「東京ってどうして急に」美咲はとまどったように祐人に問いかけた。
「さぁ、何考えてるのか、さっぱりわからないよ」うんざりしたような祐人。
「今までこんなことなかったのに。せいぜい大阪に半年間転勤したことはあったけどこんな今日の今日に言われるなんて初めてよね」不満気な美咲。
「でも1週間で戻るか心配すんな」祐人は美咲の肩を優しく撫でた。
「・・・・・・何時に行くの」
「17時の電車で行くよ」
「そう・・・じゃあ送るわ」
「亜美のお迎えがあるだろ。俺のことはいいから」
「でも・・・・・」美咲はふてくされた。
「毎日電話入れるから、心配するなよ。ちゃんと家と亜美を守ってくれよ」優しく励ます祐人。
「・・・・・うん」そういうと美咲はトランクに祐人の荷物を詰め込み始める。
祐人は壁にかかっている時計をみた。16時05分をさしている。
祐人はため息をついた。
時間になると美咲が用意した大きめの旅行用のトランクを引きずりながら玄関に行くと美咲が玄関まで見送る。
「しっかり栄養を取るのよ」
「わかってるって。心配するな」精一杯の笑顔を浮かべる祐人。祐人は美咲を抱きしめた。
美咲の耳元でささやいた。
「早く帰ってくるよ」
「・・・・・・うん」
祐人は美咲を離すと
「じゃあ・・・」美咲は手を振った。
「おおっ・・・」祐人も手をかざした。祐人はドアを開けもう一度美咲を振り返った。
何故だろう?君の顔が一瞬ぶれてしまったのは。ぶれてしまったから重なり合うまで見つめてしまった。
「どうしたの?」美咲は不思議そうにいった。
「ん?・・・・・何でもない。じゃあ」祐人は家を出た。夕暮れが訪れていた。
この不思議な何ともいえない感覚は何なのだろう。さっきから胸がざわざわしているんだ。。
つづく、、