人が子供を乗せて自転車を押しながら歩いていたんですよ。何でもない昼下がりの午後だったんですが、こちらを一瞬だけみて通りすぎた何でもないシーンだったのに、なんか初めてみた気がしなくて、このシーンがどこかでみたことがあるような気がして、強烈に記憶に残っていて、何でかわからないけれど、強烈に印象に残っていて、、ふと思い出していたら身体中に電気が走ったみたいに、波動が強い、小説のアイデアが物凄い強い電気とともに稲妻が走ったように降ってきたんですよ。最近、眩暈が多かったんですが、とある本に眩暈が多い時って波動が変わっている時らしいんです。すごい強烈すぎて、、びっくり!ただ、6月はいいことも苦しいこともあり、受難の月で読んで字の如く、難を受けると書きましすので外部から受難をうけてまして、、一つはうやむやになり、一つは長い時間をかけて解決していくだろう。なんか大変だった。思いもよらぬことが立て続けにあり、ただ闘いが連続的にありでもこの受難さえも人生の一部なんですよね(;^ω^A

本当に波動が変わっているのかも。受難をうけても前なら不安になり、占いをしている私がいたのに、不安も大きかったけれど、それも人生の一部だからなぁ、、って大変だったけれど、占いをしたいとさえおもわなかった。なんか変わった気がするんです。変わりすぎた自分が自分に戸惑いを覚えていたこの頃で、、時は過ぎた、、その言葉が何度も過るんですよ。

でも突き詰めると受難も難問という言葉に続くから難問を受ける!となるなり。つまり試練だったのかも。そして、乗り越えたのかも。そして、強烈に強いアイデアが身体中が震えるほどやってきた!久しぶりに、創作の神が降りてきたのかも。創作は続くなり。

{04DF4CDE-2FF0-4BC9-8475-3DFBC19AD3B8}
この間たべた食後のデザート、アップルパイが美味しかったなり。久しぶりに食べた!いろいろ受難をうけていたのでお喋りできて楽しかった!

ある人にいわれた言葉。
うまくいくだけが人生じゃないもの。苦しいことも大切な人生の一部なんだよ。