最近の囲碁AIはものすごく強くなっているようで。
ネット対局だとプロでも4子、強いプロでも3子とか…。
といっても早碁なのでマシンの性能でいくらでも時間を短縮できるAIと違って人間は必ずヒューマンエラーがでる。
ということで、タイで長時間碁で打って何目差までせまれるかやってみて欲しいところではある。
AIは時間そんなにいらないだろうから、人間10時間、AI1時間くらいで。
そこまでやってももう2子差くらいついてしまっているだろうか。
まぁ、それはともかく。
だいーぶ前だけど、天頂の囲碁7と、銀星の囲碁19を買った。
しかし、ネットとかで調べると、意外とその棋力や特徴みたいなのを書いたレビューとかが無い。
よって、今更ながらそこらへんの話でも。
天頂の囲碁は結構大きなプロジェクトであるドワンゴのZENを元にしたAIを使っているだけ
あって、作りがしっかりしていて、各々の段位もかなり正確である。
一方、銀星の囲碁は…買われた方はかなり困惑したんではなかろうか。
段位設定が途方もなくむっちゃくちゃである(笑)
というわけで、これも今更であるが、銀星に天頂のレーティングを打たせてレーティングを出してみようかと。
といっても、それをするには結構時間がかかるので別記事にして、その前にAI各々の印象から。
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○天頂の囲碁7
天頂の囲碁はかなり試験対局を行っているみたいで、その棋力はKGSを基準にしているらしい。
ただし、KGSの早碁での棋力かと思われる。
よってじっくり打てば、KGSの段級位マイナス1~2級ぐらいが妥当かな?と思われる。
自分の場合、KGSで1dだった。
ただし、酒を飲みながら適当に打つことも多かったので、毎回すごく真面目に打てば時々2dになるかもしれない。
んで、その自分の天頂の囲碁のレーティングだと、ある程度真面目に打てば、大体
「三段」
くらいかな、と思う。
だいぶ昔の、地方のアマの最高位が六段だった頃を考えると妥当な段位。
現在のかなりインフレした地方の段位でなら、
「一般的な碁会所の段位=天頂のレーティング段位+3~4段」
くらいかな?というところ。
自分も地元の碁会所へ行けば(ずいぶん行ってないけど)大体6段くらいの棋力になるだろう。
今の碁会所はトップが9段か10段なので、もしかしたら、都会へ行けば最上位が強く、その分段が
厳しいのかもしれない。
それともトップも11段、12段と上がっていくんだろうか。
その辺はよくわからない。
他の囲碁ソフト(といっても知ってるのは銀星や昔のLeelaぐらいだけど)と比べると、
自分が感じた天頂の囲碁の特徴としては以下の通り。
・人間に近い
これは製作者も言っていたけど、囲碁AIの中では打つ手が一番人間に近いかも。
だから、碁の流れから自分が勝ってるのか負けてるのかが判断しやすい。
自分が打ちたかった所に打たれるってことも多い。
逆に銀星なんかは、相手の打つ手が良い手か悪い手か判断できず、形成判断に迷うことも多い。
・舐めプする(笑)
天頂は、できるだけ「差を縮める」打ち方をするらしい。自己学習なので、その辺は変更できないらしい。
だから、勝ってる時は完全に緩い打ち方をして舐めプしてくる(笑)
例え10目くらいの差があっても、終局時は2.5~3.5目くらいの差になっている。
逆に差が小さい場合、いきなりヨセがうまくなる(笑)
そして、負けてると小差でもすぐ投げる。
だから、終盤になって投げない&舐めプすると、すぐ負けているのがわかって打っていてもおもしろくない(笑)
・力が弱い
基本的に形成判断にすぐれ、中央感覚が良く、地をとる碁を打つ。替わりに力は弱い。
だから、酒飲んで適当に打つと、銀星には力でボコボコにされるが、天頂は結構いい勝負ができる(笑)
力が弱いので、中盤までにリードされるとほぼ勝てない反面、リードすると勝ちやすい。
AI全般に言えることだが、死活をポロっと間違えることがあるので、例えば五段と打っても中盤
までに相手が間違えてリードできると、そのまま勝ててしまったりする。
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○銀星の囲碁
・わけのわからない手を打つ(笑)
変な手を打つが、それが悪手の場合も好手の場合もあって、形勢がさっぱりわからなくなる(笑)
