第41回日本受精着床学会総会・学術講演会 | 医療法人社団 晴晃会 育良クリニック

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中目黒アトラスタワーにある産科・婦人科・生殖医療科の病院です。
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先日の7月27日~28日の2日間、仙台で開催された

第41回 日本受精着床学会総会・学術講演会に参加してきました。

 

また、当院の胚培養士が

当院における非遠心型精子調整デバイス"ZyMot"を用いたcIVFの培養成績

の演題で発表をしてまいりました。

 

 

今回の学会で大変興味を持った内容を一部、ご紹介します。

  • 透明帯除去培養法(ZP-Free法)

国内のクリニックから報告された培養技術です。

受精後1回目の分割時に細胞のかけらであるフラグメントが多く発生した場合、

細胞質と透明帯の癒着がその後の胚発育に影響していると考えられています。

そのため、透明帯を除去することにより、フラグメントの発生を抑制し、

培養成績が向上したという報告でした。

 

  • 卵巣機能低下に対するGCSFの有効性

GCSFはサイトカインという免疫細胞から分泌されるタンパク質です。

顆粒球産出の促進、好中球の機能を高める作用があります。

この製剤は、国内外で承認を受けた薬剤で、

ガン治療における好中球減少症等に用いられており、

不妊治療においては子宮内膜が厚くなりにくい方の子宮内に注入すると

子宮内膜が肥厚するという報告があります。

今回は、卵巣機能が低下している方に注射することで、

採卵数・良好胚盤胞数の増加、AMHの上昇に効果があるという報告でした。

 

今回の学会では最新の知見や話題性のある発表も数多くあり、

また他施設の先生や胚培養士の方との意見交換など大変、勉強になる学会でした。

 

今回学んだ内容を、今後の診療に活かせるように院内でも検討していきたいと思います。

 

培養室長 富田