待ち合わせの時間より勇起は早くついた。何を伝えるべきか、気持ちの整理がしたかった。
「お客様、ご注文は何になさいますか?」
「そーですね、烏龍茶下さい」注文を出した後頭を抱えるように勇起は塞ぎこんだ。ウエイトレスが覗きこむようにみていた。一瞬目があった。
(俺、怪しい人間だな)
禁煙席なのに隣の女はぶかぶか煙草を下品な笑い声をたてて笑っている。金髪でガタイのいいギャル2人の吐き出す煙草と笑い声が勇起には耐えられない
「・・・・・・・うるさい」勇起のぼやきは相手に届いていない。ふと横をみる。
「可愛くねぇ・・・」
「はっ?」片方が勇起の言葉に反応する。ムッとした女の顔。
「お待たせ」気がつくとめぐ未が立っていた。
「あ、、うん」突然のめぐ未の出現に隣をみないように居住まいを正した。
「超~感じ悪ィー」
隣の声を聞こえないふりをした。
「急にごめん」めぐ未は小さく謝った。
「急に会いたいなんてわがまま言って・・・・」
「大丈夫だよ」勇起はうなずいた。隣のギャルは二人のやりとりを笑っている。気にするめぐ未。
「気にしなくていいから」気を取り直すように勇起は微笑みかけた。
「久しぶりだね」
「うん」心なしか寂し気なめぐ未の微笑み。きまづい沈黙。グラスの氷がゆっくり氷解している。まるで自分の心のわだかまりのように。 つづく、、、