・数えてない(笑)
天頂と真逆で全然数えてないし、投げない。だから終わってみると50目勝ってるとか、そういうのがザラにある。
逆に、「投げる」設定が有効だと、勝っているのに投げることもしばしば(笑)
天頂と違い、リードされても逆転可能で、逆にリードしても逆転されることも多くある。
「投げる」設定が可能だが、レーティング戦ではできない。
・打つスピードが速い
上記のように地を数えてないからか、打つスピードが速い。
使ってるPCがしょぼい場合は天頂より銀星の方がいいかも。
・力が強い
あくまでも天頂と比べて、の話。リーラなんかも力碁だったので、AI全般で見るとどうなのかはちょっとわからない。
酒飲んで適当に打ってるとよく取られて負ける(笑)
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○人間と比べた時の囲碁AIの特徴
自己の印象も含む。
それらを箇条書きしてみると、
・手ごたえが無い
人間は、棋譜だけ見ているとわからないけど、実際に打ってみると、こちらの思惑と相手の思惑
がかみ合い、相手の実力というものが感じられる。
しかし、AIはこっちに関係なく打つので、手ごたえが感じられない。
人間と比較すれば強いとあまり思わないのに、スルスルとかせがれていつの間にか負けている。
・恐ろしいほど形成判断が正確
特に天頂は正確。形成判断能力はプロ以上なんじゃなかろうか。
逆に言えば、人間がAIに勝てないのはこの形成判断能力がでかいと思う。
・直線的な長手数の読みが弱い。
形成判断能力が恐ろしく高い反面、長い読みが苦手。よく言われるシチョウ、コウが弱いのもそれが原因。
あとは、「切って、ここを切って、次にここを切って…」など、長手数のわかりきったキズも読み抜けがち。
人間なら数えればすぐわかるであろう長手数の攻め合いも苦手。
・からめ手に弱い。
シチョウの当たりとか、ある場所に石が来ると手になる、なんかの場面で読み抜けがち。
複数の石の死活がからんでくるのも苦手かもしれない。
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○銀星の段位の強さ
データが取れる前に大体の「銀星の囲碁19」の段級位をしるす。
ただし、自分がよく打ってる段級位帯のみ。
強さとしては、
二段≧三段>>>1級>2級>3級>初段
である。銀星は段級位設定がかなりむちゃくちゃなのがわかるだろう。
銀星の二段は、少なくとも天頂の四段の実力はある。
二段と1級はある程度実力差がある。
天頂レーティングではなく、銀星の自己対局を10局づつさせてみた結果、
銀星初段は、
1級に2勝8敗
2級に3勝7敗
3級に4勝6敗
であった。
んで、勝敗は忘れたが、二段は三段に勝ち越した。
ただし、試行回数も少ないし、相性とかもあるのでそこまで正確性があるかどうかは
わからない。
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○天頂の強さ
天頂五段と五分に勝負できれば
「弱小~普通の県代表クラス」
かな?と思う。
ただし、AIが間違えて自分でも勝ててしまうことがあるので、
100局打って50勝とか、ある程度の試行回数が必要。
あと、相性もあるかもしれない。
力碁の人や、全体感覚に優れる人はAIに強いかもしれない。
逆に「覚えゲー」として、勉強で囲碁が強くなった人は苦戦するかもしれない。
そして、六段以上の実力は、もう自分の雲の上なので、よくわからない…
ただし、読みの力は九段でもアマチュア上位にすら届かないレベルかもしれない。
例えば、相手との段位差が、人間であれば100局打っても1局も勝てないくらいあったとしても、
同レベルのAIの場合、たまに死活を間違えるので勝てる時もある。
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以上。
そのうち?銀星の天頂レーティングを載せておこうと思う。
「銀星20」や「最強の囲碁」も買うかもしれないので、
もし買えば、そこらへんの評価もいずれ…
でも天頂の後継?の「入神の囲碁」はグラボが無いので無理です。
あと、フリーのソフトは…設定面倒臭いのでまたいずれw
…多分棋力的にはフリーの方が強いんだろうね。