廃墟のようなビルの地下にあるクラブのバーの扉を無造作に佑香は開けた。店の中に入ると辺りを見渡しながら店の奥にどんどん入っていく。突き当たりに男女4人が固まって座っている。
「おっす~、、、佑香じゃんか!!元気にしてたぁ?」ソバージュの知子が手を振った。
「うん」佑香はタンクトップに腕には派手に刺青の入った男の横に座った。男は佑香の髪を撫でた。佑香はテーブルにおいてあるタバコを一本抜き取り口に加えると横に座る刺青の男がすかさず火をつけた。
「佑香、、彼とはどう?青年実業家の彼よ」知子は勘ぐるように聞いた。
「あ~、コージ、、別れたわよ。めんどくさい男だったわ」吐き捨てるように佑香は言った。
「佑香は残酷だからね!どーせ、、その気にさせといてぽいっと捨てるんだから」知子は佑香の御勝手をよく知り尽くしてる友人だった。佑香はタバコの煙を深く吐き出すと知子に身を乗り出した。
「西本恭一って知ってる?」
「知らない!誰?」
「女優でさ西本紗耶っているでしょ」佑香は遠い目をしながら言った。
「西本紗耶?」もう一人の女の子・みつあみをお団子頭にした美代がしばし思案顔で呟いた。
「あっ、、、西本紗耶って一昔前にテレビによく出ていたわ、、その人の息子?」美代は合点が言ったように手を叩いた。
「うん・・・・まぁ・・・・・」
「それってかなりのサラブレットじゃない?流石だわ、、、、全てが計算ずくの佑香だけあるわ」美代は羨望の目を佑香に向けた。
「でもそんなサラブレットをどうやって落としたの?」知子は冷静に聞いた。
「昔から佑香はね、、、、意中の男を落とすときは不幸話をして落とすの。どうせ男に捨てられたとか、、、ひどい時は子供をおろしたとか、、、いうの。パターンが決まってんのよね!」美代は笑いながら言った。
「よくわかってんじゃない、さすが長年の友達だわ」佑香はけらけら笑った」
「よしなよ、お行儀が悪い!」知子は佑香を牽制した。
「きっかけがどうであれ、彼は今、、私のことを愛してくれているから大丈夫よ」佑香はしたたかに笑った。
「したたか・・・・・魔性の女・・・・・・」知子は嫌味を呟いた。
「でも一人、邪魔者がいるのよ。」佑香はタバコを灰皿に磨り潰しソファーにどっと腰をかけた。刺青の男が佑香の腰に手を回す。
「知子、、宇佐見千広って知っているよね!」
「宇佐見千広・・・誰だっけ?」知子は記憶の糸を手繰るように考えこんで
「あっ、、ずっと昔、、雑誌で一緒に撮影したことのある・・・・あの子!あまり人としゃべらない子だったわ」知子の顔には懐かしさが広がっていた。佑香の顔には険しさが広がっていた。
つづく、、、