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昨日からwowowで始まったケイト・ウィンスレット主演「ミルドレッド・ピアース 幸せの代償」(全5話)。

米大恐慌時代の女の細腕繁盛記。
昨日は1話と2話。
あの時代だったらどこにでもいるカリフォルニア・グレンデール郊外の専業主婦ミルドレッド(ケイト・ウィンスレット)は、夫の浮気に耐え切れず、ついに夫を追い出してしまう。
女ひとり女児を二人抱えこれからどうするの?
そんな心配なんか、エネルギッシュなミルドレッドの行動力でふっとんでしまうのだ。
展開は早い。
仕事探しの帰り、空腹に耐えかね入った簡易食堂。
見るとはなくウェイトレスたちの仕事ぶりを眺める。
彼女たちは、チップの取り合いを始める。
醜い争いに顔をしかめる客。
店主は、一人のウェイトレスにクビを言い渡す。
ただでさえ忙しい昼時。

わたしやります!

ミルドレッドはウェイトレスの制服を身に着ける。

専業主婦の頃から、パイやケーキ作りは得意だったから、それを活かしついに自分の店をオープンするまでに。
でも、ドラマのタイトルで一目瞭然なように、成功に犠牲はつきもので、新しい恋人と夢のような一夜を共にし帰宅した彼女を待っていたのは。
次女が風邪をこじらせ入院しているという隣人の知らせ。

古典的なストーリー展開とおもったら、どうやら50年以上前の原作、映画の焼き直しのようだ。

個人的には、ケイト・ウィンスレットの脱ぎっぷりの良さ=女優魂は大好きだし、尊敬に値する。
美と知を併せ持ったケイトならではの見事なキャスティング。

気になったのは、長女が母の仕事に難色を示すのが理解できなかった。
お父さん大好きなんだから、一緒に追い出してしまえば良かったのだ。
と、これは子どものいないわたしの浅はかな感想。

もうこの時代、建国百年やちょっとで身分制度のようなものができあがっているのに驚くとともに、これが自由の国アメリカなのかと、人間というものの根源的な業や欠点を見せつけられたような気がする。

それにこのドラマの「幸せの代償」というサブタイトル、ただのレトリックだとは思うが、突然の不幸は、普段の生活態度とはなんら因果関係はなく"起こる”ことは“起こる”のだ。

今日の午後残りの3話でこのドラマは完結するが、長女との感情の行き違い等、どうなるのか楽しみである。