第7部 私の愛まで 第18章 本当の悪魔 | ブログ小説 第10部 ブルー・スウェアー
「私の将来の夢はかわいいお嫁さんになって犬一匹飼って子供が2人くらいいて幸せに暮らすことです」まだ5才の幼い未歩は無邪気に笑っている。その横で朱理お姉ちゃんが楽しそうに風船で遊んでいる。お母さんが未歩に何か楽し気な声で笑いながら話している。このホームビデオはお父さんが撮影しているものなのだろう。お父さんの声も聞こえる。未歩はお母さんのおばちゃんの家から持ってきたホームビデオを見ていると自然と涙が流れてきた。 
―こんな時代もあったのよね。こんなに幸せな時もあったのよね。愛に満たされてた時もあったのよね・・・悔しい、悔しい―未歩の目からとめどなく涙がこぼれ落ち、握りこぶしが震えた。 
―どうして、どうしてなの?―昔のホームビデオを涙に濡れながら見ていた。その瞬間未歩は一瞬目を疑うようなシーンが移し出された。 
―えっ…えっ…―未歩はビデオを巻き戻した。未歩の5才の誕生日に小さなケーキにロウソクに火を灯してふっーと火を消している時の場面だった。お姉ちゃんやおばあちゃんはお父さんや幼稚園のお友達がみんな笑っている。カメラは周りの人の顔を映し出していた。最後に映しだしたのは母親の顔だった。一瞬母親の奈央子が映し出された。 

顔が笑っていない。目が怖い。 
明らかに未歩を見つめている。 

すぐにカメラは別の場面に切り替わった。未歩には戦慄の鳥肌が立つ場面だった。―お母さん・・― 奈央子が店の駐車場で自分の顔をみて号泣した時のことを思い出した。 
―お母さん、あなたは一体何を隠しているのですか? 

p.s
やっと佳境に入りましたー☆やっとです。今までの作品の中でとても長い作品でした。そして、、、せつなさをテーマにした恋愛小説も執筆は佳境です!!人は淋しさを抱えて生きてる生き物ですが、、その淋しさに押しつぶされて、思わぬ展開になってゆきます!!とっても悲しいお話です。本当に大変でした!私は自分で淋しさに押しつぶされることがそもそもないので、登場人物の気持ちになって、、、なんかそこまで傷つくことってないなぁーと、つくづく感じました。恋愛至上主義の気持ちってわからないけれど恋愛で涙してみたい。今回は恋愛については深く涙したことがほとんどない私が頭をコネクリまわしてああでもない、こうでもないといいつつ、一生懸命アイデア&知恵を振り絞って書いたもの。もしこれで泣いてくれる人がいたら、私の努力も救われるはず☆